小学4年の時に書いた詩
『霧』
向こうの方は真っ白で
なんだかもやもやしている
きれいだな
あっちにいる人たちはみんな
あの白いもやもやに包まれている
いいないいな
私もあのもやもやの中に入りたい
もやもやに包まれたい
どうして私の周りにはないんだろう
向こうの方から声がする
「あっちに綺麗な霧があるね」
「たくさんの霧に包まれててうらやましい」
驚いた
あっちの人からは、私の周りにもやもやが見えるんだね
私から見えるそれのように
自分ではなかなか気付けない
本当はもう、霧の中にいるってこと
本当は今も、今までもずっと、あったかいもやもやに包まれてたってこと
でも絶対に見えるはず
よーーーく見れば、必ず見えるよ
だって本当に、すぐ近くに霧はあるんだから
…というような詩を、多分小学校4年生くらいの時に書いた。
(完全なる再現ではないが、こんな感じだったと思う。)
国語の宿題で出されていたんだけど、やってくるのを忘れていた私。
休み時間に友達と遊んでたら、担任の先生が何気なく、
「チャイムが鳴ったら宿題の詩、集めるぞ〜。やってきたかぁ〜?」
って言いながら歩いて行き、ハッ!となった私は、
「やっば〜!」
と、急いで5分くらいでサササ〜っと、この詩を書いて先生に渡した。
それを読んだ先生が、
「…これ、ほんまに今書いたんか?」
「全部自分で考えたんか?」
と、驚いたような顔で聞いてきて、特にその意味を考える由もなく「はい、そうですが、なにか?」的な返事をした気がする。
それから数日後、全学年の各クラスから、代表で選ばれた生徒たちの詩を載せた“詩集”が出来上がったと、担任の先生が見せてくれた。
うちのクラスからは、私の詩を代表で選んだよと、先生が言った。
すごく嬉しかった。
その時なんとなく、あの時の先生の質問の意味がわかった気がした。
あの詩集はもうどこかに行ってしまったけど、この出来事は、その後の私の人生の中で何度も思い出す出来事になった。
そして今、改めてこの詩を読んでみて…
深いねぇぇぇ〜〜〜と。
10歳の私を褒めまくりたい。