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私と世界をつなぐリビング

目を開けたら11時を回っていた。慢性的な睡眠不足でさらに質も悪いので、目覚ましをかけないとこんこんと眠り続けてしまう。起きてもすぐに身体が動かないのでベッドの中でスマホをいじる。何をするわけでも、考えるわけでもなく流れる情報を淡々と滑らせていく。

「雪だ」という誰かのつぶやきをきっかけにようやく身体を起こし、窓を開けて外を眺めた。

実家にいる時、一人で住んでいる時は1日中家にいることができなかった。世界から一人離れてしまったような気がして、夕方になるとひどく寂しくなるのだ。勉強は必ず塾に行っていたし、仕事があるときもわざわざカフェまで足を運んでいた。けれど、最近は家に引きこもっていることが多い。

家にいられる最大の要因は、同居人だ。リビングが私と世界をつないでいる。

夜ご飯を作りにリビングへ行くと、パジャマ姿でご飯を食べながら、同居人が映画を見ていた。

「品ぞろえは少ないけど近いスーパーに行くか、それとも2,3分多く歩いて大きいスーパーにいくか」映画に夢中の同居人に声をかけると、「対して変わらないんだから、大きいスーパーに行ったら?」と返事がきた。

靴下を履いて、上着を羽織り、マフラーを巻いて、ニット帽をかぶる。すっぴんでテクテク歩きながら、あぁこんな都会を私はすっぴんで出歩くようになったんだなぁと思う。周りには行きつけのバーも、顔見知りのお店もいくつかあって、私はここの「よそ者」ではないことに、改めて少し安堵した。


簡単な料理をしてご飯を食べていると、「疲れた、疲れた」と連呼しながら別の同居人が2人帰ってきた。「今日は飲むよ」と一人が缶ビールを取り出すと、「やっぱりそんな気分だよね」ともう一人が手作りの梅酒を持ってくる。私は仕事の続きをしようと、ハーブティを用意。疲れた2人の話を15分ほど聞き、部屋に戻った。

みんなそれぞれ、その日を自分なりに過ごしている。それが集合する場所がリビングだ。各々過ごした時を持ち寄って、特に中身のない会話をして。それのおかげで今日もなんとか、誰かと“つながっている”感覚がもてる。部屋でひとり仕事をしていても、寂しいを思うことが少なくなった理由はここにある。

半日はあっという間に過ぎてしまった。午前中が使えないだけで、こんなに1日は早いものなのか。明日はMATCHAがテレビに出るから、早起きをしてみようと思う。

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