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行け。勇んで。

最近気づくと口ずさんでいるのが
「小さき者へ」。

Eテレの「にほんごであそぼ」で流れる歌です。
最初のうちは子どもが見ているのを
家事しながら聞いていただけだったのですが、
いつのまにか頭に染みこみ
口に出して歌ってみたら・・・
あれ、もしかしてこれ、すごくいいこと言ってる?

前途は遠い。然し恐れてはならぬ。
恐れない者の前に道は開ける。
行け。勇んで。小さき者よ。
小さき者よ。

有島武郎の随筆から抜粋した歌詞なんですね。

曲調がとても明るいので、
希望に満ちた話なのかと思いきや、
先日元をたどってみると・・・
重い、切ない、そして長い!!

さっきご紹介した歌詞は、
元の文章の最後の最後に登場します。
そして、「前途は遠い。そして暗い。」となっている、
「暗い」の部分があえて歌詞から外されている。

原文を読んでいただくとわかるのですが、
本来は母を失った我が子に
「しっかりと現実を受け止めよ、
思いを受け止めよ」的なメッセージも
あるように見えるので、
あえて「暗い」という一言に
愛情をこめて現実を突きつけたのだと思います。

が、私はこの「暗い」がないことに、
そしてポップな曲調に、
とても救われているのです。

新たな年を見据え始める年末、
踏み出したいわくわくと、
ちょっとの不安を心に同居させているなら。
とても軽やかに、でも力強く
ググッと背中を押してくれる曲だと思います。

ぜひ一度聞いてみてください。
(なかなか動画とかが見つからない・・・
 NHKのアーカイブとかしかないのかな?)
↑最後の最後で無責任。



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矢島 美穂|本の言うことを聞くライター
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