モデルの仕事の種類一覧
はじめに
モデルといえばランウェイ!パリコレ!と思っている方は多いと思います。
でもそうなるとコレクション時期しか仕事がないということになってしまいますよね。
モデルたちにとってもランウェイは華型ですが、それだけが仕事ではないのです。
この記事では「ショールーム」や「エディトリアル」など仕事の種類について詳しく説明します。
以下、それぞれの仕事がどのような目的で行われ、どのような役割を果たすのかを説明します。
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①ショールーム(showroom)
・概要
ショールームは、ファッションブランドやメーカーが自社の商品をバイヤーやメディアに向けて展示する場所です。
これにより、バイヤーが次シーズンに取り扱うアイテムを選び、仕入れるための場として機能します。特にアパレル業界では重要なプロモーション手段です。
・目的
ブランドが新作を発表し、バイヤーやメディアに向けて商品の特徴や魅力を伝えるための場です。バイヤーが商品を手に取り、品質を確認しながら商談が行われることも多いです。
・モデルの役割
ショールームモデルは、実際に衣服やアクセサリーを着用して、商品のフィット感や素材感をバイヤーに直接アピールします。また、商品の詳細を説明する役割を担うこともあります。
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②エディトリアル(Editorial)
・概要
「エディトリアル」とは、主に雑誌やウェブメディアなどの出版物で行われるファッション撮影のことです。
エディトリアル撮影は、単なる商品紹介ではなく、テーマに基づいた芸術的な表現が重視されます。
雑誌のファッションページやビューティー特集に掲載されることが多いです。
・目的
トレンドやスタイルを伝えることを目的とし、読者に影響を与えたり、ブランドやデザイナーのイメージを構築するために行われます。
また、ファッションやビューティー業界におけるクリエイティブな表現の場としても重要です。
・モデルの役割
モデルは写真のコンセプトに基づき、スタイリングやメイクアップを施され、ビジュアル的にテーマを表現します。
撮影では、商品のディテールよりも、全体のスタイルやアーティスティックな演出が重要視されます。
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③インスタレーション(installation)
・概要
インスタレーションは、展示やイベントの一環として行われるアート的なインタラクティブな空間演出です。
ファッションブランド新しいコレクションやプロモーションを行う際、インスタレーション形式でその商品を展示することがあります。
これには、展示物と空間の相互作用が重視されます。
・目的
ブランドや商品の世界観を体験してもらうことを目的とし、特にブランドのクリエイティブなビジョンを強調するための場として機能します。
・モデルの役割
インスタレーションにおいてモデルは、まるで「動くアート」の一部として衣服やアクセサリーを身に着けて展示されることが多いです。
ステージに立って動かずにポーズを取ることもありますが、コンセプトに応じたパフォーマンスをする場合もあります。
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④カタログ/ルックブック(LOOKBOOK)
・概要
カタログやルックブックは、ブランドがそのシーズンの新作を紹介するための冊子やウェブページのことです。
これらは、商品を購入する消費者向けにデザインされる場合もあれば、バイヤー向けに特化する場合もあります。
・目的
商品を視覚的に紹介し、顧客やバイヤーにその特徴やスタイルを伝えることが目的です。
特に、商品ラインナップの全体像を見せるために使われます。
・モデルの役割
モデルは商品の特徴が分かるようにポーズを取ることが求められます。
カタログでは、商品のディテールやシルエットが重視されるため、モデルが着用することで、服のラインや動きがどのように見えるかが強調されます。
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⑤キャンペーン(campaign)
・概要
ブランドが新しいコレクションや商品のプロモーションを行うためのマーケティング活動全体を指します。
キャンペーンには、テレビCM、ビルボード広告、デジタル広告、雑誌広告などが含まれ、ブランドのメッセージを一貫して発信します。
