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流山市の送迎保育ステーション、保育事情

昨日(2022/3/9)twitterにて、送迎保育ステーションについて質問があったので、現時点の情報、まとめておきます。

送迎保育ステーション事業は便利サービスではない(待機児童対策)

令和4年度の利用者は全体の約2.4%程度

昨今のテレビ報道では「駅に連れていけば保育園に連れて行ってくれるる」便利サービス的側面が大きく報道されてしまっている、送迎保育ステーションですが、実は待機児童対策として開始しています。
 
急ピッチで開発した駅前は、人口の伸びに対応する保育園整備が追い付かないため、駅から子どもを送迎し、遠方の保育園を有効利用できる選択肢が増えることで、保育定員を増やすことが出来ます。

なので「便利サービスか?」という視点で見ると、令和4年は全体の2.7%程度(保育園定員7781名:約200人強)と少ないため、多くの方が利用できるサービスとは言い難いでしょう。(ちなみに、事業開始初期の平成22年度は12.4%(保育所定員数が1,789名:利用者が222名)なので一割を超。平成29年度は4.5%、保育所の定員は4,706名:利用者213名)。
以下の記事は送迎保育ステーションの事業の主旨がしっかり書いてあります。

本来は住んでいる近くの保育園に直接通える方が良い

希望園へのマッチングが叶わないご家庭もあるため、その緩衝材として一定機能することが、送迎保育ステーションに税金を拠出する理由になります。本来は住宅近くの保育園に通える方が良いので、保育園を他自治体にはないスピードで整備してきたことの方が、実はすごい点。

流山市保育園定員の推移

保育園マップもGISで公開されています。画像をクリックするとリンク先に飛びます。歩けばすぐ保育園、という状況になっています。

保育園マップ(画像をクリックすると飛びます)

なぜ送迎保育ステーションの利用定員を増やさないの?への回答

便利なのになぜ定員増やさないの?という疑問もあるかと思います。
これは主に以下2つ。一部の議員からは厳しい指摘もございます。
①バスの乗車時間が片道最長で60分と情時間になる(最短は15分)
②送迎保育ステーションで年額約7,000万円(1園児あたり37万円)と高額。
便利サービスとして拡大するには、上記問題点を改善しながら税金として拠出する論拠を明らかにするか、大きな政策的判断が必要になるでしょう(より多くの民意が必要)。

保育の質を担保するために

流山市は「働きながらの子育てが、普通に選択出来る街にしたい」というビジョンを掲げ、急速に保育園整備を行ってきました。そこで保育の質を下げないために以下のような事業を行っています。

保育士への支援

不足しがちな保育士を確保するために、他自治体にはないレベルの補助(住宅補助や給与加算等)を出しています。保育に従事する方々にしっかりとした対価を出すことが大変重要なので、私も指示しています。

保育の質のガイドラインを整備

これは私が議会を通じて設置を要望し実現しています。
質のガイドラインは、保育事業者の方々で話し合って作られましたが、コロナが開けたら、どのように運用しているのか確認していきたいと思います。
保護者の方も、お子さんが通われている園がガイドラインに沿った保育をしているのか観察してみてください。疑問がある場合はご連絡いただければ市を通じて確認します

小規模保育園が頑張っている

流山市の小規模保育園は連絡協議会をつくり、しっかり横の連携や質の向上、市の保育政策の向上にまで、貢献されています。
3歳児の保育園転園時に待機児童が絶対に発生しないよう「小規模保育事業所の卒園児に対する優先入園審査」を行い、14点もの加点をする等の仕組みを協議会からも提案され整備しています。小規模保育園に3歳児以上も通わせられるルールを作った自治体がありますが、身体が大きくなってくるにしたがって、より大きな施設にうつった方がむしろ良い場合も。つまり保育の質とのバランスをひねり出した素晴らしい取り組みだと思います。

流山市小規模保育連絡協議会のホームページ(クリックで飛びます)

市民の方から、来年以降は小規模園からの転園においても電子申請が使えるようにとお願いがあったので要望しておきます。DX推進は私のミッションですので頑張ります。

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