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死別しても1チーム☆~ガンの発覚~
さわやかな在宅見取り♡
末期がんでも、「笑いと安心」の有る日々でした。
「お父さんこれからもっと一緒になるからね。ずっと一緒だよ。お父さんの人生万歳!」
…家族で手をつないで、そう叫んだ直後、気持ちよく、一呼吸して生き抜いた父。
「生も歓喜!死も歓喜!」を地で行く人…それが父の正体でした♡
このNOTEでは、大切な家族の在宅医療、在宅看取り、その後の家族のグリーフケア(喪失専門のメンタルケア)について、大好きな父との経験を書いていきます。
大切な家族が弱っていく姿…
病気…死と向き合うのが辛くて仕方なくて…
それでも、たった1分、心を込めてコミュニケーションをとった思い出が
その後の私を支えています。
一瞬に永遠を込めて…。
たった一人で良いから…誰かの「生き抜く」チカラになることを願います☆
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2022年5月19日
都内の大学病院で、ここ最近体調が思わしくなかった父と一緒に、私と母3人で紹介状を手に診察を受けました。
1か月で急にやせた父をみて、どんどん食事がとれなくなっていく父を見て、胸騒ぎがし始めた頃でした。
初診は、血液検査をして、その後は他の検査の予約をして自宅に帰りました。
しかし、数時間たったころ、大学病院から電話があり、「すぐに病院へ戻ってください。血液検査の結果で気になる数値があるので、念のため入院の準備をしてから、なるべく早めに来てください」と言われたのです。
1度実家に帰った父と母は入院の準備をして大学病院へ向かいました。
私も母から電話をもらい、大学病院へ向かう準備を始めました。
なんだか物凄い嫌な予感がしました。
出社中の妹へ至急連絡をしました。この時、まさか末期がんだとは思っていなかったけれど。最悪コロナ禍で万が一このまま入院になったときのことを考え皆が行動していたと思います。
・病院へ向かう途中、入院中にすぐに使えるイカしてるスリッパを購入!
父は見た目が格好いいのが好きなので、形と色とサイズ感を厳選してスポーティーなやつを選びました♪♪
・妹も、何も分からない段階で、仕事を置いて、会社から病院にきてくれました。
・大学病院の前で待ち合わせをした私たち4人は、すぐには病院へは入りませんでした。大学病院前のベンチに父と母が座り、父を筆頭に、まずは家族4人の時間を5分でも大切にしたいと思ったのかもしれません。
・家族4人で一息つきました。買ってきた自慢のスポーティーなスリッパを自慢げに見せたり。
・なんとなく、これから起こることを家族みんな本能で察知していたのかもしれません。誰も急いで病院へ入ろうとはしませんでした。
この時のことを母は………「入院するかもしれないから、お父さんが、家族で過ごす時間を作ってくれたね」と後で振り返っていました。
そして行こうか、と父の声掛けで、みんなで重い腰を上げて呼ばれた処置室へ。
緊急で当日にできる検査で分かったこと。
それは、お腹や鎖骨のリンパのあちこちに癌が広がっていることでした。
緊急で命にかかわる数値もあり、今から緊急の治療を開始する必要があること。
大変な治療になるであろうこと、またさらに詳しく検査をして調べる必要があることが分かりました。
・実は検査結果は妹が代表で聞いてくれました。コロナ禍だったため、処置室で結果を聞く家族は父本人と、家族1人までと言われました。
ここで母が聞くのが自然な流れかもしれませんが、妹は情報を正しく聞いて整理するのが得意で、自ら行くよと言ってくれました。
私は姉として、いくよ!と立派に言いたかったけれど、無理をするのは辞めました。
大変な思いをさせてごめんね、と思いましたが、後から振り返っても、父のためにも冷静な妹が代表で聞いてくれて良かったと思います。
説明の後、父の入院前に、特別に処置室でも家族4人の時間をいただきました。これで最後ではないけれど、深刻な状態なのは確か。
母も妹も私も、泣きそうになる気持ちをグッとおさえて、父のまえでは気丈にふるまいました。
病院食の夕飯の時間が終わってしまう時間だったので、看護師さんのアドバイスで、母が蒸しパンや飲み物などを売店で購入し、父に渡しました。
その袋の中を確認してバックに入れて準備する父を見ると、胸が張り裂けそうで、今でも思い出すと苦しくなります。本当に辛くて仕方ありませんでした。
父が「病気だったんだね。」と、ここ最近の具合悪さの原因が分かったことと、これからの不安が混ざる一言を言ったとき、父を守りたい!と強く思いました。
いよいよ車いすで病棟へ行くときは、不安そうな父の顔を見て、不安にさせたくない!という気持ちが湧いてきました。
両手で父の手をぎゅーっとにぎって言いました。「気を送るね!!これ意味あるんだよ」っと気持ちで強く気を送りました。
「病院に来てくれて、今日はありがとね」と父が泣きそうになりながら言い、私たち家族も、父が見えるギリギリのところまで、目を離さず、あいづちをしていました。
病院からの帰り際、私たち3人は、半泣きになりながら「大丈夫大丈夫」とお互いに励ましあいながら帰りました。
これまでの人生では経験したことないショックと強烈な不安を感じた夜になりました。。。