見出し画像

【MIIDAS Tech LIVE #3】を開催しました

こんにちはミイダス Tech Officeです。
ミイダス株式会社のテックチームが直近で開発した機能を現場のエンジニアから共有する「MIIDAS Tech LIVE
第3回目の開催となる今回は3つのリリース情報をお届けしました。

採用マッチングサービス「ミイダス」は、独自の診断ツールで採用のミスマッチを減らす中途採用サービスです。メインの採用関連の機能に加え、診断や研修、組織サーベイの支援金の検索機能など、幅広い機能開発が行われています。

本記事ではそのイベントの内容を書き起こし記事としてご紹介させていただきます。ミイダスの最新開発情報をぜひご覧ください。



永留:それではお時間となりましたので、始めさせていただきます。本日はご参加いただきまして、誠にありがとうございます。本日司会を務めますミイダス株式会社開発部Tech Officeの永留と申します。よろしくお願いいたします。
MIIDAS Tech LIVEと銘打つこちらのイベントは、ミイダス Techチームが直近で開発した機能に関して、現場のエンジニアから紹介を行う内容となっております。
今年の3月から第1回を開催し、3ヶ月に一回のペースで実施しておりますが、今回で3回目を迎えることができました。本日もミイダスについての良い情報を皆さんにお伝えできればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
オープニングでは、私の方からこのイベントの目的やミイダステックチームの主な技術スタック、チーム編成などに関して説明をしていきます。また、直近でリリースしたり、リリースを予定している機能について、エンジニア3名が紹介いたします。最後には、ミイダスの最新ニュースを数点、お伝えして終了となります。では、早速ですが、オープニングを始めさせていただきます。

Opening

私たち「ミイダス株式会社」を簡単にご紹介いたします。私たちは、独自の診断ツールを用いて採用のミスマッチを減らす中途採用サービス、ミイダスを企画・開発・運営しています。コンピテンシー診断やバイアス診断ゲームといった診断ツールを活用して、転職希望者には適切なオファーを、企業には診断結果を基にした人材のマッチングを提供しています。

サービス開始からは約7年が経過し、8年目を迎えています。全体の従業員数は約580名で、開発部は約95名です。サービスのユーザー数は約100万人、企業登録数は約42万社です。採用マッチング機能はもちろんのこと、組織の調査や育成・研修など、採用以外の機能も積極的に提供しております。
今回の「MIIDAS Tech LIVE」では、私たちのテックチームが最近開発した機能や取り組みをご紹介します。採用関連だけでなく、研修や組織調査、支援金検索機能など、さまざまな機能をご紹介予定です。

私たちの活動や取り組みに関心を持っていただける方がいらっしゃれば、この機会にぜひ深くお話しさせていただきたいと思います。
次に、ミイダスの主要な技術スタックについて簡単に説明します。フロントエンドではJavaScriptを主に使用しており、一部TypeScriptを導入しています。フレームワークはReactを使用し、Nextも部分的に導入しています。状態管理にはReduxを使用しています。バックエンドはGoで開発しています。

もしご質問や気になる点がありましたら、Q&Aやコメントでお知らせください。
続いて、ミイダスの開発組織の体制についてご紹介したいと思います。ミイダス開発部という部署には、大きく4つのグループが存在します。1つ目は「プロダクト開発グループ」で、ミイダスを開発するエンジニアたちが集まっています。実際に、開発部全体の約8割がこのグループに所属しています。
2つ目は「運用グループ」です。ミイダスの品質レポートやKPIレポート、品質検証、監視などを担当しています。
3つ目に「開発人事グループ」があります。ミイダスでは、職域ごとに人事が配置されているため、開発部には専任の人事がいます。このグループは採用、技術広報、評価、制度設計などの業務を担当しています。最後の4つ目は「開発システムグループ」と呼ばれるもので、PCやネットワーク、ツールの管理に加え、ミイダス社内のセールスチームが使用する営業支援システムの開発も行っています。

