見出し画像

➂小学生だっていろんな思いを抱いてる

私は小学校時代に2度の転校を経験しました。
この転校も、今の私を形成する大切な経験が沢山あったと思います。

初めての転校

■新しい環境への不安


小学生の頃、私は初めて転校を経験しました。
それまで通っていた学校は本当に楽しく、友達や先生との関係も良好で、毎日が充実していました。
そんなある日、両親から突然、転校することを告げられました。
その知らせはまるで青天の霹靂で、まだ幼い私の心をかき乱しました。
胸が締め付けられるような痛みが走りました。
友達との別れが現実になると思うと、涙がこみ上げてきて、抑えきれませんでした。
毎日楽しく過ごしていた学校生活が急に遠ざかるようで、不安と悲しみが一気に押し寄せてきたのです。
「どうして?」「なんで私が?」そんな疑問が頭をよぎり、両親に対して激しい反抗心が芽生えました。
これまでの楽しい学校生活を奪われるなんて、とても受け入れられませんでした。
私は両親に何度も訴えました。「ここにいたい!」「友達と離れたくない!」と。
しかし、両親の仕事の都合での転校ですから私の意見はもちろん通りませんでした。

転校の日が近づくにつれて、私はますます不安になりました。
新しい学校では友達ができるのだろうか?先生は優しいのだろうか?初めての場所で、私はやっていけるのだろうか?
そんな思いが頭をぐるぐると巡りました。
夜になると、布団の中で泣きながら、「どうしてこんなことになったの?」と自問自答する日々が続きました。
友達と過ごした楽しい思い出が頭をよぎり、心が引き裂かれるような気持ちでした。
それでも両親の決定には逆らえず、絶望感が増していくばかりでした。
今思うと、きっと両親は私が毎晩泣いていたことに気が付いていたと思います。
仕事の都合だった為、どうしようもなかったのでしょう。

転校初日、私はいつもより少し綺麗な服を身にまとい、緊張で震える手を抑えながら学校へ向かいました。
初めての転校先に着いた日のことは、今でも鮮明に覚えています。
新しい学校の門をくぐる時、胸の中に大きな不安と緊張が渦巻いていました。
職員室に通され、校長室で他の転校生と顔を合わせ話を聞いている間、とてもじゃないけれど緊張はほぐれませんでした。
これから担任となる先生が私の前に立ち
「みぃちゃん、これからよろしくね!さぁ、教室に行こう!」とにっこりと話しかけてくれ、教室まで手を引いてくれました。
教室に入ると、子どもたちの好奇の視線が一斉に私に向けられ、ますます緊張が高まり息が詰まりそうでした。

担任の先生は優しそうな女性で、私をクラスメイトに紹介してくれました。
「今日からこのクラスに新しい仲間が加わります。みんな、仲良くしてあげてくださいね。」
先生の言葉に少し安心しましたが、それでも不安は消えませんでした。
初めて会う子どもたちに囲まれ、どうやって話しかけたらいいのか分からず、ただうつむいていました。
この時自己紹介をするように促された覚えはあるのですが、正直なんと話したのか全く覚えていません。

■初めての友達とその関係、そして心の成長


休み時間になると、数人の子どもたちが私のところに来て話しかけてくれました。
「どこから来たの?」「習い事何かやってる?」といった質問が飛び交い、少しずつ緊張が解けていきました。
そのうち、一人の女の子が「今日の給食、一緒の班で食べよう!」とにっこり笑って誘ってくれました。
彼女の名前はななちゃん。その瞬間、私の緊張は一気にほぐれ、心に暖かいものが広がりました。
給食の時間になると、ななちゃんは私をグループの友達に紹介してくれました。
皆が「ようこそ!」と歓迎してくれ、まるでずっと前からの友達のように接してくれました。
お昼ご飯を食べながら笑い合い、楽しい時間を過ごす中で、「ここでも友達ができるんだ」と初めての安心感を得ることができました。

新しい学校生活が始まり、毎日が新しい発見の連続でした。
初めてのことばかりで戸惑うことも多かったですが、少しずつ友達も増え、少しずつ慣れていきました。
それでも、ふとした瞬間に、以前の学校の友達や先生のことを思い出し、懐かしさと共に寂しさが込み上げてきました。
新しい友達と過ごす時間は楽しいけれど、お客様扱いな部分を感じたりする時があり、まだ完全に馴染めているとは言えませんでした。
時折、以前の学校のような安心感が恋しくなり、新しい環境に対する不安が頭をもたげました。

しかし、ある日、私は気付きました。
新しい学校での経験もまた、自分にとって大切なものだということ。
新しい友達との出会いや、初めての挑戦が、私を少しずつ成長させていることを感じ始めました。
先生や友達の助けを借りながら、少しずつ自分の居場所を見つけていく過程で、私は強くなっていったのです。

転校してから数ヶ月が経った頃、私は新しい学校にすっかり馴染んでいました。
友達と一緒に遊んだり、勉強したりする日々が楽しくなり、不安だった気持ちも次第に薄れていきました。
以前の学校の友達とは手紙のやり取りをしていましたが、新しい友達との絆も深まり、私の心はますます豊かになりました。

この1回目の転校という出来事は私にとって
新しい環境に飛び込む勇気を持ち、不安を乗り越えることで、自分の成長を実感できるものになりました。
そして何より、新しい環境での生活は不安でいっぱいでしたが、ななちゃんとの出会いがその不安を和らげてくれました。
彼女との出会いは、私にとって新しいスタートを切る大きな励みになりました。
この小さな勇気と優しさが、私にとってどれほど大きな意味を持っていたか、今でも感謝の気持ちでいっぱいです。

これからも、新しいことに挑戦する勇気を持ち続け、どんな環境でも自分らしく生きていきたい。
転校の経験は、私にとってかけがえのない宝物となり、その経験が私を強く、優しく成長させてくれたとこの時は感じていました・・・。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?