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『My destination…』〜貴女のいる世界なら〜

こんばんは!!

 今回の1曲1時間ナイトの曲はMy destination…です!
この曲良いですよね〜〜
個人的にはlyrics ver.の方がドラムが引き立っていて好きです!
最初のでーーーーん、の絶望感と暗い曲調。
とても私好みです😂

今回も小説形式で解釈をさせていたたきます!

この曲は、初めて聴いた子供の頃から人魚姫と白鳥の湖のイメージがあって。
今回それを元に御伽噺風の小説を書いてみました!

 少々長くなりますが良かったら読んでください☺️
ラジオ当日は1番ドラマティックなラスト直前のシーンを抜粋し、1人芝居をする予定です。

では始まります!

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むかしむかし
リコという美しい娘が暮らしておりました。

長くやわらかな薄紅色の髪、透けるような白い肌。

ただ1つ、人と違うところは
彼女の腰から下にはエメラルドグリーンの鱗が輝いていました。

そう、彼女は人魚だったのです。

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リコは好奇心旺盛な娘で人間の世界に憧れていました。
5人の姉達の話を聞いて、いつか自分も海の上の世界がみたい!と思いを馳せて過ごしていました。

15歳になると海の上に昇り、人間の世界を見ることが許されるのです。

やっと15歳になったリコは期待に胸を踊らせ海面へと昇って行くのでした。

その頃───

海の上では大きな船がひとつ。
そこでは、とある令嬢の誕生日のパーティが盛大に行われていました。
パーティの主役、貴族の令嬢レイアはこの時代の貴族の令嬢にしては珍しくボーイッシュな女の子。
艶のある群青色の短髪、吸い込まれそうな赤色の目が美しい少女です。

お嬢様扱いされるのが苦手なレイア。
このパーティーも少し窮屈で疲れてしまいました。
船の上で遠くの海を眺めるレイア。

そこに───

「なんて…美しい人なの…」

人に見つからないように海の上の船を眺めていたリコはレイアに見蕩れていました。

するとその時。
急に雲行きが怪しくなり、嵐がやってきたのです。

船は傾きバランスを崩したレイアは海に落ちてしまいました。
溺れるレイアを抱きかかえ海辺へと引き上げるリコ。
何とか助かったレイアですが、リコは人魚の姿を人に見せることは出来ません。

後ろ髪を引かれる気持ちで、助けに来た人々にレイアを任せて海に帰るのでした。

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リコはあの日からレイアのことが頭から離れません。
恋をしてしまったのです。

「もう一度会いたい…」

眠りについても、頭に浮かぶのはレイアへの気持ちばかり。
でもこの人魚の姿では会えません。

二人の世界を愛で満たす方法………
そんなことをリコは毎晩考えていました。

どうしてもレイアへの気持ちを諦められなかったリコは海の魔女に人間になる方法を聞きに行きました。

「人間になりたいのかい。それならこの薬を飲むといい。でもね、想い人と結ばれ一緒に暮らすことが出来なければお前は海の泡になって消える。それでもいいのかい?」

「…ええ。この気持ちは諦められない。たとえ私が消えることになっても、それでもあの人ともう一度会いたい。」

「わかった。好きにするといい。」

リコの覚悟は相当のものでした。

海辺に行き魔女の薬を飲むと、みるみるうちに鱗が輝いていた尾が人間の足に変わっていきます。

「わぁ…脚…!ずっと憧れてた…こんな…綺麗なの、ね…」

嬉しさに感激の声をあげるリコ。
ですが急激な体の変化に追いつかずそのまま海辺で気を失ってしまいました。

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召使いと一緒に海辺を散歩していたレイア。
そこで倒れているリコを見つけます。

「…誰か倒れている…!!大丈夫か?!とりあえず家に運ぶ、君は部屋の用意を…」

レイアはリコを自分の家に連れていきました。

(なんて美しい人なんだ…あの時助けてくれた…海の中で見えた髪…この子のものに似ている…)

レイアもまた、リコに見とれているのでした。

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…ここは…?
見知らぬ部屋で目覚めたリコ。

「おはよう、体は大丈夫…?」
目の前には優しく微笑むレイア。
何が起きているのか一瞬理解で出来ず固まるリコ。

「君、海辺で倒れてたんだよ。覚えてる?」

ハッと今までのことを思い出すリコ。

(そうだわ私、人間の姿に……)

「良かった、記憶はあるみたいだね。君がもし良かったらなんだけど、ここで暮らさないか?」

願っても無いチャンスにリコの目からは涙が止まらなくなりました。
「?! どこか痛い??嫌だった?」
「ううん…嬉しくて…」

こうしてリコとレイアの幸せな生活が始まるのでした。

2人は女の子同士、ですがそんなことは関係なく愛は深まっていきます。

幸せな日々がずっと続く、はずでした。

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リコとレイアが出会って半年が過ぎたある日。

大事な話がある、とレイアが両親に呼び出されました。
レイアは浮かない顔をしています。

リコは嫌な胸騒ぎを覚えます。
どうしても気になったリコはレイアの向かった両親の部屋の前まで来てしまいました。

(盗み聞きなんてしてはいけないけど………)

