20200722
去年の夏、この人が大好きだと思った。
そんな人にこの歳になって出会えたこと、演劇をしていて本当に良かった。
彼女は奇天烈で、彼女のそれは、わたしの目指していたもの全てだった。生きて、呼吸して、そこにいた、いつも、その姿はとても苦しそうで、驚くほど繊細で、とても力強かった。
彼女に会って、わたしの中から芝居する意味が消えていった。ていうか概念が180°変わった。あんな風に芝居出来たらな、と常々思ってしまうけど難しい。彼女みたいに生きたいと思った。売れることとか、ちやほやされることとか、本当にどうでもよくなってしまって、ずっと藁にすがろうともがいていた自分が、気付いたら、なんだここ足つくじゃん。
コロナのおかげで、演劇している彼女を画面越しにみれた。やっぱり大好きだった、ああ変わらないな、彼女はわたしを覚えてくれているだろうか、いつかどこかでばったり、出会えたらいいな。
その時には、彼女に会っても恥ずかしくない自分でいたいな。そんな物差しで、彼女は測らないだろうし、そもそもそんな風に思われることを嫌がるかもしれないけど。
生きにくいだろうなぁ、でもピュアでいたい、真面目に生きていたいなぁ。
夜だというのに、蝉がないている。
夏がくるなぁ。