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沖縄「久高島」の食べ物と逞しく生きる力
こちらの続き。
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ピザ浜という浜に行った。
なんだか美味しそうな名前だけど、あのピザではないらしい。由来を聞いたけど、忘れちゃった。
パステル調の色合いでかわいいな、なんて足元の岩場を眺めていたら、
「かつてはここで食用の山羊や豚を殺していた」
と。
「人間の命のために、別の命を犠牲にしてきた命の交換の場所だったんだな」
と思い見渡すと、ゴツゴツとした岩と打ち付ける波が心なしか殺伐として見えた。
重い曇り空のせいかな。
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それから久高島ではイラブー汁っていう海ヘビ料理が伝統的に食べられてきたらしい。
交流館やフェリーの待合所にイラブーの燻製が置いてあった。
ベジタリアンでなくても、ギョッとする外見だよね。
漁を許された神女だけが素手で捕まえ、専用の小屋でじっくりと燻していく。
滋養強壮に良いらしいということ。
とても強い生命力をいただくことは、神事なんだ。
沖縄全体として、ユタとかスピリチュアル要素が強いけど、彼らはそれと同時に海ヘビ食べたり肉を余すところなく食べたり、三線にヘビ皮を使ったり、動物の命をいただいて逞しく生きてきた人間たちだと思った。
逞しく、強い太陽の光と海と森と共に生きる強い心と体に宿る、強い繋がり。
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食堂の壁には三線が掛けられていて、誰でも好きなときに弾けるようになっていた。
かの沖縄戦を生き抜いた97歳のおじいが聴かせてくれた力強い演奏と唄は見事だったよ。
街灯もない夜道をお一人でしっかりと帰って行かれた。
柔和な中にキリリとしたおじいの目が忘れられない。
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ちなみに久高島は離島ということもあって野菜は手に入りにくいのか、毎日レタス攻めに遭った。
沖縄そばにも定食のサラダとスープにも、朝食のスープにも、レタス、レタス、レタス。
島に一軒だけある売店に並ぶのは主に缶詰やカップ麺、袋菓子で、生野菜は人参とレタスだけが置いてあった。
そんな中で、昼と夜を毎食お世話になっていた食堂のおばちゃんが
「飽きたでしょ」
と言って、メニューに使わない野菜を仕入れて煮付けを作ってくれたのは本当に温かかった。
「煮付け、何人食べるか先に教えてもらえれば仕入れとくから」
と言われて反射的に
「お魚?」と聞くと、
「いや、肉だよ。大根とか仕入れとくね」
と返ってきた。
ここでは「煮付けといえば魚」ではないし、特別に仕入れるものは野菜なのか。文化の違いを感じた。
自分の中で「常識」と思い込んでいることがまだまだたくさんあるんだろうな。
どんどん崩していきたい。
あと個人的なこととして、その土地の文化を尊重し、その土地の人のように体験したくて久高島に滞在する間は私もみんなと一緒にお肉をいただくことにしていた。
食べるまでは少し不安があったけど、沖縄そばに入るお肉も二切れほど、ゴーヤチャンプルーやフーチャンプルーにはお豆腐や卵がふんだんに入っている。
煮付けにも存在感のあるお豆腐がじっくりと美味しかった。
肉食文化といえど、むやみやたらには食べていないと感じた。
目に見える命、見えない存在、私たちを強くしてくれるもの、護ってくれるもの。
いろんなものに生かされていることに感謝して、「今」を大切にしよう。
最後に、ひとつだけ覚えたインドのマントラみたいな沖縄言葉で。
マタマジュンヌマヤ〜
(また飲もうね)
Om tat sat.