生活を整理して「違い」を知る
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トモがロービジョン者ということは、外見で分かりにくいとは思いますが
生活の中で、「見えにくい人」なんだということを思い出す仕草・振る舞いはあります。
トモは出会ったロービジョン者の中でも、見えてないんだなと感じることが多く、
トモの仕草・振る舞いが、ロービジョン者の大半に当てはまることはないと思いますが、
「違い」を知るには、生活について整理するのも良いのかなと思いました。
さて、トモの一日は、こんな感じで流れます。
朝。目覚めて一番にすることは、Bluetoothスピーカーで、iPhoneからラジオを流すことです(この時代に生まれて良かったなーと思います)。
この時点から変わってるのかな??でも、トモにとって、ラジオは時計代わりです。
壁時計はあるけど、読めた試しはありません(今となっては、読めた方がビビりますが)。でも、壁時計があると、生活感が出ますね。
起きると、ニワトリみたいな髪で、歯ブラシに歯磨き粉をつけて渡してくれます。
が、寝ぼけてんのかボヤけてるのか、いつもまばらな歯磨き粉。
歯ブラシが上下ひっくり返っていて、柄に歯磨き粉が乗っている、なんてこともあります(おー器用)。
本人曰く、「これ、よく分かんないなー。」だそうで。
シャワーを浴びて、朝ご飯です。
本人には言ったことはないのですが、箸づかいがちょっと独特なのです。
チョンチョン、とあるのを確かめてから、掴んだり刺したりする。他のロービジョン仲間にも見られることがあって、この仕草で「あ、この人もか」と思ったことは結構あるかもしれません。
必要そうだったら、そこに、あるか・ないか、あるのは何か、伝えたりもします。
ところで、トモは、めちゃくちゃ衣装持ちで、特にセットアップを多くもってます。大抵、1セットずつまとめていて、その辺すごく几帳面。
ただ、お洒落への意欲が高い割に、「どれがいいかな?」と聞いてきた時は、ガッツリこちらに一任します。聞いておきながら、「えー?」なんてことがなく素直です(笑)。
そして、「そんないんのか?」と思うくらいの眼鏡。大半は近視用の眼鏡。
レーベル病の発症前から、近視が強かったそうで、かけると少しクリアにはなるらしいです。
服と眼鏡が決まると髪型。
ここ数年は、七三分けの髪型で安定しています。セットがめちゃくちゃ、楽らしい。
分け目にクシを入れてシュシュっと。指で確認したらできる。私がいるときは、「分かれてる?」と最終確認。
今までも言われてきたことですが、やはりここまでくると、トモは見た目に気を回す方だなと感じます。
家を二人で出るときは、鍵を自分からは閉めようとしません。これも聞いたことはないけど、「よく分かんない」んだと思います。
鍵穴を指で探って、親指に鍵を当てながら差し込む姿もまた、ちょっと独特。
玄関の階段は、「おばけ階段」なので、たった3段だけど、腰が引けて、迂回します。
タイルの色が同じで、境目のわからない怖い階段は、「おばけ階段」。
今思えば、1日の中で、階段を使わない日はほぼないですね。生活圏内の「おばけ階段」は回避方法をもっていると、移動にストレスがないかもしれません。
こんな感じで、お家から外に向かいます。
さて、、、なんだか色々書きましたが、まとめましょう。
そもそも人の生活なので、「違い」なんて山ほどあると思いますが、
「見えにくい人」だからこその「違い」は、そこまであれもこれも、という訳ではないのかな、と思います。
ロービジョン者のトモに関する、生活中の「違い」の一部は、大きくこの4つでした。
・歯磨き粉をつけるときのズレ
・食事のときの独特の箸づかい
・鍵と鍵穴を合わせる指づかい
・「おばけ階段」の降り方
あとは、ロービジョンに限った話でもないかな、と思いましたので。
外に出ると、今度はどんな「違い」があるんでしょうね。