抗がん剤治療通院キャンセルが続く患者さんの倫理カンファレンス
以前の記事からまた数週間経ちました。
実はその期間、あの23歳の患者さんは
1度も来院することなく、こちらから連絡をしてもとうとう連絡してくることもなくなりました。
そうして今に至っています。
そこで、私たち医療スタッフは
倫理カンファレンスをするようになりました。
こちらから連絡すると、時間は経つが連絡を返してくれていたところをみると、治療は受けたいと思ってくれているであろう。
保険証の切り替えの問題だけが彼の問題では
ないのではないか。
やはり、お金に関する部分でお困りごとが
あるのではないか。
保険証の手続きに行けないと繰り返すが
代理で行くことも可能で、保険証があれば
滞納している医療費も分納手続きがとれる
他にも措置が可能かもしれない。
として、MSWや経理課スタッフとの
意見交換もしました。
しかしながら、彼から連絡が来ない限り
手を差し伸べることが難しい…。
彼にとっての無危害はなんであろうか?
どんなアプローチが最善なのだろうか…。
治療をせずに経過していることで
今後再び症状が悪化した場合、病院側は
受け入れる条件などができてしまうのだろうか…
まだまだ最善の方法は見つかったわけでは
ありませんが、スタッフ一人一人が
23歳の自分に戻り、どんなアプローチが
安心につながるのか思いを分かち合うことが
出来るのかなどを話し合うカンファレンスが
続いています。
化学療法は新薬ほど高価になりますし
高額医療費の申請をして限度額支払いの手続きをしても所得に合わせての医療費というものは
かかってきます。
自己破産をして生活保護にきりかえると
治療の継続は可能かもしれませんが、
23歳の自分に同じ状況ならどうしただろうか?と投げかけた時に、そこに踏みだす勇気は
正直なところないかもしれない…
まだ違う可能性を信じてがむしゃらに
働いているかもしれない…
家族に頼れない状況があるとしたら
どうしたらいいのかとまだ悩んでる
かもしれない…
主治医は治療云々より、今なにが一番
困っているのかもう少し踏み込んで
話を聞いてみようと思うということで
2回目のカンファレンスは終わりました。
この記事を読んでくださっている
皆さんだったらどんな声掛けを
されるのでしょうか?されたいでしょうか?
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