「出来ない」ことは自分を豊かにするチャンス
先週末、久しぶりに家族でバーベキューへ出掛けた。2ヶ月前に息子たちが製作したお茶碗を取りに行くついでに、近くの河原でバーベキューをしよう!となったのだ。
朝早くに出発し、8時過ぎには目的地についた。緑の匂いがして、思いっきり身体中にこの空気を閉じ込めておきたい気分になる。
テントや椅子などを準備している間に、子供たちはさっそく川へ行き、おたまじゃくしをつかまえて遊んでいた。
久しぶりのバーベキューだったので、食べ物の用意はしていたのだけれど、遊び道具をほとんど持ってきていなかった。やってしまった。。
まぁ、自分たちで何か見つけて遊ぶだろうな。そう思って眺めていると、長男が車のトランクから竹の釣り竿を引っ張り出してきた。夫が使うかも?と思って入れていたらしい。この辺りは釣りが自由にできるようで、別の家族が離れたところで釣りをしていた。
夫、グッジョブ!と思っていたら、息子達が騒ぐ
「エサがないよ!」
夫はとりあえず家にあった釣り竿を持ってきただけだったので、エサなんて用意していなかった。息子たちは釣り竿を持って、やる気満々だ。どうしよう?
とりあえず、ここはキャンプ場だし、釣り竿のレンタルがあったとHPに書いてあった気がする。受付まではここから少し距離があるし・・と思いながら私は携帯でとりあえずエサの販売があるか調べようとしていた。
エサは受付にあるようだったので、息子たちに伝えようと思ったら遠くの草むらで何やらガサガサ動いている。
しばらくして戻ってくると、袋に入ったバッタを見せてくれた。
「これをエサにする!」
そういうと、長男は生きたままのバッタを釣り針につけて釣りへ出掛けた。
私は、携帯を片手にその様子を見ていた。長男にエサが売っているよ、なんて伝えなくて良さそうだ。それよりも、とっておきのアイディアを見つけてきたんだから。
息子たちのアイディアはびっくりしけど、さすがにバッタでは釣れないだろうと思いながら私はテントに戻り、お昼ご飯の準備をする。
30分後。「ママー!!!」と遠くから長男の叫び声。そして笑顔の横には釣り針に食いついた小さな魚が!!息子、釣っていた!笑
隣のサイトにいたおばさんも「すごーい!」と声を上げ、長男はドヤ顔で近づいてきた。
「バッタはピョンピョン動くから、勝手に魚が寄ってきたよ。でも、大きいバッタだと針から取れちゃうから小さめのバッタの方がいいみたい。」
長男は本当に楽しそうな顔をしていた。出来ないことを自分の発想力で可能にしてしまう柔軟な発想力にとても成長を感じた。
毎年、色々な所へ旅行へ行き、親以外の人から釣りやさまざまな遊びを教わった息子はたくましくなっていた。小さめのバッタがエサになるなんてGoogleの検索には上がってこない。
出来ないから諦めてしまうのではなく、別の方法を考えて試してみる。成功しなくてもそれは失敗ではない。大きな自分の糧だ。
結局、その後バッタで魚は釣れなかったけれど、息子は満足そうだった。
この気持ちを、息子には忘れないでほしい。だんだん親の元から離れていくけれど、壁にぶち当たった時に出来ないことを悲観しないで豊かな発想で楽しんでほしい。
すこーし、親元を離れ始めた長男に向けた、私の願いです。