気まぐれな起承転結(小説)
#4
前例は、後から価値がつけられるもの。
初めて飛び込んだ世界の当たり前は、私が住んでいる世界にとっての特別なのかもしれない。
新しい物に出会うとき、かなりのショックを受ける。
Aは、セール商品を見るような眼差しで私をじろじろと見る。
「どうして、そのケースに入っていた細長い棒が吸い込まれていったのか、知りたい?」
不自然な言い方をするものだ。
細長い棒ってなんだよ。
私の疑問に思うところは、相手も疑問に思うとは限らないのに、そこだけにフォーカスを当てるという運。
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