マックス
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「5パーセントの奇跡」(原作は、Mein Blind Date mit dem Leben)という映画に、こんなシーンがあります。
---下記は作品の内容を含みます。---
主人公は、網膜剥離により視力が著しく低下したサリーという男性。意中の女性・ラウラとの食事の日を控えています。
自身に「見えづらさ」があることは、ラウラに伝えない予定。
そんなサリーに、同僚のマックスはこんな助言をします。
“この店なら、ニョッキを頼むといい。”
スプーンで食べやすいメニュー。サリーの食事の振る舞いで、「見えづらさ」に気づかれることを、“予見”したのでしょう。
おかげで、「見えづらさ」には触れず、楽しく食事をする様子が見られました。
その場に詳しくて、「見えにくい」事情を知っているマックス。“予見”に対して、行動できる人。
(あれ、こんな人、大学院にいたなぁ)
楽しく、安心して過ごす上での、キー・パーソンがいると、本当に助かりますね。
「見えづらい」トモは、大学院を経て、働いて過ごし始めました。
働いて過ごすということは、その(職)場の文化のようなものを、覚えていくことが求められるのでしょう。
「この時はこの形式を使う」
「この案件はこの人に報告する」
「こういう場ではこういう服装」
知ってないと、できてないと、まずいと焦る。
追いついてないのは、今だけなのか、自分の目が悪いからなのか(自分だけできてないんじゃないか)、と悩む。
今はそんな時期のようです。
「あらー、心折れとるな」と思う時もありますが、話をよく聞けば、職場にもマックスのような存在はいてくれるようで。
「知ってたらいいんだけど、こうするといいよ。」
「伝えておけば良かったね。自分もこういうの知らなかったから。」
“予見”に対して、行動できる人。
“予見”できたなと、気を配ってくれる人。
お世話になるのは気が引けるようですが、私は、温かい同僚の方に感謝です。
気づけば年の暮れ、今年も支えていただいて、ありがとうございます。