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〘第3話 〙社会人になって殻にヒビが入り始める

動物病院で看護師兼トリマーとして毎日勉強しながらスキルを身につけられる!そんな希望を持って就職しました。

しかしそんなに甘くはなかった…

休みは平日週に1回                                        
朝早く夜は遅い。毎日残業。
12、3時間勤務は当たり前。緊急手術が入って深夜2時まで帰れないことも。
そして手取り12万弱

固定費を払ったら3万ほどしか残らず、遊び盛りの20歳の私には遊ぶ余裕もありませんでした 。
友達がいなかっただけですがw(´-ω-`)チーン

残業代はほぼ出ないグレー、いやブラックな会社。移転したばかりの新しい病院だったため人気で毎日激混みの大忙し。

当時まだ20歳だった真面目で無知な私は、それが当たり前なのだと思い込み、自分で調べもせず文句も言わずに働きました。

社会の厳しさを身をもって感じることになったのです。
実家は寝るだけの場所。

たった週1の休みは疲れて遊びに行く元気もなく、友達を誘う勇気もなく、ボーッと洗濯物を干していた記憶しかありません。

《誘うもなにも友達がいなかったんですけどw

次第に実家での私は心も荒れ出し、母に当たっていました。今だから笑って話していますが、当時の私は笑わないし喋らない。母が声をかけられない程暗かったそうです。

陰キャな私がさらに加速していくのでした…

出勤してすぐトリミング室に閉じこもると、早く帰りたいと涙が出るようになり、根性だけは自信のあった私にも限界が見え始めていました。

「私なんのために働いてるの?遊んでもいないのに必死に働いてもお金は貯まらない」
"辞めたい "

しかし私には辞めますという勇気もなかったのです。
ただでさえ忙しい病院なのに、私が今抜けたら先輩方はなんて思うだろう。

迷惑かけてしまうなど、辞めた後の事も気にしたりして、言い出せずに一日が終わる。

そのままズルズルと数ヶ月が経ち

次第に通勤途中の居眠り運転をするようになり、疲れが積もり積もって

ついに事故を起こしてしまったのです💥

うとうとと北海道の雪道の中
小刻みにガタガタと揺れる振動で目覚め、

気づけば目の前には1本の電柱が

《死ぬっ!!?》

中央分離帯に衝突💥💥💥

エアーバッグが作動し上半身に強い衝撃。
事故後、車両を見せてもらうと
眼鏡は真っ二つになり後部座席へ飛ばされレンズも粉々になっていました。
単独事故でかすり傷程度に済んだことは
不幸中の幸いでした。

車は廃車

事故直後、後から走ってきた心優しいお兄さんに助けられ、たまたま家の方向が同じだったため家まで送ってくれることになりました。

これが恋の始まりか?!ドキドキp(*゚v゚`*)qワクワク
と期待した私でしたが
そんなドラマみたいなことにならなかったことは言うまでもない…

事故の翌日、このままの私でいいのか考える時間ができました。

そしてこの出来事がチャンスとなったのです。

心も身体も悲鳴を上げていた私は、これしかない!この時しかないと辞表を出す勇気が湧き、1年弱でそこの病院を去ることになりました。

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そう、陰キャの私は脱皮のきっかけを得たのです。
やっと殻にヒビが! 私の凝り固まった殻がちょっとずつほぐれていくのを感じた第一歩だったのです。

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