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(本メモ②)去られるためにそこにいる

タイトルそのままで、田中茂樹さんの著書。抜毛症について情報を集めていたけど、抜毛症に関する本がなかなかないなかで、1つ目のエピソードが抜毛症の女の子だったため、即購入して何度も読み返している本。

p21

「髪を抜くのは悪いことだからやめさせよう」それが私の思いだった。おそらく母親の思いも同じだっただろう。

もし、悪いことではないとして、いや、大切なことだとしても、どんどんやらせろというのが、先生の考えではないのだろう。

「悪いことだから、やめさせよう」と思って向き合うのと「この子にとっては、何か大切な意味があることなのかもしれない」と思って向き合うのとでは大きな違いがあるということを、先生は伝えてくれたのだと私は理解した。

こどもの行動やその奥の思いを否定してかかれば「この人は自分の味方じゃない」ということはすぐに伝わってしまうだろう。それでカウンセリングがうまくいくわけはない。痛々しい行動ではあるけれど、この子の必死の自己表現なんだ、SOSなんだ、そう大切に思って向き合わなければなるまいと思った。

田中茂樹「去られるためにそこにいる」子育てに悩む親との心理臨床 日本評論社


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