『さよならのかけら』〜友達として〜
こんな時間に失礼します。
本日2つ目の投稿になりますがよろしくお願いします笑
さよならのかけらを読み解いていくうちに「あの子と友達になるわ」のフレーズがもし"あの子=思いを寄せる相手"だったらという説が浮かびました。
そこから陽菜と富佑香という女の子のお話を思いつきました。もう一個のストーリーとして楽しんでいただけたら幸いです。
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「富佑香聞いて!実は彼氏が出来たの!」
友達の陽菜に告げられた言葉に一瞬思考が止まる。
「お前ら付き合ってんの?」と言われるほどにいつも一緒でなんでも言い合える友達。
「そんなわけないじゃーん」と言いつつ内心嬉しかった。
私は陽菜に恋をしていたのだから。
もちろんこんなこと言えない。
関係が壊れるのが怖くてずっと心に秘めていた。
そんなことを知らない陽菜は嬉しそうに報告してくれた。
「もう会えない」と言われたわけじゃないのに、そう言われたくらいの衝撃を受け固まってしまう。
「……!え、?おめでとう!しかも誕生日直前じゃん!祝ってもらえるね〜」
変な間が空いたけど驚いた振りして取り繕う。
ちゃんと笑えてたかな。
カバンの内ポケットに入っていた渡そうと思っていたピアスの袋を握りしめた。
アクセサリーはきっと彼氏に貰った方がいいはず。
私は別のものを渡そう、、、
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雪が降る放課後、偶然彼を見かけた。
好みも趣味ももう彼女に染まってた。
きっとすごく愛されてる。
「友達の相手がいい人でよかった」という安心と共に寂しさが襲う。
わたしが陽菜に教えてあげたゆるいキャラクター、気に入ってくれたの嬉しかったのにな…。
それ彼氏に教えてあげたんだ。
そっか…………。
もうその事実は受け入れていたのに。
見せつけられると苦しくて仕方がない。
ダメだ、もうこんなの見たくない。
粉雪が舞う空、お願いだから全て隠して。
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夕暮れの放課後。
図書室に寄った帰りに、夕日が差し込む窓辺から校門を見下ろす。
帰りを急ぐ人波。友達や恋人と楽しそうに歩く人たち。
私だけが取り残されたような気持ちになって虚ろな目で眺める。
思いが届いて、結ばれて。
そんな何千万もの出来事がこの世では生まれては消えている。
それがまるで他人事のように思えて苦しい。
思いを隠しながら接していくこと、それに疲れてしまった。
陽菜に彼ができたと告げられてから、ご飯も食べれなくなって窶れてしまった。
ずっと思い悩んでいたら急にふらついて図書室のドアの外ので座り込んでしまう。
溢れた感情が際限なく流れていって苦しい。
取り戻せないの。
どんなに足掻いたとしても壁が大きくて。
スタートラインにすら立てないの。
抱いていた恋愛感情を消せたらどんなに楽か。
伝えて壊してしまうならあの子と友達になるわ。
言葉通りの友達。
私の一方的な恋愛感情を一切消し去った友達に。
恋心を感じなくして。
凍えそうな寒さの廊下に1人しゃがんでしまっていた私に手を差し伸べてくれたのは…
「え…?富佑香だよね?ねぇ、大丈夫……?あぁ、冷えちゃって……」
顔上げたらそこにはとても心配そうな悲しい顔をした陽菜が居た。
あたたかい、陽だまりのような声に心が溶かされる。
「どうしたどうした〜、こんなに泣いて……って顔真っ青だよ。貧血かな、保健室行くよ!立てる?」
陽菜の優しさに涙が止まらなかった。
優しく肩を支えられ保健室まで歩く。
やっぱり好きなんだ。
でも、もうひとつ新しい気持ちが生まれた。
この大切な人に悲しい顔はさせたくない。
だから私も私を大切にしよう。
この先も何度も苦しい思いすることはあるだろう。
完全に陽菜への恋愛感情を消すには時間がかかる。
でも負けないように未来へ走るよ。
いつか本当に友達として会える日まで。
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2つ目のストーリーありがとうございました。
元は前投稿のストーリーのように怖い女の子の曲だと思っていたんです。
ですが、こういう可能性もあるのかなと思い書いてみました。
序盤すこし強引になってしまいました😂
きっと恋愛感情がなかったとしても、ずっと仲良かった友達に恋人が出来たり結婚したりで切ない気持ちになったりすることってあると思うんです
取られちゃった、みたいな。
関係を壊したくなくて伝えられない。
そんな気持ちって多くの人が経験していると思うのでそこを意識して書いてみました。
しゃがんだまま話を終わらせても良かったのですが、幸せになって欲しかったので最後は希望が持てる感じにしました。
12/22のさよならのかけらナイトではどっちかをお話したいと思うので、良かったら聞いてください🎵
ではまた(*´︶`*)ノ