【初期ユーザー獲得マーケティング】 第1回:メルカリ
初回はメルカリの初期ユーザー獲得について私なりに分析考察をしてみました!あくまでも施策から考えた私の仮説です。もし誤りや記述されていない情報などがありましたらぜひコメントいただけると嬉しいです!
メルカリとは
メルカリとは皆さんご存知の通りC2Cのフリマアプリです。出品をするユーザーとそれを購入するユーザーがおり、購買が成立した際に10%分が手数料としてメルカリにかかるという下図のビジネスモデルです。
初期ユーザー獲得方針
調べた所感としてメルカリの初期ユーザー獲得方針は当時メルカリが置いていたKPIが大事なのではないかと思い当たりました。そのKPIはトランザクション数であったのではないかと予想します。トランザクション数はダウンロード数(≒ユーザー数)とユーザー1人当たりの平均トランザクション数に分解することができます。今回はこの2つの観点から仮説を立ててみました!
KPI = トランザクション数
= ダウンロード数 * 1人当たりの平均トランザクション数
そして、下記にあるのは私が調べた限りのメルカリに関する主な出来事やマーケに関する施策や結果を表にしたものです。では詳しくみていきましょう!
▼主に参考にさせていただいた記事
Phase①:ダウンロード数に焦点を当てた時期
先ほど置いた式をもとにメルカリの行った施策の意図を考察してみたいと思います。
まずは、ダウンロード数の確保です。
KPI = トランザクション数
= ダウンロード数 * 1人当たりのトランザクション数
施策を見ていくと初期はダウンロード数を増やすことに焦点を当てていたのではないかと思いました。ここではこのダウンロード数を増やすために注力していた時期をPhase①とします。
サービス直後からオンラインマーケティングを駆使して順調にダウンロード数を伸ばし、15億円の大型調達を実現した段階でTVCMを開始しました。初めの1年の間に当時調達した資金の約3分の1に値する4.5億円(テレビに3億、オンライン広告に1.5億)をつぎ込んでいました。
その効果もあり2014年に500万ダウンロードを達成します。この段階で10%の手数料を導入しているのをみると、ここでPMFは完了したとみなしたのではないかなと思います。ちなみにこの手数料導入によって初めて株式会社メルカリの売り上げが発生しました。
Phase②:一人当たりのトランザクション数に焦点を当てた時期
ここで1人当たりのトランザクション数を重視する施策に切り替えたと考えられます。この時期をPhase②と呼びたいと思います。
KPI = トランザクション数
= ダウンロード数 * 1人当たりのトランザクション数
手数料導入によるトランザクション数の減少を回避するためにTVCMを打っています。そしてこのPhase②では1人当たりのトランザクション数を重視しているように思えます。(社内のin APPという部署をメインに既存ユーザーの利用頻度と利用金額の増加、休眠ユーザーの復帰を目標としていたようです。)
実際置いているKPIもこのトランザクションを重視していたことが見て取れるものになっていたようです。具体的には下記の通りです。
CPI(Cost Per Install):1つのダウンロードを獲得するコスト
短期目標としてCPIをいくら以内と決めて、その枠の中で各メディアを試してみて、実際に設定したパフォーンマンスが獲得できたかを検証していたとのことです。
ROAS(Return On Advertising Spend):売上高÷広告費用×100(%)
仮に広告費に1万円をかけた時、そのユーザーから1か月後、あるいは1年後にどんなリターン(=売上)が得られたのかをみるものです。これを中長期のKPIとして用いていたとのことです。
山田親太朗さんが(今ではちょっと懐かしい)clubhouseでデータ整備をするのが大変だったとおしゃっていたROASをわざわざ導入したことも、この1人当たりのトランザクション数を重視していることのあらわれなのではないでしょうか。
おまけ
ダウンロード数の中でもファネルがあり、はじめはその中でも上流の認知をとる施策メインでしたが、認知が90%を超えてからは認知のための施策からまだ利用に踏み切っていない層の獲得の施策をうち始めていることがわかりました。
例としては高齢者向けのアプリの使い方を指導するイベントやアプリをダウンロードするに至っていない人たちをwebから連れてくるためのメルカリのwebページサービスの導入などがあります。
また、決済サービスであるmerpayや、暗号資産であるmercoinや海外展開など様々な方向に投資をしていることも見受けられます。
今後どのような事業を展開していくのか引き続き注視していきたいですね!
サマリー
KPIの設定はとても重要だと感じました。今回のメルカリの例をリサーチしているとKPI設計が今後の方針を決めることが如実に表されていると思いました。サービスを立ち上げるとき、初期に設定するKPIは今後の戦略をしっかり練った上で逆算して作成すべきだし、大切にしていきたいですね。
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