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UXリサーチの学び方ー研修編ー

前回の記事で自分のUXリサーチのはじめかたを紹介しましたが、次は研修編ということで、これまで自分が受けた研修でUXリサーチの実践に役立ったものを紹介します。私の前職リクルートでは研修制度が充実しており、実務に必要があれば部署の予算で受けさせてもらえたり、自分で受けたいものを申請して一部自己負担で受けられる制度などがありフル活用していました。(中にはもちろん全額自己負担で受けたものもあります。)

①樽本さんのユーザーテスト講座

オススメ度: ★★★★★
学べること: ユーザービリティテスト

「ユーザビリティテストを始めてみたい」と思っている方は、まずは樽本さんの研修に参加することをオススメします!樽本さんの著書ユーザビリティエンジニアリングを元に実践しながら学ぶことができ、設計から実査、分析まで一通り体感できると思います。直近の開催スケジュールはわからないですが、樽本さんのメールマガジンで開催予定が送られてきますよ。

②インタビュー協会のインタビュー術講座

オススメ度: ★★★★☆
学べること: デプスインタビュー

こちらは前職の先輩に薦められて参加しました。オーラルインタビュー(いわゆるデプスインタビュー)とビジネスインタビューの2種類を学べます。UXリサーチにドンピシャな内容ばかりではないのですが、インタビュアーとして心がけるべき基本や細かいテクニックが盛りだくさんで、自分がいつもリサーチの際に意識している相手への共感中立な存在であることの大切さというのはここで教わりました。特にデプスインタビューが苦手で緊張してしまう…という方に良いと思います。

③PARCエスノグラフィ研修

オススメ度★★★★☆
学べること:エスノグラフィ調査

エスノグラフィをビジネスに応用したパイオニアであるPARC(パロアルト研究所)主催の研修です。正式名称「エスノグラフィを利用したイノベーション・ワークショップ」とあるように、エスノグラフィという手法を活用していかにイノベーションを生むか?というプロセスを実践できる内容で、新規事業開発部署などの方が多く参加していました。入門編/実践編の2つに分かれており、私が参加した回の入門編は水族館でのフィールド調査、実践編では訪問調査を行いました。エスノグラフィ調査の設計から実査、分析、アイディエーションまで幅広く学べるのが特徴です。つい最近PARC東京支部は業務終了となってしまったので、今後も継続されるのかはわかりませんが…。

④Xデザイン学校

オススメ度: ★★★☆☆
学べること: UXデザインプロセス全体

UXデザイン、人間中心設計、サービスデザインなどをプロジェクトベースで実践しながら学ぶ研修です。私はマスターコースに参加しました。リサーチに特化した内容ではなくあくまでデザインプロセス全体の一つの手法という位置づけですが、上で紹介した元PARCの佐々さんによるエスノグラフィ講座もありました。自分にとってはKA法とKJ法を活用した分析方法をガッツリできたのは学びで、その後会社のプロジェクトでも実践してみました。実務でどうUXリサーチを活用していけるか悩んでいる方にはよいと思います。

他にもリクルート社内のUXブートキャンプという独自の研修プログラムや、コンセント社にアレンジいただいたUXデザイン研修などもあり、今あらためて考えても非常に恵まれた環境だったと思います。また、以前noteにもかいたようにデンマークまで行ってCIIDのサマースクールにも参加したりしました(これは完全自費)。ここでもリサーチを行いましたが、自分の英語力不足でリサーチフェーズでは役に立てず悔いが残りました…涙

UXリサーチを学びたい、または現場でやり始めたけどうまくいかないなと思っている方など、個人や組織の悩みに合わせて適切なタイミングで活用を検討してみてください。もちろん研修は効果的に学ぶことができますが、学んだことを自分の現場で実践してトライアンドエラーを繰り返しながら、自分なりのナレッジを編み出していくところにこそ価値があると思います。泥臭いことをいいますが、100本ノックが一番効きます。理論を学んだらとにかく実践です!

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