さらに多くのメンバーが所属している「プロダクト開発グループ」の中身に関しても説明します。ミイダスの開発には、大きく分けて採用関連の機能開発チーム、採用以外の機能開発チーム、そしてプロダクト全体の保守を行うチームの3つが存在します。
以上が、ミイダスの開発組織の大まかな体制となっております。これでミイダスの開発組織に関する簡単なご紹介を終わりにします。
早速ですが、今回のリリース共有に入っていきたいと思います。今回ご紹介するのは、メッセージ機能の拡充、社員のパーソナリティ診断の料金プランの改定、そしてHHVMからの脱却に関する取り組み、この3つとなります。

リリース共有[メッセージ機能拡充]

永留:まず、メッセージ機能の拡充に関して、sukuisoさんから発表をしていただきます。
簡単にこちらの内容を紹介させていただくと、ミイダスというサービスは、最初は面接確約のスカウトのみが送れる採用マッチングサービスとしてスタートしました。しかし、7年間のサービスの進化を経て、昨年11月にリリースされた「ニューワールド」というプロジェクトにおいて、面接確約以外のスカウトも送れるようになりました。
この「ニューワールド」に関しては、第1回のMiIDAS Tech LIVEで詳しくご紹介しているので、興味のある方はそちらをご覧ください。このような変化に伴い、企業がスカウトを送る際のメッセージ機能も進化してきました。そこで、今回はそのメッセージ機能の拡充に関して、sukuisoさんから詳しくご紹介していただきます。それではsukuisoさん、よろしくお願いします。

Sukuiso: はい、よろしくお願いします。私はSukuisoと申します。ミイダスでのポジションはフロントエンジニアで、所属は採用チームです。自分の簡単な経歴としては、新卒でパーソルグループの会社に入社し、アプリ/フロント/バックの開発経験をしました。
その後、2021年にグループ内の転籍制度を利用してミイダスに入社。入社後はフロントエンドエンジニアとして、採用周りの機能の開発に関わっています。好きな言語はJavaScriptとSwiftです。

今回の機能開発の背景は、求職者からの応募数を向上させるためです。このプロダクトにおける課題は、求職者側から見ると企業担当者の存在が見えづらく、求人の情報もシンプルに文字ベースでの伝達に重点を置いているのですが、それがビジネスライクな印象を持たせていました。そこで今回の施策のゴールは、求職者が求人ポジションに対して、応募のアクションを取るための後押しをする機能を開発することでした。

開発期間は約4ヶ月でした。今年の5月の後半に企画が立ち上がり、仕様の詰めや設計を行い実装テストという流れでした。実装の後半、7月頃に企画との認識の齟齬が生じ、リリースを1ヶ月ずらすことになりました。現在9月末のリリースを予定しています。開発体制は、バックエンドエンジニア2〜3名、フロントエンジニア2〜3名、デザイナー1名、企画2名で進めています。

この機能の具体的な内容として、今までは企業が求職者にスカウトを送り、求職者がそれを見て応募を検討する流れでした。新機能リリース後は、スカウト時に企業担当者からのメッセージが付くようになります。大きな変更点としてはここになります。

求職者の画面では、求人一覧にメッセージの一部が表示され、詳細画面で全文を確認できます。他の転職サービスでも似たような機能があるかと思いますが、ミイダスでもそのような機能を実装しました。

今回の機能とは直接関係ないのですが、今回の施策で新しい取り組みとして、開発に入る前のフローが少し変更になった点を紹介して振り返りたいと思います。
以前の流れとしては、まず企画で施策案を作り、一定の段階になったらP長という組織(機能やプロジェクトの状況を横断して管理する役割)が施策内容を確認します。ここで仕様のチェックや既存の機能との整合性などを確認し、大まかな仕様を固めます。その後施策担当チームに企画が渡り、開発が始まります。

しかし、今回の施策では、P長が施策の詳細なチェックをするのでなく、施策担当チームが実施するように変更されました。
このフローへの変更の背景として、企画と開発の連携を強化し、ユーザーやお客様により迅速に価値を提供することです。課題としては、ミイダスが成長し、採用機能を中心に多くの機能が増えてきたので、P長という2~3人の組織だけで細かい仕様の確認が難しくなったこと、また既存のフローでは担当チームが企画の根幹を覆すような提案がしにくかったことなどが挙げられます。開発のメンバーにもより積極的な提案や実装に留まらない役割を求めたいという意向があり、このような変更が行われました。

