コロナ禍でのドイツ留学準備(ミュンヘン/夫帯同)
私は、2021年9月からドイツのミュンヘンにあるマックス・プランク研究所付設のミュンヘン知的財産法センター(MIPLC)のLLMプログラムで勉強するためドイツに滞在しています。先日、無事にドイツでの滞在許可証を取得し、ドイツ留学にあたって必要な手続きがひと段落したので、ドイツ留学準備の手続きまわりをまとめてご紹介したいと思います。
※コロナ禍での留学手続きです。内容は変更される可能性がありますので、あくまでも私の個人的な体験記としてご参考いただければと思います。
1 家探し
過去に留学された先輩方から評判がよかったMr. Lodgeで渡独前に家を探しました。家具付きで留学期間中の滞在に向いている物件が多く掲載されています。
Mr. Lodgeでの家探しは、渡独の1~2か月前から行うのがよいと思います。それ以上前に良い物件が見つかっても、Mr. Lodge側は申込み後すぐに契約(家賃が発生)することを前提とした物件情報がほとんどのため、時期尚早です。
私達の場合、夫が物件の相場を確認するために渡独する年の3月頃からMr. Lodgeを定期的に巡回しておりました。そして8月初旬に条件の良い物件が掲載されたため、すぐにMr. Lodgeへ連絡を取ることで契約することができました。連絡を取ったのは掲載当日でしたが、既に複数の問い合わせや内見が行われているようで、Mr. Lodgeからは申込者の情報を元に、大家さんが最終的な契約可否を判断すると言われました(申込者の情報とは、収入証明又は銀行残高証明などであり、家探しの際は予めそれらをすぐに提出できるように準備しておいた方がよいと思います)。運よく大家さんに承諾いただけて、8月中旬には契約を締結することができました(契約自体はメールでPDFのやり取りのみ)。ミュンヘンは近頃家探しの競争が激しく家賃も高騰しているため、その困難さを認識しているMIPLCとしても、授業が始まる時期になっても家が決まっていない留学生への物件紹介があったくらいです。
2 住民登録
ミュンヘン到着後、住居が決まったら、できるだけ早く住民登録をする必要があります(住民登録をしないと、携帯SIMも買えません)。住民登録の面接枠は2か月後しか空いていなかったため、家が決まっていることを前提に渡独前にオンラインで面接枠を予約しました(夫の分も同時に予約)。直前に枠が解放されるという話も聞きましたが、枠が少ないため早めに予約されることをおすすめします。
私は、1に記載のとおり渡独前に家の契約を済ませていたので、ミュンヘン到着後に予約通りミュンヘン市庁舎で面接を行い住民登録できました。
面接枠は以下のサイトから予約しました。
3 滞在許可証
ドイツには有効な日本国パスポートを所持する日本人の場合ビザなしで90日間滞在することが可能なので、渡独後に滞在許可証を取得する手続きを行います。住民登録完了後にオンラインで滞在許可証の取得に必要な申請書類をアップロードして提出します。提出後しばらくしてからメールで面接日時について連絡があります。
申請書類は、以下のサイトから提出しました。
面接日時は、申請してから約1か月後でした。同日に夫の滞在許可証も、Family Reunionの区分で申請しましたが、面接日時は別(私の約1か月後)になりました。
夫の滞在許可証の申請書類は以下のサイトから提出しました。
以下、滞在許可証の申請書類を取得するための手続きについてご説明します(この他にも必要書類はありますが取得に時間がかかったもののみ)。
(1) ドイツ滞在中に必要な生活費があることの証明
閉鎖口座を開設し銀行が発行する残高確認書を提出しました(必要な残高は、一人あたり月861ユーロ×滞在月数)。なお、その他の方法として、日本の勤務先が留学費用を負担している場合、勤務先から資産証明書を発行してもらう方法もあるようです。
閉鎖口座を開設できる銀行はいくつかあるようですが、私は、手数料が比較的安価であったCoracleに閉鎖口座を開設しました。(夫の滞在許可申請について)ミュンヘン市に問い合わせたところ、夫名義の閉鎖口座を開設するのではなく、私名義の同じ閉鎖口座に夫の生活費分も振り込み残高確認書を提出する必要があるとの回答を得ましたのでそのようにしました。
(2) 健康保険
MIPLCからいくつか健康保険の情報をもらいましたが、その中から、保険料が比較的安価であり、かつ、Liability Insuranceも保険内容に含まれている、MAWISTA Student Classic Plusに加入しました。夫も夫名義で同プランに加入しました。
(3) (夫の滞在許可証について)語学力を証明する書類
渡独前に取得していた、夫の大学の卒業証明書と成績証明書を提出しました。夫はたまたま第二外国語でドイツ語を履修していたので、コメント欄にその旨を付記しました。
(4) (夫の滞在許可証について)婚姻関係を証明する書類
渡独前に取得していた、戸籍謄本(アポスティーユを付けた上で認証翻訳したもの)を提出しました。なお滞在許可申請以外でも、住民登録の面接時に確認されました。
4 EU版コロナワクチン接種証明書の取得
私は、アメリカ留学中にコロナのワクチン接種をしましたが、アメリカのワクチン接種証明書とパスポートをミュンヘンの薬局で提示することで、EU版ワクチン接種証明書で取得できました(ただし滞在許可証の提示も求める薬局があるようです)。他の日本人留学生も日本のワクチン接種証明書でEU版ワクチン接種証明書を取得できたようです。薬局では紙の接種証明書を作成してもらえますが、証明書に記載されているQRコードをワクチン接種のデジタル証明アプリで登録することで、スマホで接種を証明することができます。
現在、コロナの規制により、ワクチン接種証明がなければレストランに入店できないなどの措置がとられているため、私はアプリ「CovPass」をインストールし接種を証明しています。レストランの店員にとっては外国のワクチン証明書は見慣れない書式なので要件を満たしていたとしてもその都度説明する必要があるなど手間になるため、デジタル証明を取得しておいた方が便利です。
証明はEU共通のものなので、私がオーストリアを観光した際に「CovPass」で接種を証明できました。
5 携帯
私は渡独後にミュンヘンにある電気屋(SATURN)へ住民登録票とパスポートを持参しO2のプリペイドSIM(my Prepaid S 3.5G 28日 9.99ユーロ)を購入しました。
6 銀行口座の開設
オンラインバンクのN26を開設しました。N26のアプリをダウンロードしビデオ通話の本人確認で口座を簡単に開設することができます。
7 定期券の購入
学生証を取得した後に、電車/トラム/バスの定期券(IsarCard Semester)を購入しました。1セメスター(約半年)で201,60ユーロで、この定期券でミュンヘン市内をほぼ全て移動できます。
観光(ロマンチック街道に出るなど)のためには車があると便利だと思いますが、普段生活する上では車はなくても生活に不自由しないと思います。
※なお、一般的に留学にあたって必要となる手続きの説明(日本の住民票を抜くため海外転出届を提出する等)は省略されています。
早くコロナが収束されることを願うばかりですが、コロナの規制が残る中でドイツ留学の準備をされる方のご参考になれば幸いです。