自分の技術を磨くこと
私が提供するサービスの一つとして「犬の整体」がある。
個人的に、「整体」は信用できないサービスだと思っていたが、解剖学的根拠から学んだことで、今は納得しているし、犬の役に立つものだと判断して、サービスを提供している。
犬の体を触る仕事
言うまでもなく、犬の整体施術を行う際は、犬の体を触らせてもらわないことには始まらない。
犬の整体師が懸念するのは、「噛む犬だったらどうしよう」とか「暴れて、触れない場合はどうしよう」ということだ。
私は、ドッグトレーナーでもあるので、その辺りは、トレーニングしながら、施術を行う、、、、わけではない。
犬の望ましくない行動を変えようとする行為の是非
犬にとって、有益なことを提供しようとする時、犬が受け入れてくれなかったらどうするか。
私の肌感覚では、犬と関わる人の90%が、犬の行動を変えようと考えるように思う。
施術をする時に、犬が触らせなかったらどうするかを、トレーナー(私ではない)に教わろうとする試みがあるようだけれど、
教わるトレーナーによっては、犬にラベルを貼り、触らせないことを犬の性格のせいにすることもあるので、要注意である。
私が、確実に言えることは、
施術中は、トレーニングをする場面ではない、ということ
その時、必要なのはトレーニングではない
この2点である。
これは、犬の体を触る仕事をしている人の、ほとんどが、思い違いをしていることであり、
体を触らせない犬は、トレーナーにトレーニングをしてもらい、触らせるようにしよう、というのが、多くの人の考えである。
必要なのは、自分のスキル
仮に、トレーナーがトレーニングをして、そのトレーナーが触れるようになった場合、整体師が施術の際、同じように触れるか?というと、それはノーである可能性が高い。
なぜなら、犬がその人から逃げる理由は、犬に原因があるわけではないから。
犬の整体師の場合、犬の筋肉を触り、こりを見つけ、ほぐすという作業がある。
その過程で、犬が嫌悪感や違和感を感じれば、当然、逃げたり暴れたりする可能性はある。
必要な施術で、暴れるのか。
不必要で、無配慮な整体師の行為が、犬が感じる嫌悪感、違和感を増大させているのか。
これらをきちんと分けて考えられているだろうか。
例えば、犬を触る時の、自分の姿勢や手の伸ばし方、力の入れ具合などは、適切かどうか。
私は、道具を使わず、手のみで行うけれど、
もし、道具を使って犬の体に関わるのであれば、その道具の使い方が達人である必要がある。
そして、技術だけではない
施術の環境は、適切だろうか。
他の犬が、周りで取っ組み合って遊んでいる中、1頭の施術をするのは難しいかもしれない。
慣れない場所で、知らない人に触られることを、犬はどう思うだろうか。
自分の技術や、それをする環境を整えないまま、犬が体を触らせないといって、トレーニングして犬の行動を変えようと考えることの、荒さというのを、ご理解いただきたい。
人は、「犬にとって良いこと(良いと思うこと)」を犬に押し付けがちである
犬に気持ちよく感じてもらいたい
これは、犬と関わるほとんどの人が願うことだと思う。
安心してリラックする犬の姿を見ることは、飼い主の強力な強化子となる。
自分の強化子を獲得しようと、必死になると、犬に無理を強いてしまうかのうせいがある。
犬の整体は、施術の前後で、犬の歩き方や姿勢が改善することがよくある。
その変化は、施術者の強力な強化子になる。
犬のためといいながら、実は自分のためのサービスになっていないかどうか、というのは、肝に銘じておきたい。
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