フローの変更について、良かった点と課題点で振り返りたいと思います。まず、良かった点として、施策の担当メンバーがそれぞれ仕様に詳しくなったり、提案がしやすくなったことが挙げられます。また、企画から来た要件のプロダクトをただ作るだけでなく、自分たちも積極的に提案し、プロダクトを作成する感覚が得られたのは非常に良かったと感じています。
一方、課題点としては、企画が並行して進行する中、開発への依頼が断続的に来るため、並行して施策を回していく点です。特に、多くの施策を掛け持ちしながらの調整が必要となったり、仕様やデザインの変更が断続的に発生する点が課題だと感じました。以前はP長という組織を通じて、開発の着手時にはある程度デザインがフィックスされていたので、出戻りが少なかったのですが、今回のフローでは開発の終盤にもデザインの変更が生じることがありました。この点が今後の大きな課題となると考えています。
また上記のフローの変更とは別に苦労した点について、二つ挙げられます。一つ目は、異なる2つのリポジトリに同じ修正を入れる必要が生じました。具体的には、ミイダスのフロントの部分で、画面単位で新しいアーキテクチャNextjsへの移行プロジェクトが進行しています。そのため、異なる画面で同じデザインや機能実装が要求される際、二つのリポジトリに似たような修正を適用する必要がありました。これに対しての取り組みとして、まずは一つのリポジトリで先行して実装を進め、それが概ね9割方完了した際に、もう一つのリポジトリにコードを移植する手法を採用しました。これにより、重複する作業を減少させました。しかしながら、テスト期間中に出た修正を両方のリポジトリに反映させる必要があったのは、少し大変でした。

二つ目の課題として、今回は採用機能、特にスカウトやポジション関連の機能に関わる部分でした。そのため、既存の機能との整合性を確保する必要があり、新機能の追加でバグを生じさせないようにするというミッションが存在しました。これに対するアプローチとして、開発早期段階でテストチームとの連携を実施しました。リリースの2,3ヶ月前から資料の確認をしてもらい、既存の機能との整合性が保たれているかを検証してもらいました。さらに、テスト時には専用のテスト環境をインフラチームから提供してもらい、約1週間の期間を使って徹底的にテストを行うことで、ほとんどの不具合を取り除くことができたと感じています。

現在、developブランチにマージが完了し、今週末にはリリースが予定されています。無事にリリースが行え、安定した品質で機能が使用できることを期待しています。私の発表はここまでとなります。ありがとうございました。

永留:発表ありがとうございました。実際に今週リリースされる段階で、リリース作業が非常に忙しい中での発表となったかもしれませんが、感謝いたします。
ご参加いただいている皆さんの中で、ミイダスをご利用いただいている方もいらっしゃるかもしれませんが、メッセージ機能の大幅な変更が予定されていますので、その変更を楽しみにしていただければと思います。以上、メッセージ機能拡充に関して、sukuisoさんからの発表でした。どうもありがとうございました。

リリース共有[社員パーソナリティ診断の料金プラン改定]

永留:ミイダスでは、社員の行動特性や思考の癖を測定できる「社員パーソナリティ診断」というサービスを提供しています。今回は、その診断の料金プラン改定に伴う開発内容を伊藤さんにご紹介いただきます。Itoさん、よろしくお願いします。

Ito:私はバックエンドを担当しています。ミイダスのサービスでは、採用以外の部門で、組織アセスメントに関する新規開発を担当しています。経歴としては、前職ではGo言語を主に使用して開発をしていました。ミイダスに参画してからは、保守開発チームを経て、現在のチームで新規開発を行っています。趣味は映画とサウナで、映画はこれまでに150本ほど観ています。特に『インセプション』がお気に入りです。サウナには特に推しはないです(笑)。

