#038 『アンナ・カレーニナ』(2012)
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( 038/365)
『アンナ・カレーニナ』(2012)(130分)
原題:『Anna Karenina』
アンナ・カレーニナ。僕は、『アンナ・カレニナ』という音でこのタイトルが耳に残ってる。見てはいないのだけど、1948年公開作を知っていた。実は書店でのバイト時代、PC担当の他に500円DVDの担当もしていたのだ。あと備品担当。
コスミックさんにはお世話になりました。Mさん元気かな。この話もいつか閑話休題のほうで。
FB外の匿名の方からオススメいただきました。
トルストイ原作の古典。
本作は劇場劇である。それを理解してみないとこの素敵さに対して、違和感で入ってしまうかもしれない笑
古典を古典的に作っても面白さは過去作に比較されるだけである。
ダンスをしている時、主役以外が停止したり、スポットライトがあたったり。物語の主軸となる人物たちをその他大勢が盛り上げてくれる。もちろん、音楽や装飾品など舞台はすべて彩られている。
白馬。競馬のシーンはなかなかに工夫されている。
アンナカレニナに関しては脚本的な意味とは別に細部を楽しむと言う意味で2回は見たほうがいいかもしれない。作り込まれた映画である。
舞台は1870年代ロシア。日本で言う明治初頭と言えば想像しやすい。つまり今の考え方は通用しない。
だけど今もなお感銘を与える作品であることも理解すべきである。
簡単にいうと、何が1番幸せなのか、である。
・愛に生き悲惨な末路をたどるアンナカレニナ。8歳の息子を持つ人妻。
・妻アンナからの愛が遠ざかるカレーニン
・アンナと恋におちる青年将校のヴロンスキー。
・ヴロンスキーとの結婚を期待するキティ。
・実直な気持ちをキティに貫き通す、コンスタンチン。
タイトルのアンナカレニーナに引っ張られてどうしてもアンナの行く末ばかり考えちゃうのだけど、この作品は誰に着眼するかで感想は変わってくる。
あー、僕はアンナの旦那カレーニンに感情移入してしまった。
「私が何をしたというんだ。」(何もできていない)
「彼は置物だ」(あぁ!そんなふうに思われてしまうのか!)
「私は君を赦そう。」(これが精一杯なんだよな)
今のご時世ほんとこの10年くらいで寛容になったものだ。(あくまでも僕の周り、だけなのかもしれないが)
愛に生きる人を描く映画は多い。
何が幸せなのか、というふうに掲げたけども、その選択肢がまだまだ少なかったころなのである。アンナが今の世の中を覗いたら、驚愕するだろうね。貴族貴族してる人もごく少数だ。
選択肢が多いということは心に余裕が持てるということだ。終盤のアンナは見てられない。
ラストの決断は序盤のシーンとの比較であるが、彼と同じ末路を選ぶことになるとはアンナ本人思いもしなかったであろう。