サンキューの1年(39)
うーん分からない
うーんこれどうなんだろう・・・と思ったことは
口に出さずに、判断もせずに
まずは経過観察すると良い、ということを最近知った。
注意深く見ていると、だんだん分かってくる。
例えばの話を3つする。
ひとつめは、この人普段ぴくりとも笑わんけど怒ってんのかな?こわい人なんかな?と思ったら
愛娘を愛しそうに見つめて頭をポンポンする瞬間を何回も見てしまったこと。
ふたつめは、この人子だくさんやけど、子供に対しての声かけとかめちゃくちゃ雑やな…子供のことそないに好きちゃうんかな?と思っていたら
これまた娘ちゃんを見つめる目がとてもとても愛おしそうだった。言葉は少ないけど、ぶっきらぼうだけど、目はしっかりと物語っていた。
息子ちゃんに対しても、クールな対応しか見たことが無かったんだけど、ある日突然ヒョイと膝に乗せて、ほっぺをプイプイと触り
「このほっぺがカワイイんだよなぁ…」と呟いているのを見てしまった。
だいたい愛想があまり無くて、言葉すくなで、おおっぴらにニコニコしない人の
わが子へ対するまなざしが、とんでもなくあたたかいということに気づいた30代最後の年(気づくの遅い説)
それが自分に向けられることが無くても、わが子に対する愛情深いそのまなざしを見ることができただけで、私はとても満たされた気持ちになるし、その人のことをまた大事にしたいと思う。
そうやって、その人を大事にして、その人もまたお返しをしてくれたりして、自然と自分のまわりの人たちという、あたたかいものが、できていくのだなぁと思ったり。
みっつめのこと。
先日、長男をラグビー体験教室なるものに連れて行った。
前々からラグビーをやらせたくて、更に幼稚園のお友達が習っているので、うちの子も一緒にやらせたいな、と思いつき。
幼児はタックルはせず、腰にひらひらとしたタグを両側に1枚ずつ付けて、周りの子が追いかけタグが取れたらOK(タックルとみなす)という練習をして
それが終わると今度は、タグを取られずボールを持ったままラインまで走り切る(トライとみなす)という練習を交互にするのだが。
まぁ正直ラグビーのラの字も知らない私が連れて行ったのだから、長男はルールを理解することもできないまま、あれよあれよと練習は進み。
いざ、自分の番になるとタグを取られて、大泣きして私のところにダッシュ&ダイブ。今度はタグをうまく取れずに大泣きしてダッシュ&ダイブ。
2時間の練習の間に、遠くで見守る私のみぞおちに全力で頭からダイブしてくるから、何度吐きそうになったことか・・
5歳でもこんなもんか・・・
まぁ長男はこういう子だった・・仕方ない・・・うんうん・・となんだか懐かしくなった。
長男が赤ちゃんのころ、いろんなベビー教室や児童館へ出向いて撃沈し続けた日々を重ねてしまったのだった。
場所見知りをし、集団で何かをすることを拒み、同じ月齢の子に噛みついたり頭突きしたり・・・いつも教室の端っこで一人で遊んでいたっけ。
そのうち誰かと接することも怖くてできなくなり、家に引きこもっていた産後1年半。
3歳のころにも初めてラグビー教室の体験に行ったけれど、ギャン泣きし続けあわや嘔吐しそうだったから途中で退場したっけ・・・・(遠い目)
そう考えたら、泣きながらも諦めずに、なんとか2時間を過ごせたこの子はめちゃくちゃに成長しているではないか!!すごいじゃないか!!
いろんな思いが胸の内でカオスになりつつ、まぁこの子にしたら上出来上出来と帰宅したのだけれども。
家に帰ると、むすっとした長男。
もうラグビーなんか行かない。嫌い。もうやだ。
とネガティブ発言連発…。
体験は4回までできるから、それから考えよう?
と説得するも、やはり時間を置いたら
もう行かない。やだ。
と思い出したように言い出す。
気を取り直して、一緒に『フォレスト・ガンプ』を観た。
足が速いと、こんなに素敵なことが起こるかもしれないよ!!と焚きつけて(笑)
すると意外にもすんなりと入ったみたいで、youtubeでラグビーの試合を観たりして、少し気が変わったようだった。
ところが、その次の週になっても、その翌々週になっても
ラグビーに行ける日が来なかった。
家族の体調不良や、私の仕事の関係で。
時間を置いたからなのか、幼稚園のお友達と話題にするからなのか、よく分からないけども、突然長男が
『ラグビー行きたい!!』と言い出した。
ふむ。。。。
人の気とはかくもこう変わるものか・・・
というより、子供だからもう悪いイメージを忘れてしまった???
なんて素晴らしい時間の置き方だろうか!!
呆れを通り越して、もう感心しきり。
子供ってすごい。
こうして、ラグビー嫌い!と言っていた彼の気持ちは
時を経ることによって和らいだようである。
若いころは、こんなふうに時間を置いて何かを判断したりすることは無かった。
最初から白黒つけてすぐに終わらせたり、人を見た目で判断して、勝手に怖いとか苦手とか、こいつはダメだとかハナから思い込んだりして。
でも時間をかけて、じっくり眺めていると、いろいろ見えてくることもあるし、自分の考え方が変わることもあるし、相手の考え方が変わることもあるんだな。
結局は、自分が何も知らないだけなんだ。
知らない分からないというだけで、なにもかも決めつけてしまっては、早いんだなぁと。
すぐに白黒つけたがる短気な性格が、39歳にしてようやく変わってきたことに気づく。
家族や、周りのひとを、丁寧に時間をかけて大事にするということをこの年で身をもって知った私は、とてもラッキーだと思う。
人間関係を閉じていくことなく、たくさんの人と関わって、恐れずに向き合って、話し合ったりして、支え合ったりして、じっくり付き合っていくこと。
今の環境がそれをさせてくれていることに感謝する。
子育てって、本当に貴重な経験だと思う。
いつまでも、摩擦が起きて、休めない笑
試練の中に身を置ける。
子供たちに、感謝。
まわりの人たちに、感謝。
39だし、この1年サンキューの年にしよ。
photo by 薄氷
Carpenter bees are fluffy and cute…