さて、開発した機能の説明に入りますが、その前に、社員パーソナリティ診断の概要を簡単に紹介させていただきます。社員パーソナリティ診断とは、ミイダスに登録していただいている企業様が自社の社員の方に診断を受験してもらうことで、今の組織の状態や社員の方の特徴や傾向を掴むためのサービスになります。

パーソナリティ診断には2種類ありまして、1つ目がコンピテンシー診断というものです。こちらはアンケート形式の診断で、質問に回答してもらうことで経験やスキルだけでは分からない、業務で高い成果を出すための行動特性がわかる診断です。社員の方に受験してもらうことで、その企業で活躍する人の傾向がわかります。
2つ目がバイアス診断です。バイアスというのは、さまざまな思い込みや慣れ、感情などによって無意識に生じる思考の癖や意思決定の癖のことを指します。バイアス診断はゲーム形式になっていて、それを受験してもらうことでその人がどういうバイアスの傾向が強いかが分かります。このバイアスを把握することで、意識決定の質が上がったり、人生や仕事の成果を高められる可能性があります。ミイダスではこのような社員パーソナリティ診断を提供しています。今回、この社員パーソナリティ診断に関する課金方式を変更しましたので、内容をお話しさせていただきます。
開発に至った背景としては、社員パーソナリティ診断の課金方式を統一したいという考えがありました。従来の診断の受検料と診断結果を閲覧するための料金は二段階で課金が必要な状態になっていました。ユーザーとしては、分かりづらい方式になっていたので、この問題を解決するために新しい課金方式を開発しました。

開発期間としては、2ヶ月ほどかかりました。2023年の6月から着手し、7月末頃にリリースとなりました。開発メンバーとしては、バックエンドが1-2名、フロントが1名、デザイナー1名、そして企画1名のメンバーで開発を進めました。ミイダスでは、管理者が使用する画面の実装は基本的にバックエンドが担当し、今回の対応の画面開発も主にバックエンドがメインで開発しました。

コンピテンシー診断の課金方式に関しては、先ほどもお伝えしましたが、受験枠の購入と診断結果の閲覧のための課金が2つに分かれていました。変更前は、受験枠を1枠ずつではなく、企業全体で購入し、上限の人数まで受験が可能な仕組みでした。これを変更し、受験枠を1枠単位で購入する仕組みに変え、受験した社員全員の診断結果を閲覧できるようにしました。

結果の閲覧に関して補足しますと、結果を閲覧するのに課金が必要なのは、社員一人一人の試験結果を閲覧する場合だけです。受験者全体の傾向の確認は無課金で閲覧可能です。
課金方式の変更によって、無料の受験枠と有料の受験枠の2つを用意しました。無料の受験枠は、企業がミイダスのサービスに登録した際に自動で付与され、有効期限は無期限です。ただし、社員個別の診断結果の閲覧はできません。
一方、有料受験枠は1枠から購入が可能で、受験ができる有効期限は購入から1年ですが、結果の閲覧期限は無期限です。有料の受験枠で受験すれば、診断の受験と個別の診断結果の閲覧が両方とも可能となっています。

料金プランを改定して良かった点ですが、大きく2つありまして、1つ目が課金方式がシンプルになってわかりやすくなったことです。受験枠を購入した後、さらに課金が必要な状態を解消できたことで、社員一人ひとりの結果を閲覧するたびに課金をする操作が必要だったんですけども、その操作も不要になりました。
次に、企業様からの問い合わせに対して連絡先を振り分けるようにした点です。企業の担当者様から受験枠の購入の問い合わせが来た時に、企業の状態によって担当する営業の部署を振り分けるようにしました。それによって振り分ける工数の削減や、それぞれの企業に応じて適切な提案が可能となりました。
苦労した点としましては、データ移行の面での課題がありました。既存の企業様をどのように新しい条件プランに移行すれば良いか、という整理の部分に時間がかかりました。法律的な側面ももちろん考慮しつつ、納得感の面も含め、何度も検討して整理を行いました。

