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秘密の花園への招待〜オープンガーデン探訪記

今暮らしている街は、素敵な庭のある家が多いです。
散歩していると、垣根からこぼれる見事なバラの枝や、甘い花の香りのおすそ分けをいただいて、何とも幸せな気持ちになります。

叶うことならば中にお邪魔してゆっくり見せてもらいたい…と以前から思っていたところ、「オープンガーデン」という魅力的なイベントが開かれることを知りました。
花や緑を愛する有志の方々が、丹精した大切な庭を、期間限定で一般に公開してくれるというのです。

「オープンガーデンマップ」を握りしめ、さっそく近所のお宅へ。
きょろきょろしながら歩いていたら、同じ地図を持ったご婦人に「このあたりで、オープンガーデンをやっているお宅を知りませんか?」と声をかけられました。
「私もちょうど行くところなんです。ご一緒しませんか?」と連れ立って、目指すMさんのお宅へ。

「ご自由にお入りください」と貼り紙がある玄関の脇から小径を入ってゆくと、家の周りを囲む奥行きのあるスペースに、緑いっぱいのシェードガーデンがあらわれて、思わずため息。
秘密の隠れ家のような、なんと魅惑的な庭!

(こちらは公園のハーブガーデン)

聞けば更地から12年かけ、木を植え種を蒔いて、少しずつ庭を育ててきたのだそうです。
ヤマボウシや沈丁花、原種のヤマアジサイや紫のバラなど、ひとつひとつ丁寧な解説つきで見せていただきました。
「わあ、つやつやしていい葉っぱねえ」「本当ですねえ」と同行のご婦人と頷きあっていたら、「親子ですか?」と庭のご主人に聞かれました。
いいえ、さっきそこでお知り合いになったばかりですが、緑を愛する心は同じです。

それにしても、こんなお庭を眺めながら縁側でお茶を飲んだら最高だろうなあ。
高まる庭づくりへのあこがれ。

最後にはお菓子までいただき、すっかり心あらわれてお庭を後にしました。
「あなたも植物が好きなのねえ。また、いつかどこかの庭でお会いできるといいわね」と同行のご婦人。

庭づくりのことをたくさん教えていただける上、植物好きの方々と葉っぱへの愛を分かち合えるオープンガーデン、なんと豊かなイベントなのでしょうか。
元はイギリスで始まった活動で、今は日本でもあちこちで開かれているそう。
ほかにも公開している庭があるそうなので、ぜひおじゃましたいと思っています。
そしていつか私も自分の庭を育て、お客さんをお迎えしようと心に決めました。

(こちらも公共のローズガーデン)


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髙橋三保子
読んでいただきありがとうございます! ほっとひと息つけるお茶のような文章を目指しています。 よかったら、またお越しくださいね。

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