・目的
ブランドの新しい商品やサービスを広く認知してもらい、売上を伸ばすことが主な目的です。
多くの場合、複数のメディアを使って大規模に行われます。
・モデルの役割
キャンペーンにおいてモデルは、ブランドのイメージや商品を体現する存在です。
写真撮影やビデオ撮影を通じて、ブランドのメッセージやスタイルを視覚的に表現します。
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⑥プレゼンテーション(presentation)
・概要
ファッションブランドが新作を発表する際に、特定の空間やイベントで行う商品紹介イベントです。
プレゼンテーション形式のイベントでは、モデルが動き回らず、スタジオや特定の場所で服を展示するスタイルが取られることが多いです。
・目的
ファッションショーのような動的な演出よりも、商品やデザインをじっくりと見てもらうことが目的です。
特に、商品に対するバイヤーやメディアの理解を深めるための場として機能します。
・モデルの役割
プレゼンテーションモデルは、商品を着用してポーズを取りながら、バイヤーやメディアに服の魅力を伝えます。
動きが少なく、じっくりと観察されることが多いため、商品のディテールをしっかり見せることが求められます。
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⑦ポップアップイベント(Popup)
・概要
一時的に設けられた販売やプロモーションのためのスペースを活用したイベントです。
ブランドが特定のエリアや店舗内にポップアップストアを開き、新作商品や限定商品を販売したり、直接顧客と交流する場として使われます。
・目的
商品の販売促進や新しい顧客層へのアピールを目的に、期間限定で開催されます。
特に、新規ブランドや季節限定のプロモーションに活用されることが多いです。
・モデルの役割
ポップアップイベントでは、モデルが商品を着用してプロモーションを行うことがあります。
顧客に対して商品を試着させたり、商品の特長を説明する役割を果たします。
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⑧トレードショー(展示会)
・概要
産業ごとに開催される大規模な展示会で、ブランドや企業が最新の商品や技術を展示する場です。ファッション業界では、複数のブランドが一堂に会し、新作を発表します。
・目的
新しい取引先を獲得したり、業界内でのネットワーキングを促進するための場です。
バイヤーやメディア、業界関係者が新作やトレンドをチェックし、商談が行われることが多いです。
・モデルの役割
トレードショーでは、モデルが各ブースで新作を着用して紹介することが多いです。
ブランドの代表として来場者に商品の魅力を伝え、特定の商品やサービスをアピールします。
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⑨ファッションショー・ヘアショー(show)
▼ファッションショー
・概要
ファッションショーは、デザイナーやブランドが新作コレクションを発表するイベントです。
モデルがランウェイを歩き、コレクションを観客に見せることで、次のシーズンのトレンドを提示します。
・目的
ファッションブランドやデザイナーが、最新のコレクションをバイヤー、メディア、ファッション業界の関係者、インフルエンサー、一般消費者に向けて披露し、マーケティングを行います。
ショーを通じてブランドのイメージを強調し、新たなトレンドを生み出すことが目的です。
・特徴
-ランウェイモデル
ファッションショーの中心となるのはランウェイモデルです。
モデルは、服のシルエットや素材の質感、デザインのディテールを見せるためにウォーキングし、ブランドのビジョンを具現化します。
-演出
ファッションショーでは、音楽、照明、ステージデザインなどが、コレクションのテーマやコンセプトに合わせて演出されます。
これにより、ブランドのストーリーを観客に強く伝えることが可能です。
-規模
大規模なファッションショーは、ニューヨーク、パリ、ミラノ、ロンドンなどのファッションウィークで開催されます。
また、小規模のショーや特定の顧客を対象にしたプライベートショーもあります。
-モデルの役割
1.ウォーキング技術
ファッションショーのモデルには、特定の歩き方(キャットウォーク)が求められます。服の魅力を最大限に引き出すために、姿勢や動きに注意を払い、視線や表情も統一する必要があります。
2.フィジカルスタミナ
長時間のリハーサルや早い着替え、複数のステージに出演することがあり、体力が求められます。