私からの発表は以上となります。
永留:こちらのパーソナリティ診断に興味がある方は、ぜひ試してみてください。非常に面白い内容となっています。また、今回の料金体系はよりわかりやすくなっているので、特に人事の方々にとっては使いやすくなったかなと思います。
では、社員パーソナリティー診断の料金プラン改定に関して、Itoさんからの発表でした。ありがとうございました。

リリース共有[HHVMから脱却するためにやったこと]

永留:では続いて、「HHVMから脱却するためにやったこと」という内容で、Liさんから発表いただきたいと思います。こちらも簡単に説明します。ミイダスは、ローンチされてから7年経過して8年目に入っています。その間にもちろん技術スタックも様々変化しています。
ミイダスの中では、次期チームと呼ばれるアーキテクチャや基盤の刷新を行う専門のチームがあります。今回はその次期チームの中から、Liさんに「HHVMからの脱却ためにやったこと」という内容でご紹介いただきます。では、よろしくお願いします。

Li: はい、Liと申します。フロントエンドエンジニアで、所属は保守チームです。保守チームの中にある次期チームにも属しています。経歴については、大学を卒業してからSIer業界で16年ほど、いろいろな業務システムや銀行の基盤などの開発をしました。また、JavaやiOS、Androidアプリなどいろいろと経験してから、フロントエンドの開発に興味を持ち、2018年にミイダスにjoinしました。JavaScript、React.js、そしてRustでのプログラミングが好きです。

今回、HHVMから脱却するためにやったことについては、開発背景としては、老朽化された部分の保守コストの削減と、2.0の移植を加速させるためですね。具体的にどんな課題があったかと言うと、まずは最新のHHVMです。HHVMとは、Meta社が作った実行時コンパイラ方式でPHPおよびHackといったプログラミング言語を実行する仮想機械型の処理系です。
ミイダスは当初、PHP系の言語を使用してHHVMで開発されました。しかし、今年の2月16日にHHVMの最新版のサポートが終了し、それを継続するとセキュリティ上の問題や、他の様々な問題に直面していました。業務の優先や機能開発を先行していたものの、技術的な負債としてその古い基板を更新したいと考えました。
もう一点、ミイダスの初期システムはHackのソースコードを使用しており、たまに修正が入るのですが、最近のバックエンドの開発者は主にGO言語を使用しているため、PHP系の言語に不慣れになっています。フロントエンドに関しては、古い技術のjQueryも使用されていて、これに触れることがフロント開発にとっても厳しい状況でした。

そこで、HHVMを取りやめるという決定が下されました。開発期間は主に5ヶ月で、今年の1月から様々な調査や設計を開始しました。具体的な作業や移植の手段、方法などを調査した後、ログイン処理や契約テンプレートの設計を進めていきました。

開発体制については、バックエンド3名、フロントエンド3名で進めました。バックエンドはDB設計、データ移行、API実装、パッチ作成などを行い、フロントエンドは画面に関わる部分全てを担当しました。既存のHack側のコントローラーやアクションなどは、フロントエンドが移植を行いました。デザイナーについては、特にHHVM脱却のための専任のデザイナーはおらず、移植時の相談事項がある場合は都度相談する形となりました。企画に関しては、特に担当者はいませんでした。
現在のミイダスのシステム構成は概ねこのような感じです。

旧ミイダスの仕組みでは、HHVMやjQueryを使用しています。一方、新側、例えばuser_nextやcorp_nextなどはNext.jsをベースに作られています。旧側のユーザー部分では、HHVMが動的に動作しています。例えば、ある画面にアクセスすると、まずそのHHVM上で動作するHackのアクション画面が呼び出され、さらにその中のPHPのテンプレートファイルがレンダリングされ、HTMLのレスポンスが返されるという、いわゆるトレンドのSSRの流れですね。
Next.js側の動作については、基本的にバックエンドAPIはほぼ全てGoで作られており、バックエンド側は状態を持たず、業務用のデータやログイン情報などは全てフロント側で処理されます。移行前のシステムとしては、ユーザ側の機能はほぼ全て移植され、旧システムはほぼ廃止されました。しかし、旧Corp側には多数の機能があり、移植はまだ途中です。そのため、HHVMを完全に捨てるためには、一時的にHHVMも放棄し、フロント側で各画面のHTMLを事前にビルドするような仕組みを採用し、静的なHTMLとして表示するような手法を取り入れました。
具体的に行ったこととして、最初にHHVM上で動作していたHack制のバックエンドAPIをGo APIに移植しました。例として、パスワードの再発行画面があります。元々はHackで作成されていたもので、この再発行画面でメールアドレスや企業名を入力して送信する際のアクションもHack側にありました。これらのアクションはAPIとしてはGo側に移植しました。さらに、HHVM上で動いていたパスワード再発行画面も2.0側、つまりuser_nextやcorp_nextに完全に移植しました。

