無償撮影だからと舐めてはいけない!

私はお金の発生しないテスト撮影やコラボ撮影だとしても、穴開けないようにめっちゃ気をつけるようにしている。

ヨーロッパでは大体、撮影をやりませんかってチーム組んだ人がスケジュール考えてスタジオ予約して朝食や軽食や昼食を用意するの。

大体フォトグラファーさんのことが多いのだけど。駆け出しのスタイリストさんやメイクさんが、写真揃えたくて組む時もある。

今までこういう無償のコラボ撮影で、「今日来るはずばったもう1人のモデル来ません」「メイクさん1人来ません」ってよくあった。

やっぱり仕事が入ったら、前から決めていようが無償撮影よりも有償の仕事を選ぶのは当然なんだよね。

でもね、本当にね、その後の予定してた撮影がどうなるかは知っておいた方が良いとは思うんだよね。

もちろん、組んだほうも"チームメンバーがその日仕事決まってキャンセルになるかも"って気持ちは必ずどこかにある。
だから「時期的に仕事入るかも」と予め伝えておくのは当然なんだけど、「前日までに仕事が入らなければ当日行けるから、分かったら必ず連絡するね」となどと連絡しておくのが誠実だと思う。

無断キャンセルはやっぱりダメだよね。
前日キャンセルもなるべく早めに。
前日に体調不良とか、もしくは「明日仕事決まるかもしれない。撮影には行けるかもしれないし行けないかもしれない…」という曖昧な状況なのだとしたら、とにかく分かった時点で早めに連絡する。
前日ならまだ代えのモデル探しの時間があるから。

なぜなら撮影予定のモデルが1人の場合+スタジオ予約がもう済んでる時は、来れないとなるとスタジオキャンセルか他のモデルを急遽探す必要があるから。

作品撮る時は、用意された服や想定しているメイクのイメージに合うモデルを選んでるから誰でも良いわけじゃないし、
その日出れるモデルを探すのも結構大変。

あとはメイクさんが1人来ないだけで、チーム全員の撮影時間が2倍になったりする。
特にモデル複数人で+服やヘアメイクのチェンジが数回ある場合。
延長になって時間伸びた分、チーム組んだ人はご飯代支払ったり、お水買ってきたりしなきゃいけない。

無償だから仕事優先は仕方ないんだけどね。

もし忙しいシーズンだったりする時は、「もしかしたら仕事入ってキャンセルしちゃうかもしれないから、スタジオじゃなくて外撮影なら予定しておけるよ」とか提案したり。
「夜の2時間なら、日中仕事入ってもその後参加できるよ」とかね。

やむを得ずキャンセルするなら、周りの同じような系統のモデルに声かけて代打候補送るとか。

スタジオも昼食も全部用意して、待てど暮らせどモデルが無断キャンセルで撮影に来なかったという話を聞いたことがある。

私は夫や友達が撮影組んだりしてるのを身近で見ていてよく知ってるから、お金と時間かけてこんな悲しい思いさせられてしまうんだ…と本当に胸が痛むことがある。

撮影を通して出会って、フォトグラファーさんやメイクさん、スタイリストさんがその後仕事持ってきてくれることも本当にたくさんあるし、

無償撮影だからといって不誠実に接していると、色んなものを失っていくと思う。

以前、フォトグラファーさんが組んだコラボ撮影にスタイリストさんが来なかった。
というか、当日の待ち合わせ時間まで「向かっている」「もうすぐつく」と連絡していたのに、結局最後まで来なかった。

チームは前もってデザイナーから直接服だけは受け取っていたので大枠はなんとかなったが、小物やアクセサリー、靴なんかは私たちの私物でありあわせのコーディネートをするしかなかった。

そうするとかなり作品としての質が落ちてしまう。
服もモデルもヘアもメイクもロケーションもすべて構想通りに揃えている中、ありあわせの物はかなり悪く目立ってしまう。

その後なんとか撮影は終わったけれど、スタイリストさんからの連絡はなく電話もできなくなってしまっていた。

安否を心配していた私たちだったけれど、帰宅後に他の人にそんなことがあったんだという話をして、その人が何気なくそのスタイリストさんのアカウントを見たところ、

「あれ?なんかスパに行ってるストーリーあげてるよ?」と言うのだ。

でも私たちのアカウントからはそのストーリーは見れなかった。今日のチームのアカウントは事前に共有されていたから、全員に対して非表示にしているみたいだった。

ただでさえ45分遅刻していたし、もう今日の撮影参加はやめてスパにでも行っちゃおうと思ったのかもしれない。

さてそういった事実を知った人はどうなるかというと、もう一切その人との撮影はしなくなる。
スタイリストの仕事があっても今後その人には振らない。当然だよね。

日本よりもやっぱりテキトーだなぁぁあと思うことはヨーロッパではたっっくさんあるけれど、やっぱり人と人だから"信頼を失う言動というのがどういうものなのか"というのは世界共通だと感じる。

パリでは特に、ファッションの仕事は山程あるけれど、その分モデルもヘアメイクも、メイクもフォトグラファーもスタイリストも大勢いる。

スキルやポテンシャルも大切だけど、
やっぱり仕事を継続してポンポンと貰えている人は、コミュニケーションがスムーズにできて、人の気持ちを想像できて、時間や約束を守る信頼できる人だと感じる。

無償だからといって、人を舐めては絶対にいけない。

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