配信ライブとコールアンドレスポンス

去年から、劇場だったり、映画館だったり、ライブハウスだったり、やたらと色々制限があるもんだから、ずっと行けない生活が続いてた。御多分に洩れず、うちの劇団でも公演が打てない中、『配信』という手段ってどうなのかなって思ってたけども、色々工夫したり探っていくと『案外アリ』なこともあったりするんだね。でも、全面的にその方法に乗り換える事はないだろうな。

そんな事をつらつら考えたりしてたけど、『シン・エヴァンゲリオン』は絶対劇場で見届けないと!って事で、何年振りかに映画館に行ったら、まぁ、楽しい事楽しい事。ただ『見る』って事ならケーブルでも、DVDでも可能なんだけど。

まず、映画の情報を知る▶︎予告を見てドキドキする▶︎映画の上映館やら、興行の時期やら、情報集めをする▶︎予約をして予告編以外の映像を想像してニヤニヤしながら予約日を待つ▶︎上映時間に間に合うように万全の体制を計る▶︎劇場で映像と音と雰囲気を身体中で味わう▶︎余韻を楽しみつつフラフラと家路につく▶︎パンフレットを見返して、またニヤニヤする▶︎また行こうかなって考える…といった、無限ループに陥る。

のが!楽しいのだ!浮き世の憂さを晴らしたいのだっ!その事に時間を費やすことが、嬉しいのだっ!

私の場合、映画に限らず、本でもなんでも、好きになるとこんな状態になって、時間が足りないったらありゃしない。その時間が奪われているのだ。いつになれば正解が出るのやら。そんなグレーゾーンな中、音楽配信ライブで、ちょこっと光明を見た気がしたのは最近のこと。

今までライブハウスに行ってたときは、友達同士やバンドのファンが周りにいるから、一緒に楽しんでる感がわかりやすかったんだけど、部屋で一人で観るのって、なかなかに入り込めないんじゃ。って思ってた。でも、実際に見てみると、ライブ中には決して漏らさない心の声がコメント欄にダダ漏れで、みんなの愛が溢れてて。なんと幸せな時間を感じられるんだろうって。思った次第なわけです。今までのやり方では知らなかった楽しみ方です。

配信するアーティスト側としては、今までステージ上から見えてた景色が奪われるから、さぞかしやりにくいだろうとは思うのだけど、配信を重ねるごとに、時折視聴者のコメントを拾ってくれたり、呼びかけてくれたりすると、こっちも嬉しくなって、コメント欄に歌詞を書き込んだり、歓声や拍手を(文字だけど)入れたり、一緒にその場にいるような感覚を持つことができるようになるんだね。私だけかもしれないけど(笑)ファンの子達が書き込んでるコメントを見て、いろんな感じ方をしてるんだなって感動したり。

…と、少しずつ楽しみ方を自分に引き寄せる方法を発見はしたんだけれど、昨日、生でライブを見ることができて、散々書いた楽しみ方は、やっぱりお為ごかしな方便だったって、痛感してきた。

生のステージは無敵だ。

ステージ側と客席側で、同じ時間を共有しながらお互いに楽しむことが再確認できる空間。文字だけでは埋められないことがたくさんあるんだって。大人しく椅子に座らなきゃいけない事はわかってても、マスクの下の口は無音でもぱくぱく歌詞を呟くし、足や腰や腕が勝手にリズムを取って動き出してしまう。どんな苦行なんだこれ。って、思いながら涙目になりつつ満面の笑顔で楽しんでこれました。早く、これが当たり前として享受できる日が来ますように!

って、昨日のライブで思ってました。

ありがとう。吉田一休さま。


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