corp側にはまだ2.0に移植されていない画面が多く、これらの画面をnunjucks(njk)というライブラリで処理します。元々はHack側のレンダリングエンジンが担当していた部分を、nunjucksを使ってHTMLテンプレートファイルに動的にデータを埋め込み、それをレンダリングします。その後、フロント側でビルドしてHTMLを作成し、アクセス時には直接HTMLを読む形となります。このために、いくつかのライブラリーやwebpackプラグイン、例えばhtml-webpck-pluginやsimple-nunjucks-loaderなどが使用されます。

最後に、ログイン情報の取得やHack側のControllerの共通処理をフロント側に移植します。例えば、ある画面へのアクセスが有効かどうかや、ログインの確認などの処理を、これまでのHack側からフロント側で行うように変更します。

既存の部分はHTMLにユーザーIDがユーザステータスIDなど動的な内容が出力されており、フロント側がHTMLのDOMからこの値を取得して色々なやりとりをしています。
今回のHHVMの脱却対応後は、もう2.0側と同じように、ログインユーザーIDなどをDOMから取得せず、cookieから取得するようになります。このcookieはログイン成功時にサーバ側で発行され、cookieの中にユーザーIDなどが含まれています。この仕組みは2.0版で既に実装しており、今回は旧Corp側でJWTの情報を使用するように変更しました。
SPAが起動する際にログイン情報をモデルデータに設定し、ログイン後のアクセス制限された画面でログイン状態をチェックします。ログイン済みであればそのまま表示し、ログインしていない場合はログイン画面にリダイレクトするような処理を追加しています。

使用したライブラリについては、SPAの作成時にreduxをそのまま使用し、クッキーのアクセスにはjs-cookie、JWTのデコードにはjwt-decodeライブラリを使用しています。
また、不要な画像ファイルやソースコードなどを整理して削除しました。特に旧ユーザーインターフェースには本当にこれが必要かという疑問を持つ部分も多かったです。そのため、不要と判断された部分は削除し、必要な部分だけを移植しました。
リリース後の影響については、開発者から多くの肯定的なフィードバックを受け取っています。特にリリースの施策や機能の収集がスムーズに進められるようになったとの声が多いです。今後はPHPのソースコードに触れることなく開発を進められるので、業務が楽になります。また、旧corp側でもJWTを基にしたログイン情報の取得が統一されました。

以上が発表内容です。ありがとうございます。

永留:Liさんありがとうございました。ミイダスでは次期チームとして、リファクタリングやこういった新技術の導入などを進めており、サービスをお客様に提供する上で非常に重要な役割を果たしています。今後も最新の情報をお伝えしていきます。
では、今回のリリース発表はこれで終わりとなります。

MIIDAS NEWS

最後に、MIIDAS Tech Teamで最近起きた出来事をMIIDAS NEWSとしてご紹介したいと思います。今回は6点についてお話しします。左上から順番にご紹介します。

まず、ミイダスの登録ユーザーが100万人を突破しました。実は、6月の段階で既に突破していたのですが、イベント開催タイミングの都合で少し遅れてしまいました。おかげさまで大台である100万人を突破することができました。ありがとうございます。これからも多くの方に満足いただけるようなサービスを目指して頑張っていきたいと思います。

