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私の好きな詩

今から四半世紀ほど前
オライアというカナダ人女性が書いた
The Invitation という散文詩があります

私がこの詩を知ったのは20代前半だった
10年ほど経っている今も
時折 思い出して読み返す

徐々に私の心に根を張り
ずっと息づいている気がする
自分にとって大切な詩です

色んな方が翻訳していて
訳し方もさまざまですが
どれも心地よく心に響きます

最近になってはじめて
著書が出ていることを知り
オライア・マウンテン・ドリーマーが
ネイティブ・アメリカン長老として
頭にイーグルの羽根をつけた
先住民的な方ではないことを知りました

この散文詩を切り取り
各章に分けて書かれたこの本を読むと
なぜこの詩ができたのか
オライアという女性の哲学や思想
詩の中に出てくる言葉の意味 などを知れます

サンマーク出版から出ているこの書籍は
絶版していてAmazonで買うと3万円近くする
定価は1,600円
初めて絶版本が欲しくなってしまい
高すぎても手が出せないという情況になった

巻末に作家のデヴィッド・ワイドという方の作品に影響を受けたとあったが検索してもよく分からないのでまたじっくり調べてみよう


The Invitation ただ、それだけ(誘い)


あなたの仕事が何かには興味がない。 私が知りたいのはあなたが何を願っているか その願いをかなえる勇気があるかどうかだ。

あなたの年齢には興味がない。 私が知りたいのはあなたが愛のために、夢のために、 生きるという冒険のためにばかになれるかどうかだ。

あなたがどんな星のもとに生まれようと興味がない。 私が知りたいのは あなたが自分の悲しみの核に触れたかどうか 人生に裏切られたことがあるか さらなる苦痛をおそれて、 殻に閉じこもったことがあるかどうかだ。 あなたが人や自分の苦しみから逃げ隠れせず ごまかしたりつくろったりもせず じっと耐えていられるかどうかを、私は知りたい。

あなたが人や自分の喜びを心から味わい 陶酔に我を忘れて踊りだせるかどうかを、私は知りたい。 人目を気にしたり、我に返ろうとしたり、 自分に枠をはめたりせずに。

あなたが聞かせてくれる話が真実かどうかには興味がない。 私が知りたいのはあなたが人を裏切っても 自分に正直でいられるかどうか、人から裏切り者と責められても、 自分の魂を裏切らずにいられるか 不誠実になれるがゆえに、人から信頼されるかどうかだ。

あなたが日々のなかで、 美しく見えないものにも美を見いだせるかどうか 美の存在から自分の人生を 掘り起こせるかどうかを、私は知りたい。

あなたが人や自分の失敗を受け入れることができるかどうか 失敗してもなお湖畔に立って銀の月に向かって 「イエス!」と言えるかどうかを、私は知りたい。

あなたが住んでいる場所や、 どのくらいお金を持っているかには興味がない。 私が知りたいのは、 あなたが悲嘆と絶望の夜を過ごした朝に起き上がれるかどうか 心身ともにどん底にあっても、 自分の子供にごはんを食べさせてやれるかどうかだ。

あなたが誰を知っているか、 どうやって生きてきたかには興味がない。 私が知りたいのは あなたが危機の最中で、 私と一緒にひるまずにいられるかどうかだ。

あなたがどこで誰と、何を学んできたかには興味がない。 私が知りたいのは、すべてが消え去ったあと 何があなたを内側から支えているかだ。

あなたがひとりきりでいられるかどうか むなしいときも自分といて心から楽しめるかどうかを、 私は知りたい。

(原文)
The Invitation


It doesn’t interest me what you do for a living.

I want to know what you ache for

and if you dare to dream of meeting your heart’s longing.

It doesn’t interest me how old you are.

I want to know if you will risk looking like a fool
for love
for your dream
for the adventure of being alive.

It doesn’t interest me what planets are squaring your moon…

I want to know if you have touched the centre of your own sorrow

if you have been opened by life’s betrayals
or have become shrivelled and closed
from fear of further pain.


I want to know if you can sit with pain
mine or your own
without moving to hide it
or fade it
or fix it.

I want to know if you can be with joy
mine or your own

if you can dance with wildness
and let the ecstasy fill you to the tips of your fingers and toes
without cautioning us
to be careful
to be realistic
to remember the limitations of being human.

It doesn’t interest me if the story you are telling me
is true.

I want to know if you can
disappoint another
to be true to yourself.

If you can bear the accusation of betrayal
and not betray your own soul.

If you can be faithless
and therefore trustworthy.


I want to know if you can see Beauty
even when it is not pretty
every day.

And if you can source your own life
from its presence.

I want to know if you can live with failure
yours and mine
and still stand at the edge of the lake
and shout to the silver of the full moon,
“Yes.”

It doesn’t interest me
to know where you live or how much money you have.

I want to know if you can get up
after the night of grief and despair
weary and bruised to the bone
and do what needs to be done
to feed the children.

It doesn’t interest me who you know
or how you came to be here.

I want to know if you will stand
in the centre of the fire
with me
and not shrink back.

It doesn’t interest me where or what or with whom you have studied.

I want to know what sustains you
from the inside
when all else falls away.

I want to know if you can be alone
with yourself
and if you truly like the company you keep
in the empty moments.


この詩の素敵な所は
表面的な部分でない
心の奥にいるあなたを知りたいと
強く訴えかけてくるところ

これを読むと
家族と話をするときでも
日々接客業という仕事をしている中でも
コミュニケーションをとる上で
バリアになるものを(思い込み、気後れ、傲慢)
などを取ってくれる気がする

そして自分というものが
日常の中で知らず知らずのあいだに目が曇り
心が淀んでいたなと思わせられる

オライアも我々と変わらない
すごい名前なのはネイティブ・アメリカンのもとで思想を学び、メディスンネームを授かっているからだ
かといって異世界の住人ではなく
日常の中をたくましく生きている人だ
本を読んで人となりが少し知れた
こんな内容の詩を書いているけれど
2人の息子の子育てに、イライラしてしまったり
パートナーとのトラブルで失意のどん底に落ちたりしたことなど赤裸々に書いてあった

当たり前の日常の中で
気高く崇高な自分の魂と
小さい事にもついイラッとしてしまう自分は
共存している

日常の中で感じる自分の感情と
どう向き合い
どう生きていくのかを
この詩は教えてくれている


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