▼ヘアショー
・概要
ヘアショーは、ヘアスタイリストやヘアケアブランドが、最新のヘアカット、カラーリング、スタイリング技術を紹介するイベントです。
ヘアモデルがステージ上でヘアスタイルを披露し、技術や製品を観客に見せる役割を担います。
-目的
ヘアショーは、新しいヘアスタイルのトレンドや美容技術を紹介するために行われます。
主なターゲットは、美容業界のプロフェッショナルやヘアケア製品のバイヤーであり、最新技術のデモンストレーションや新製品のプロモーションが主な目的です。
-特徴
1. スタイリングのライブデモンストレーション
ヘアショーでは、実際にステージ上でモデルの髪をカット、スタイリング、カラーリングするライブデモンストレーションが行われます。
これにより、観客は最新の技術やトレンドをリアルタイムで見ることができます。
2.ビジュアル重視の演出
ヘアショーは、視覚的にインパクトのある演出が多く、髪型だけでなく、全体のルックが美しく見えるようにファッションやメイクも重要な要素となります。
-モデルの役割
1.マネキンとして
ヘアモデルは、特定のヘアスタイルやカットが行いやすい髪質や顔立ちが求められることがあります。
2.スタイリングの耐性
ヘアモデルは、髪のカットやカラーリングのプロセスに耐える必要があります。また、ショーのためにヘアスタイルを変更することが前提となるため、モデルはそれに同意しなければなりません。
3.表現力
ヘアモデルはヘアスタイルが際立つように、ポーズや表情を使ってスタイルを強調します。
また、ヘアスタイルを際立たせるために、ファッションショーよりも顔や髪に注目が集まることが多いです。
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⑩イーコマース(E-commerce)
イーコマースとは、インターネットを利用した商取引のことで、オンラインショップやウェブサイトを通じて商品の販売が行われます。
イーコマースモデルは、このプロセスの中で、商品の魅力を視覚的に伝える重要な役割を担います。
モデルは、衣服、アクセサリー、靴などのファッションアイテムを着用し、オンラインでの販売促進を目的としたビジュアルコンテンツを制作します。
・目的
-販売促進
商品の魅力を最大限に引き出し、顧客に購買意欲を刺激すること。
-ブランド認知の向上
モデルを通じてブランドのイメージを構築し、ターゲット市場に対する認知度を高める。
-顧客体験の向上
実際に商品を着用した際のイメージを提供することで、オンラインショッピングの不安を軽減し、顧客が安心して購入できるようにします。
・特徴
-多様なスタイル
イーコマースモデルは、さまざまなスタイルやテーマに対応する必要があります。
トレンドに応じたファッションや、ブランドのコンセプトに合わせたスタイルを展開します。
-デジタルフォーマット
撮影された画像や動画は、オンラインショップやSNSで使用されるため、デジタルメディアに最適化されていることが求められます。
-ポージング
創造的なポージングではなく、フラットでノーマルなポージングが求められます。
服を見えやすく比較しやすくするために、常に同じ姿勢や角度、ポージングが求められる場合が多いです。
まさにマネキンのように振る舞います。
・モデルの役割
1. 商品撮影
- モデルは、衣服やアクセサリーを着用し、カメラの前でポーズを取ります。
スタジオ撮影やロケーション撮影を通じて、商品の魅力を視覚的に伝える役割を果たします。
2.ビジュアルコンテンツ制作の一部となる
- モデルが着用した商品は、オンラインショップやSNSでのプロモーションに使用されます。
高品質なビジュアルコンテンツを制作することで、顧客の購買意欲を高めます。
3. ブランドイメージの体現
-モデルは、ブランドのアイデンティティやターゲット市場に応じたイメージを持っている必要があります。
ブランドのコンセプトに合った表現やスタイルを提供し、ブランドのストーリーを伝える役割を担います。
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最後に
仕事の種類と内容、目的やモデルとしての役割を理解した上で、自分が目立つためではなくクライアントさんの要望に寄り添い応えるために仕事を全うすることが、プロのモデルと言えると私は思います。
学びを続けながら、誠実に仕事をしていきましょう!
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記事情報
2024/09/29製作