花魁道中で考える、理想の女性のあり方について
楊貴妃に憧れていた時期があった。才色兼備が原因で、国までも滅ぼしそうになるなんて最高にかっこいい。周りが見れなくなるほど、自分の魅力で誰かをメロメロにさせられるなんて、永遠の憧れだ。
それに近い、と言ったら少し語弊があるかもしれないが、花魁にも興味がある。身を売る職業にも関わらず、語り継がれてきている話はとても気品高く、美しさはもちろん教養もないと花魁にはなれなかったという。「最高位の花魁を呼ぶには3~400万円ほどかかった」らしく、そのストーリーに花魁の立場の高さも感じる。
また少し前には、遊女が前で帯を結んでいる理由を聞いて、そのカッコよさに心が躍った。
「自分で着物を脱ぎやすいように」ーー。そう説明された言葉の中に、遊女の自発的で攻めている姿勢を感じ、"やる時はやる"プライドを見たような気がしたのだ。
改めて今日、花魁について書こうと思った理由は、浅草でやっていた花魁道中を見に行ったから。見事な衣装に品のある歩き方を見て、花魁が身を売る職業であったことにどこか信じられない気持ちにもなった。
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最近、風俗に行く男性から「風俗にも割引制度がある」と聞いて驚いた。クーポンがあれば何千円割引とか、〇回行ったら何割引きとか、安く行ける手段もあるのだという。そもそも定価がいくらなのかは知らないけれど、女性が大事な身体を使って働いているのに、割引とは一体どういうことなのだろう。さすがに働く女性たちの給料が割引……、というわけでは無いと思うけれど、「割り引いて」人の身体でサービスを受けゆ事実に、一瞬で苛立った出来事でもあった。
以前オランダの飾り窓についてもニュースがあったけれど、いま身を売る職業についている人は、花魁時代よりも認められない境遇にあるような気がする。実際の花魁について熟知しているわけでもないし、今のその業界についてあまり明るくもなく強くは言えないが、社会的にももっと認められ、愛されて、崇められる存在でもいいはずなのに、と思う。
女性は使われる立場ではなく、いっそのこと"使わせてあげる"立場であってほしい。そうなればきっと、また違った文化も生まれるし、楊貴妃のような歴史に残る話もできる。アングラな世界ではなく、一歩踏み出すことが恐れ多いような、高貴な世界であってほしい。たとえそれで男性が、身を滅ぼしてしまうとしても。
花魁の美しさにそんなことを考えた土曜の昼間。以前読んだ「痴人の愛」も考えさせられることがたくさんありました。
去年の毎日note
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