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ひっかけクイズ小学生

図書室で同じ本を何回も借りる小学生であった。
そして図書室によく訪れる小学生でもあった。かと言って図書室に籠りきりの英才文学少年という訳でもなく、休み時間には友達とドッヂボールも興じていた。
ちなみにその頃から既にサッカーに興味がなかった。陽キャでヤンチャな奴がこぞってやるスポーツだったからであろうか。いや、その頃は陽キャなんて言葉は無かったし、単純に興味がなかっただけだろう。汚くて惨めな大人になったものである。


何回も借りた本の中でも特に印象に残っているのは三冊。
一つ目はバスケットボールの本。児童向けにバスケットボールとは何かを歴史などを交えながら解説する本だった。これは僕がバスケットボールのクラブに入ったから借りるようになったのだと思う。ちなみに技術に関することが書いてあった訳ではないので、これを読んだからバスケが上手くなったとかはなかった。マイケル・ジョーダンの平均得点などは知れた。

二つ目は漫画の形式でSFを説明する本。SF(サイエンスフィクション)とはなにか、SFというジャンルにはどういったテクノロジーや思想が出てくるのかを教えてくれる本(漫画)だった。タイムパラドックスという言葉を知ったのもこの本からだったと思う。漫画だから読みやすいし、主人公が実際にSFの世界の出来事を経験しながら進んでいくので分かりやすかった。
最後はラスボスがタイムパラドックスによって存在が消滅するオチだった気がする。中々えぐい。

これまでの本は図書室にあるといっても小説などでなく、図を交えた解説本や漫画の類であった。
もちろん活字本も借りたことはある。例えばハリーポッター。第何作目かは覚えてない。DVDのケースとは違う、あの分厚いやつだ。確か家族で弟のサッカーの試合を見に行ったときに持っていった。観戦用のベンチで読もうと思って居たのだが、志半ばにしてそれを枕にして寝てしまっていた。もちろん内容も覚えていない。
果たして最後のめちゃくちゃ借りた一冊、そんなミフラ少年は教養のある活字本を借りていたのであろうか。
三冊目、タイトルは
もっとムカツキ!ダマしダマされひっかけクイズ2

である。
最後の最後で一番しょうもなさそうなのが出てきてしまった。タイトルも鮮明に覚えてたので調べて画像を貼ったが、表紙からしてあまりにアホそうである。
ちなみに僕の学校の図書室には1がなく、2だけを性懲りもなく借りていた。
この本の内容はタイトル通りひっかけクイズを集めたものである。
例えば横になったタマゴの絵があり、これを立たせてみよ、という問題。
これの答えは本を縦にする。であった。
また、海は危険でいっぱいだ、Aくんは陸まで帰りたい。ここにあるのはさめ、ほたて、たこ。海賊船があるように見えたけどこれはいかだ。さてAくんはどうやって陸に帰ったでしょう。という問題もあった。
これの答えは、いかだに乗って帰った。である。
本が手元にないので問題の細部は違っていると思うが、言っていることは大体こんな感じだ。このような答えを表紙のニヤけ面の少年が解説してくるのだ。
なんてしょうもなく、子どもに刺さりそうな問題たちなのだろう。そして全く勉強になりそうもない。
だがこれを読んだからかどうかは知らないが、僕はひっかけクイズには随分と強いようだ。捻くれ者になってしまったとも言えるが、役には立ってくれたようである。
だが一つ疑問として、なぜ僕は同じ問題しか載っていない本を何回も何回も借りていたのであろうか。
バカなんだろうか。
やはり頭が良くなるように活字をを読みこんでいた方が良かったのではないか。

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