そこで────

「レイア、貴女に結婚の話が出ているの。」
「……そんな……私はリコと」
「リコさんねぇ。あの子とは結婚できないでしょう、いい子だけど諦めて欲しいの。」
「レイア、君は貴族の男性と結婚しなければならないんだ。」

聞いてしまった、と絶句するリコ。

(そんな……もう諦めるしかないんだ……リコは貴族の令嬢。家柄のいい男性と結婚するのが幸せよね。私なんて……)

泣きながらその場を後にするリコ。

もう泡になるしかない…でも最後に海が見たい。
リコは海へと逃げるように走りました。
いつもの海辺にたどり着くと、事情を聞いた姉たちが現れました。

「お姉様……」
「リコ、貴女の気持ちはわかったわ。でも勝手に人間になる契約をして、叶わなかったら泡になるなんて…」
「魔女を脅して戻る方法を聞いてきたわ。これを使いなさい。」

姉の手から短剣が手渡されました。

「これを使って彼女を刺して、その血を浴びなさい。そうすれば人魚に戻れるの。」
「…そんなこと…」
「リコ!泡になってもいいの?!」

姉たちが自分達の美しい髪と引き換えに手に入れた短剣です。
無下にもできません。

「お姉様………分かりました…」

リコはそう答えるしかありませんでした。

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思い出の海辺でしゃがんで過ごす。

このままだと私は泡に……怖い。
でも…………もう諦めるしかないの…苦しい……

お姉様には申し訳ないけど私は…レイアを殺すことなんて出来ない……。
レイアには生きていて欲しい。

何度も考え思い悩み苦しいながらもリコは自ら泡になる選択をしました。

「そろそろ、行かなきゃ…………」

そこに息を切らしてレイアがやってきます。

「ねぇ、待って、なんでこんなところに…探したんだよ」
「……っっ。何も言わずに消えるつもりだったのに」
「まって、どうして、」
「結婚の話、決まるんでしょう?」
「聞いてたのか…私はあんなの認めない、だって君が……」  

真っ先に否定するレイア。
その声には両親への怒りも含まれていました。

「ううん、そうじゃないの。私ね……実は人間じゃないの。人魚なんだ…」
「えっ…もしかして、あの時助けてくれたのって…」
「そうよ…あの日からずっとあなたに逢いたくて…人間の姿にしてもらったの…でもね…」

魔女の約束で泡になることを告げるリコ。
突然の告白に狼狽えながらもレイアは何とか一緒に過ごせる方法を考えます。

「そんなっ、嫌だ、君が人間じゃないとか関係ない。消えないでよ。逃げよう、2人で一生に暮らすの」
「ううん、絶対見つかって引き離されるわ。本当はあなたの家族にも認められて一緒に暮らしたかった、でもそれは出来ないでしょう?だから私は、消えるしかない……あなたは幸せになって欲しい。」

レイアは震えた声で聞きます。
「消えるなんて、だめだ、元に戻る方法は…?」

「…………っっっ。戻る方法……?一つだけ……」

その言葉にリコは息を詰まらせながら元に戻る方法を口にしました。

「……っ…!……そんなっ……でも絶対君が泡になるなんて考えられない。私のことはいい、私を殺して君は人魚に戻って、幸せに暮らして欲しい」
「そんなこと出来ないわ……あなたを殺すくらいなら私が消える……絶対出来ないから……だからごめんね、……今までありがとう。じゃあね……」

別れを告げ海に入ろうとするリコ。
レイアは後ろから強く抱きしめます。

「ねぇ、あなたは来ないで」
「聞いて、私も一緒に泡になる。」
「え……そんなの……だからあなたには生きていて欲しいって」

「君がいない世界なんて生きたくないよ。ねぇ一緒に生まれ変わろう。来世は2人で過ごせるように。もう君はひとりじゃない、私がいるよ。ほら、空が綺麗だね。きっとこの月と星たちが導いてくれる。一緒に行こう。」

こうして2人は冷たい海に沈んでいきました。

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幾百と時は流れ────

戦争、近代のパンデミック、激動の時代が過ぎたある日。

小さな街の教会には女の子2人の姿がありました。
鐘が鳴り響く教会、決して豪華な結婚式では無いけれど
それでもふたりは幸せでした。 

この時代でもまだ法的に結婚はできない。
でも、私たちなら大丈夫。
だってまた巡り会えたんだもの。

世界中を変えてみたいの。
あなたを愛してくことで。

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なんか流行りの転生系の小説になってしまった感あります…笑笑
このふたりを幸せにしたかったので、最後は生まれ変わって欲しかったんです……

〜補足〜

物語形式に全部入れ込むのがなかなか大変だったため補足します笑

「私たちは間違ってるの後戻りしたくないだけ」 「押しつぶされそうになっても平気よあなたがいれば」

ここは小説に入れ出ませんが本当に海に飛び込む前の2人の気持ちだと解釈しました。

「世界中を変えてみたいのあなたを愛してくことで」

ここは他のスピーカーメンバーの解釈にもありますが、性別を超えた恋愛を連想させるので女の子二人のお話にしてみました。
世界中の偏見やしがらみ、それをあなたを愛していくことで変えていきたい。そんな決意なのかなと解釈しました。

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以上が私の解釈になります!

2/22(水)22:30〜Twitterスペースでこの曲のラジオが放送されます!!
お時間のある方はぜひ☺️

ではまた(*´︶`*)ノ


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