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みぃべびの生い立ち むっつめ

初めての1人暮らし。
初めての友達。入学式。

初日から私は寝坊した。前夜、緊張と妄想で寝れずにいたせいだ。
私の家から学校まで河川敷を通っていく。
初日に遅刻は恥ずかしいしまずい!
適当にメイクして学校指定の制服を着用し、走って学校まで行く。

この学校は教室がある5階まで階段を上っていかねばならない。エレベーターはあるが、先生方専用なのである。
先生方こそ足腰強化の為に階段を使えばいいのでは?と思っていた。

教室に入ると私以外にも何人か焦っている生徒がいて、少しほっとした。
1人上まつ毛だけでなく下まつげにもつけまつげをつけて、乾かしてないであろうエクステをつけた金髪のギャルの子がいた。

私はなんとなくその子に「(入学式で集まる部屋に)一緒に行こ?」と声をかけた。
見た目とは正反対の可愛らしいアニメ声の子で、びっくりした顔をしながらうんと頷き一緒に行った。

苗字の順番で着席するのだが、なんと私の前だった!
とにかく友達がほしかった私は式典中も その子になんて話しかけようか、どこに住んでるのか、とにかくメイク好きそうだからその事を話してみようかとずっと考えて、理事長や校長先生の話なんて全く頭に入ってこなかった。

チャイムが鳴り響き10分休憩に入ったところで"よし!"と心の中で気合を入れ話しかけようと思ったらその子がくるっと後ろを振り返った。

「ねぇねぇ、私みかっていうの!あなたは?」
と、聞いててヨシヨシしたくなる様な声で話しかけてくれた。

その子は2年ほど付き合っている"たいし"という彼氏がいて、すごく好きなのだという。
朝も彼氏が学校まで送ってくれてさっきまで学校を眺めていてくれてたのだと言っていた。

学校を眺める?…はて。どういう事だ。
彼女を送っていった学校を眺めていたとはどんな心理なのだろう。

それから休憩にはいる度に話し続け(みかちゃんから)、こんな初対面の私に中絶した事がある話や家が病院を経営していること、学校を眺めていたたいしくんという彼は すごく愛してくれているが少し前まで鑑別所に入っていて少しでも男の影(彼の勘違いでも)をチラつかせると殴られるという。

あぁ、彼女が心配で学校を眺めていたのか。
学校を眺めたところでこの学校は外から中が見えないようになっている。

ド田舎から来た私は聞いてる話が小説の中の話のように聞こえていた。
その子の話は私の友達とは話したことのない内容ばかりで、面白くて楽しくて刺激的だった。

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