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抗がん剤で髪が抜けることと、ユーモアと、知っておくと便利なこと

最近、美容院に行く前の「お悩みタイム」が楽しい。どんなスタイルにしようかな、どんな色にしようかな、とワクワクする。そんな悩みができること自体、実はとても贅沢でありがたいことなのだと気づいたから。

4年前の今頃、私の髪は抗がん剤治療の影響ですべて抜けた。髪だけじゃなく、眉毛もまつ毛も全部抜けてしまった。びっっっくりした!

そうなると、人の顔はまるで宇宙人のようになる。(と、私は思う。宇宙人に会ったことはまだないけれど。)

鏡に向かって胸を叩きながら「ワガハイハ ウチュウジンデアル👽」と、うまく声を震わせながら言って、一人で吹き出したことを覚えている。(何やってるの私。)

そして、「もしかして私は本当は宇宙人なのかもしれない」と本気で考えた。(いろんな意味で病気?)でも、そう考えたらなんだかワクワクした。

今日は、これまで誰にも言わずにこっそり楽しんでいた**「髪がない自分とのオモシロタイム」と「髪が抜けるときに知っておくと便利なこと」**の2つについて、あくまで私の視点でお話ししたいと思う。


髪がない自分とのオモシロタイム

何事も深刻になりすぎるのはもったいない。誰だって、髪がなくなるような状況は望まないと思う。でも、実際になってしまったら、それをちょっとでも面白がることで気持ちが救われることもある。(少なくとも私の場合はそうだった。)

当時、私は「本当に治療が終わったらもう一度髪が生えてくるのだろうか?」と不安でいっぱいだった。ケースは人それぞれだし、絶対に生えるとは言い切れない。でも、わからないことをネガティブに考え続けて、楽しくない時間を増やすのは避けたかった。

だって、どういう気持ちになるかは自分で選べるから。

しかも、申し訳ないけど(誰に?)、どう見てもそのツルツルスタイルって**キュート(自称)**で、面白い。だから、私は意識的に「面白い時間」をつくるようにした。

お風呂に入るときは、帽子もウィッグも取らなくてはいけない。どんなに嫌でも、髪のない自分と向き合わなければならない。毎日。毎晩。そのたびに落ち込んでいたら、心が疲れてしまうし、時間ももったいない。

だから、私は「宇宙人タイム」を始めた。

帽子もウィッグも取って鏡を見たら、クスッと笑いながら「ワガハイハ ウチュウジンデアル」とつぶやく。

試してみたい方、未来にもしも同じ状況になったときに思い出して試してくれる人がいたら嬉しい。笑うって、大事だから。


髪が抜けるときに知っておくと便利なこと

さて、今日このブログを書こうと思った一番の理由がここにある。

髪が抜けるときに、これを知っておくと少し楽かもしれないということがある。

それは、「髪が抜け始めてから入るお風呂やシャワーは、時間を決めておくこと」

これは、ぜひがん治療のガイドラインに載せてほしいくらい重要なことだと私個人は思っている。

多くの人にインタビューしたわけではないので断言はできないが、髪は一気にバッサリ全部抜けるわけではない。かなりの量が、何回、何十回に分けて抜ける。そして、一番多く抜ける(と感じる)のがお風呂タイム。

シャワーを浴びていると、どんどん髪が抜け落ちていく。でも、最初の頃は終わりがない。洗い流しても洗い流しても、まだ抜け続ける。まるで、抜けた分だけ髪が増えたんじゃないかと錯覚するくらい。

排水溝にたまっていく髪の量がどんなに恐ろしく増えても、まだまだ終わらない。確実に減っているはずなのに、なかなか全部なくならない。

だから、私が強くおすすめしたいのが、

👉 「今日はここまで(何分まで)」と時間を決めること!

そうしないと、お風呂やシャワーから永遠に出られなくなる

私も当時、終わりが見えずにお風呂時間が異様に長くなってしまった。バスルームから出たくても出られない。家族もきっと心配していたと思う。

「美穂はお風呂で泣いているんじゃないか?」って。

違うの。髪が全部抜け終わらなくて、出られないの!

髪が抜けることよりも、お風呂から出られないことの方が不安だった私。

だから、「20分なら20分」と決めておくといい。

これを私は誰かに教えてほしかった。(切実。)

だからブログに書き残しておくことにした。そして、この時間を**「進化・深化・神化タイム」**と名付けて誇りに思うことも、私の心を救ってくれた。(これに関してはよろしければ以前の記事をのぞいてみてください^^)


お読みいただきありがとうございました。

この記事が、どこかで誰かの心を少しでも軽くできたら嬉しいです。
ユーモアの力が、少しでも届きますように。

そして、髪が抜けたとしても、あなたの素敵さは何ひとつ変わらないどころか、その時間をどう過ごすかであなたの宝物が増えることを共有できたらなあと思います。


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