兄のこと①
昨日朝
兄が光の世界へ旅立った
5年前
スキルス性胃がんを患い
見つかった時点で
ステージ4
「余命1年です」と
医者から告げられていた
それから
つらいつらい
抗がん剤治療の連続だったり
胃の全摘
様々なことがあったが
一旦は奇跡的に
がん細胞がなくなっていた
医者からは
「お酒飲んでもいい」
ぐらいのことを言われたとかで
本人、酒は大好き
食べることも大好き
その速さも尋常ではなく
まあ胃がないのに
なんでそんなにも
食べれるんだろうぐらいの勢いで
みていて不思議だった
一昨年年末に
大腿骨に
ガンが見つかってしまった
そこからは
入退院の連続
大腿骨骨折したり
腸閉塞になり
人工肛門をつけたり
本当に大変そうだった
抗がん剤も
やってはいたが
やりつくしてしまい
成すすべもなくなってしまっていた
それからは
転げ落ちるように
痩せてきて
体力もなくなってきていた
これが去年の秋のことだった
自分の命を悟っていたのか
実家の弟のことを解決すべく
動けない身体なのに
いろいろと動いてくれており
私は
母の老人ホーム探しから
見学から入居手配から
実家の片づけなど
ものすごいスピードで動き始めた
これが急いでいたすべての理由
兄が生きてる間に
安心させたかった
昨年11月には
弟、母を別の所帯にさせて
一応自立させた
実家の売却は
今年2月に完了した
兄がすべて
責任もって関わってくれていた
すべて終わったときは
安心してくれていた
兄の人生はどんなだったろう
4人兄弟の長男として生まれ
父からは相当やられており
小さいころは
怒鳴られても何されても
黙って耐えている長男しか
思い浮かばないぐらいだった
兄の話の節々からは
おとなになっても
そこをクリアできていなかったのかもしれないとも思うが
そこは本人しかわからない
つづく