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私が市議にならなかったら聞こえてこなかっただろう声~私と男女共同参画と政治~
〇この記事で伝えたいこと
私が市議にならなかったら聞くことはなかったであろう女性の悲痛な声を聞き、日本が本当の先進国と言われない理由を実感しています。国では暴力に関する実態調査が実施されていますが、流山市では市政課題として優先度が低い状況。今後は女性の声を拾いやすい体制を整えるために、女性管理職の比率を上げること、実態調査に基づく予防・啓発事業強化を行っていきます。
〇これまで拾えてこなかったであろう声
私が市議にならなかったら聞くことはなかったであろう声をご紹介します。
①子育てがひと段落して保育を勉強したいと思って参考書を購入したいというと「お前に使うお金はない」と許してもらえないんです。私、勉強したいだけなのに。
②1週間後に出て行けと言われました(or家から閉め出されました)。
③(目の周りに青あざをつくっている顔で)夫に暴力を振るわれますが、それは私がXXしてしまうから。きっと私が悪いんです。でもこの話を近藤さんにするまで、1年間悩みました。
流山市は「母になるなら、流山市。」とうたっていますし、市民の方も、まさか、こんなご経験をされている方が流山にもいるなんてびっくりされると思います。
しかし市議になってからこう言った声に直面することで日本が本当の先進国と言われない理由を実感しています。
日本のジェンダーギャップ指数の総合順位は116位(2022年)。特に、男女に教育の差はないにも関わらず、政治参画や経済分野の管理職への参画が著しく低い。つまり教育投資をしているにもかかわらず、社会や経済分野のルールを決めるところに女性が少ない、ということです「こちら」。
「女性であれば誰でもいいのか?」このような批判も耳にするものの、社会の構成要素として男女が約半分ずついるにも関わらず、バランスを欠いている実態はあります。
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さて、話を戻します。
相談者も私が女性議員だからこそ伝えてくださるのでしょうし、議員倫理上、個人情報をしっかり扱ってくれると思って下さっているのかもしれません。
①については、流山市の「女性の生き方相談」という相談窓口につなぎました。夫婦間でなぜそのような支配構造が発生するのか疑問ですが、あくまで相談者の意思を尊重した上で、問題を解きほぐす手伝いをしてくれる窓口であり、今後も強化したい事業です。
②については「子ども家庭課 虐待・DV防止対策室(こちら)」担当課から、法律上守られる範囲についてしっかり説明を聞きながら、より専門機関につなぐこともできます。
③は「子ども家庭課 虐待・DV防止対策室(こちら)」と共に、警察につなぎました。
幸い、今回ご紹介した3例とも行政機関につなぐことができましたが、DV相談の多くは話を聞くだけで終わります。それは、本人が私以外に相談することを諦めてしまうからです。
これは、DV(暴力)はその人がもともと持っている能力や可能性を奪うからなのだと思います。しかしそうすると社会に取り上げられず、問題はないものとして処理されます。
私が市議になりたての時、部長級の職員に「近藤みほさん、流山市にDVはあるんでしょうか?」と聞かれ、耳を疑ったことがあります。DVはあります。声が届かず、なかったことにされているだけです。
安心して生活できる状態にし、その人らしく、まちと一緒に成長できる、男性でも女性でも、何歳になっても生きがいを感じられる状態にすることが、その方にとっても、まちにとってもよいはずです。
よって現状把握をし、しっかり対策を打っていく必要があります。
〇暴力の状況は?
流山市の詳細なデータがなかったので、国の状況を共有します。
DV相談件数は右肩あがり
DV相談件数の推移をみると、2020年度の相談件数は18万2,188件であり、2019年の約1.5倍。相談者の割合は3、40代が5割を占めています。
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性別の内訳は、配偶者暴力相談支援センターの相談件数(令和3年度)でみてみると「こちら」、全体の122,478件中、女性が119,331件、男性が3,147件で、女性が97%となっており、相談件数を母数とした場合、圧倒的に女性が多い状況です。
約4人に1人が配偶者から暴力を受けたことがある
内閣府が実施している全国20歳以上の男女5,000人(平成17年度調査までは4,500人)の「男女間における暴力に関する調査」「こちら」では、約4人に1人が配偶者から暴力を受けたことがあるとの結果が出ています。
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被害を受けた女性の約4割、男性の約6割はどこにも相談していない
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被害を受けたことがある家庭の約3割は子供への被害もみられる
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暴力の背景には、男女の賃金格差も
暴力の背景には、男女の経済格差が家庭内の支配構造を生み出し、女性の避難や自立を困難にしているとの指摘もあります。
日本は国際社会と比較して男女の賃金格差が大きい国(男性100に対し、女性は75.2)です。
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昔、日本が急速な経済成長を遂げるために、均質な労働力が必要であり、性的役割分業の方が確かに効率は良かったのかもしれません。
しかし、これからは性別によって生き方が強制されるのではなく、多様な働き方を可能にし、男性であっても女性であっても、フェアに自分らしく生きられるまちにしていかなければなりません。そもそもフェアなまちの風土がないと、女性はその地域から出ていってしまいます。
以下、過疎の原因は、男性の減少よりも女性の減少が原因という資料です。
〇どうする?
①市職員職員の女性管理職比率の向上、男性の育児休暇取得を推進
女性に対する暴力に対して感度を高くし、また効果的なエンパワーメント策を実施していくため、女性管理職比率の向上を推進します。子育てや家庭における課題を身近に感じる感性を持った職員が必要であるため、現在は相対的に低い男性の育児休暇取得を推進します。
②男女間における暴力についての現状を調査すると共に相談窓口、啓発事業を強化する
政策を打つにも流山における男女間の暴力の実態が明確でないため、流山市における実態調査を行うよう働きかけます。その分析を基に、安心安全にじぶんらしく暮らせるための相談窓口、啓発事業を強化します。予防事業はハイリスク対策の7倍も効果があると言われているため、効果的な予防・啓発事業を強化します。
③女性の創業支援を推進し、経済力をつける
流山市は女性の創業スクールを長年実施してきましたが、これをしっかり稼働できるようサポートします。生活も大切にしながら、自分らしい生業を創っていけるよう側面支援します。
〇+αの活動:女性が議員になるチャレンジを応援
私、近藤みほは、女性が議員にチャレンジする時、議員活動を始める時のサポートをしてきました。都市経営プロフェッショナルスクール生であり、女性議員0(ゼロ)の自治体で立候補された加川康子氏の例を共有します。
まずは立候補検討の時。
当選直後の時(まちの課題整理をサポート)
一般質問の歩き方研修(加川康子氏も参加されています)。
〇「近藤みほ」からのお願い
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【読み放題・見放題】近藤みほのせきらら活動報告
私は議員=タウンマネージャーでありたいという目標をもって以下のポリシーで活動していますが、日々様々な葛藤もあります。 <ポリシー> ①自…
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