今へ向かう電車にて
電車に乗ると四隅の椅子が全て埋まっていた。最終電車には疲れて眠る人、ぽーっと窓の外を眺める人、スマホをいじる人。優先席に目をやると、サラリーマンがお弁当を食べている。お昼が食べられないほど忙しかったのだろうか、それとも、夜食で作ってもらっていたのに、同僚に誘われて飲みに行ってしまった?そして、奥さんに怒られないようにしっかり食べておいているのかもしれない。何にせよ、みんな疲れているように見えるのは終電特有の雰囲気だろうか。
窓の外を見ると、真っ暗闇の多摩川が広がっていた。夜に見る海や川は、なんだか別の世界へ運んでいってくれるような気がする。どんな世界へ行きたいだろうか。できれば暖かくて、明るい場所がいいなぁ。
電車は以前住んでいた駅を通り、毎日通った駅を通り、辛いときにかくまってくれた友達の駅を通り、今、住んでいる場所へ向かう。過去の思い出を全部通り過ぎて、今に向かう。そしてもうすぐ、明日がやってくる。
気がつけば明日で仕事納めです。
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