続いて、「BOXIL SaaS AWARD Summer 2023」で3部門にて選出されました。このアワードは1年間で投稿された口コミを元に優れたSaaSを審査し表彰するもので、SaaS比較サイトにおいて、タレントマネジメントシステム部門の3項目で一つをいただきました。具体的には、Good Service、料金の妥当性、初期設定の容易さ、これらの3つの項目での受賞となりました。

さらに、ITreview Grid Award 2023 Summerで、5部門にて最高位のLeaderを2期連続で受賞しました。法人向けソフトウェアクラウドサービスのレビューサイトITレビューで、投稿されたレビューを元に、認知度と満足度の高い製品を四半期に一度表彰するものです。MIIDASは前回のSpringでも表彰を受けており、今回もSummerでの受賞となりました。部門に関しては、ダイレクトリクルーティング、組織サーベイ、離職防止ツール、タレントマネジメント、適正検索の5つです。

続いて、経済産業省後援の第8回HRテクノロジー大賞で、人事システムサービス部門の優秀賞を受賞しました。この賞は、人事ビッグデータの優れた取り組みを表彰することで、この分野の進化発展に寄与することを目的としたイベントです。ミイダスは、経験やスキルだけでは出会えない求職者と企業を結びつけ、ミスマッチを避けながら採用機会を拡大する優れたサービスとして評価されました。

このような形で直近3ヶ月で3つの賞をいただきました。ありがとうございます。
続いて、SRE NEXT 2023にブロンズスポンサーとして参加します。9月29日金曜日にSRE NEXT 2023が開催されます。このカンファレンスは、信頼性に関するプラクティスに深い関心を持つエンジニアのためのカンファレンスです。昨年はゴールドスポンサーとして参加し、セッションや登壇などで発表を行いましたが、今回はブロンズスポンサーとしてロゴの掲載などを行っています。

では最後です。以下、5つの記事をnoteでリリースしました。是非ご覧ください。5つの記事の概要について簡単にご説明します。

まず、左から「100人の壁に向かうミイダス開発組織のこれから」という記事です。現在開発部は95名程となっており、まもなく100人を超えようとしています。そこに際して、CTOの磯崎、開発管理の責任者の眞下、そしてVPoEの小林の3名がエンジニアのこれからについての話をインタビュー形式でお届けしています。
2つ目の記事は、「最高の生産性をつくるリモートワーク支援プラットフォーム「リモートHQ」をミイダス開発部に導入しました」です。これはリモートワークする際に必要なアイテムをレンタルできるサービスを紹介するもので、多くのエンジニアから好評の声をいただいています。
3つ目は、「MIIDAS Tech LIVE #2」のレポート記事です。
4つ目の記事は、「新しい価値観や感性に触れる旅。ミイダスだからこそ実現できるワーケーションのスタイル」です。ミイダスではワーケーションも要件を満たせば許可される形になっています。この記事では、実際にワーケーションを行ったエンジニアのインタビューを掲載しています。
そして、5つ目は「SRE NEXT 2023」協賛への報告記事となっています。
これらの情報はnote上で公開していますので、是非ご覧いただきたいと思います。
最後に、正社員としての採用情報もお知らせします。現在、バックエンドエンジニア、フロントエンドエンジニア、UIデザイナー、社内SEの募集をしています。業務委託としては、バックエンドエンジニアの募集を行っており、フロントエンドエンジニアの業務委託についても近いうちに再開の可能性があります。

情報発信はさまざまな媒体で行っており、採用ページやYouTube、note、ツイッターなどで定期的に更新しています。今後のイベント情報やお知らせに関しても、興味がある方は是非チェックしてください。

次回は12月の開催を予定しています。再度のご参加を心よりお待ちしております。皆様、本当にありがとうございました。

アーカイブ動画はこちらからご覧ください

ミイダス Techについて

ミイダスでは、様々な技術イベントを開催しています。connpassやYouTubeチャンネルでミイダスグループのメンバーになった方には、最新の開催情報やアーカイブの公開情報が届きますのでぜひご登録をお願いいたします。

イベントページ:https://miidas-tech.connpass.com/
Twitter:https://twitter.com/miidas_tech


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?