[短編小説] 思い出の水族館
今日は、久しぶりに幼馴染と会う。
「何年ぶりなんだろう」
そう思いながら、支度をする。
「よし、大丈夫か…?これで」
久しぶりに会うから、自然と気合いが入る。
_ピロン。
携帯がなる。
幼馴染_ユナからだ。
「ん…、何だろ」
『遅刻厳禁だからね!』
「…こっちは、とっくに準備終わってますよ」
そう思いながら、返信をする。
「もしかして、緊張してるのって、俺だけ?」
でも、昔から変わらないなユナは。
メール越しからでも、分かる。
_ガチャッ。
ユナは、もう着いているのだろうか。
足が自然とはやくなる。
待ち合わせは、水族館。
「小さい頃、よく行ってたな」
懐かしい思い出に浸りながら、街を歩いていく。
「あれ…ユナ?」
ユナはまだ、俺がいるのに気づいていない。
「ユナ」
「あ!ソラ」
「ごめん…待った?」
「ううん、そんなに待ってないよ、行こ!」
「ああ」
緊張がいつの間にかなくなっていた。
「なんか、懐かしいね」
「よく、小さいころ行ってたもんな」
「ソラ、怖がってたよねぇ。大きくて、怖いよぉ何て。ふふっ」
「…っ」
「あれ、怒った?」
「別に」
「ごめんって」
昔に戻ったみたい。
俺はただた、ユナと会えたことが嬉しい。
楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
「今日は、ありがとう。ソラ」
「こっちこそ、ありがとう」
「私、こっちだから、帰るね」
「ああ」
本当は帰りたくない。
この楽しい時間が一生続けばいいのに。
何て、わがままだろうか。
「ソラー!」
ユナが後ろを振り向く。
「また、会おうねー!」
ずるいよ、その笑顔は。
俺には勿体ないくらい。
「またな!ユナ」
「うん!」
もう、夕日が暮れている。
「俺もそろそろ帰るか」
また、会える日がくるといいな。
何気ない会話、時間、どれもが大切。
ずっと、ずっと、大切にしていきたい。
そう、噛み締めた。
-❁⃘-
最後まで、読んで頂き、ありがとうございます☘️
楽しい時間はあっという間ですよね☺️
終わってほしくない、だけど、終わってしまう。
何歳になっても、楽しむことをわすれずにいたいですね💭
-❁⃘-