ファミレスという箱の中の様々な人間模様

土曜日の夜のファミレス。

ヒマをもて余しているカップル、熟年夫婦、小さな子供達を連れた家族連れ...いろんな人達がいる。

わたしの生活圏には、この時間帯にファミレスに行くことがないので、なんだかとても新鮮だ。

土曜日の夜にしてはもっとお客さんがいるのかと思いきや、意外に少ない。

そういえば、ファミレスに来たのは久しぶりだ。
何時ぶりだろうか?と、考えていたら、頭に良い思い出とあまり良くない思い出の2つを思い出してしまった。

良いほうの思い出は、韓国語を習うため、韓国人の権(コン)さんと週に1回ファミレスでお勉強をしていたこと。

仕事で日本にきていた権さんとひょんなことから知り合いになって、他愛のない話の流れで韓国語を覚えたいと軽い気持ちで言ったら、教えてくれると前傾姿勢で応えてくれたので、教えてもらうことになった。
なかなか、スパルタな教え方でキツかったけど、
おかげで割りと早めにマスターできた。

その後、権さんは家庭の事情で韓国に帰ってしまい、自然と勉強会はなくなってしまったけど、権さんのおかげで今では旅行に行って困らない程度の会話ならできるようになったので、とても感謝している。

もうひとつは、昔、お付き合いしていた人との別れ話にファミレスを利用したこと。

数ヶ月前から破綻していた関係にピリオドを打つためにファミレスに呼び出してしまった。
なんとなく、今思えば、悲しい気持ちにならないようにお互い軽くまたねという気持ちでいたかったんだと思う。
カフェだと静かすぎるし、普通のお店に行くのもなんか違う気がしたから。
実際のところは別れてしまったら、男と女にまたねということはほとんどない
けど、いたたまれない気持ちになったりするのがイヤだった。

食器が重なりあう音や店員の足音、ドリンクバーに飲み物を注ぎにくる、慌ただしい人の動く音に紛れた別れ話。
どんなことを話したのか全く思い出せないけど、恐らく普通に食事にきたカップルに見えていたと思う。そうであってほしい。

ひとつのファミレスという箱の中で、
様々な人達が食事をしにやってくる。

コーヒーを飲みながら、昔のわたしみたいに別れ話をしている人や勉強をしている人はいないかとまわりを少しキョロキョロ見てみたけど、いなさそうだった。どれも懐かしい思い出だ。

雨が降りだしそう。そろそろ帰ろう。

おしまい。

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