企業研究職2年目の修士卒がDr.STONEを読んで
皆さんは週刊少年ジャンプで掲載されている漫画「Dr.STONE」をご存知でしょうか?
舞台は、人類が謎の現象により、石化し文明が滅んだ石の世界。千空という主人公が科学によって、文明を取り戻していくというストーリーです。
石器時代から、動力や電気を確保したり、ガラスや化学薬品といった道具もそろえ、スマホや自動車まで作ってしまう様子は少年心をくすぐります。
研究職として働き始めて不安を感じていたころに、私はこの漫画を読んで、勇気をもらいました。
そこで、同じように、企業の研究職に就き不安になった方、大学の研究生活に悩んでいる方にこの記事を読んでもらえたらなと思います。
①成功を求められる重圧と失敗への向き合い方
研究職として働き始めたころ、まず感じた不安は「成功を求められる重圧」です。学生さんの中には、教授から重圧を受けている人もいるかもしれません。
企業の社員として研究する以上、利益になるような結果を生まなければならない。そのためにも時間がかかる研究を担当していた私は失敗できない、そう感じていました。しかし、Dr.Stoneを読んで考えが変わりました。
ストーリーの中で主人公千空は何回も失敗して、地道に科学を発展させていきます。そして、「地道なものだ、科学は」、「先人たちもそうしてきた」といった発言をしています。
この世界の発展は無数の科学の賜物でその発展のたびに多くの失敗があったはずです。ましてや会社の中のチームで研究している私が独りよがりに成功を求めても、会社として成果物(商品・サービスなど)を出せなければ意味はありません。失敗をしても、それは他の人が失敗をするパターンを1つ減らしたと捉えるくらいで良く、失敗を仲間内で共有することが大事なのだと感じます。その失敗が、誰かが無駄な時間を使うことに役立つ、ひいてはそれが成果物を効率よく出すことにつながるのであればそれはムダではないと言えるかもと考えます。(とはいえ、成功を求めるのが人間の性ですが...)
逆に、失敗すら得られない、結果が良くわからない実験・研究こそ真にムダなものだと言えるかもしれません。また、失敗してその結果を共有しないことや、データの良いところだけを切り取った研究は、最後の決めの実験をしたときに上手く行かないといったことを引き起こすかもしれません。
②チームに必要な要素
大きいアウトプット・成果を望めば望むほど、1人で成功させるのは難しく、チームワークが必要になります。
ストーリーの中で、千空は周囲の人間に「この科学技術(ラーメンや車、発電...etc)ができるようになったら凄くないか?、そそらないか?」と告げ、徐々に仲間を集めていきます。周りの人間も千空が語る科学技術が形になったら面白い・便利だと感じ、彼に力を貸します。そして千空は自信がその科学の発展させていく努力を誰よりも楽しみ、そんな千空だからこそ周りの人も一緒に働きたくなるといったシーンがありました。先頭に立つ人間が努力を楽しみ、その先の目標にワクワクしている状態が良いチームを作るうえで必要な要素の一つであると私は考えます。リーダーにやる気がない・展望にワクワクしないチームには誰もいたくないですよね。
他にも、研究者・技術屋として、心を動かされるようなシーンを詰め込んでいる漫画が「Dr.STONE」です。ぜひ、一度読んでいただきたいと思います。
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