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服探しに人探し
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視覚障害のある彼(トモ)との買い物は、すごくシンプル。
店舗ガイド(があれば)をザッと読み上げて、「ココ」と言ったお店に案内する。
着いたらフラフラ〜と一人店内を散策して、早々と店員さんと思しき人(ここの嗅覚がよい)を見つけ、「すみません、シャツってどの辺ありますか」的な会話で行き着く。
探さないし、待たない。
トモとは、ウィンドウショッピングはほとんどしたことがありません。
目と紙の幅3センチで文字を読むトモが、本気でウィンドウショッピングするとなると、首か腰かがどうかなってしまいそうです。
以前、「塙保己一(はなわほきいち)」という偉人の記念館に足を運び、彼の遺品や関係資料を見て回りました。
塙保己一さんは盲目の国学者。「世のため後のため」という彼の言葉、あまり信じてもらえないけれど、本気でトモの支えになっています。
という訳で、この時ばかりは、見えにくいなりに眼を凝らしていたと察するのです、、、
そして、、、顔面 「 ゴーンッ!! 」
ショーウィンドウは強敵ですね。Appleの入口とか笑っちゃいますもん(笑)保己一さんにはなかなか眼が届きません。
そういう訳なので(?)変に無理をせず、変に時間をかけず、楽しくショッピングするための形が、今の形です。
さて、目の前にシャツが並んでいるのに「すみません、これは何色ですか」と聞かれた店員さんには色んな反応があります。
トモは白杖を使っていないこともあって、「何だ?」という空気感も、もちろんみられます。
私はというと、見えにくさについて切り出すタイミングはいつか、(言い方悪いですが)観察してたりします。。。
実際、トモはそこまでポンポンと眼のことはお話しません(これもまた意外に思われますが)。
「この人にまたお世話になるな」と思ったタイミングで、「僕実は、眼が見えづらくて」を付け加えるようです。
お店を出るギリギリのところで言うこともあります。
楽しい、気持ちがいい買い物ができたときは、店員さんの名刺を握りしめて帰ってきます。
名刺の名前を読み上げると「よし、覚えた」となって、次からは一人で買い物です。
買い物は、服探しに人探しですね。