これまでとこれから ~「教育」と「福祉」と「企業」の狭間で~
早いもので、今年も今日で最後となりました。
今現在、「大晦日くらいゆっくりしよう」という思いと、「あの企画をもう少し詰めよう」という思いが、自身の中でせめぎ合っています。
一方で、今年はSNSなどを通して自分の考えを発信することが殆どありませんでした。
その理由を自身に問いかけたとき、「特にない」でした。
ですが、「行動には必ず理由がある」わけですから、改めて考えてみると
・SNSを見る余裕もないほどの時間的多忙・精神的多忙感
・現場やそれを支えるたくさんの方々との日常的な対話
などが主な要因だと感じています。(抽象的ですね)
そして今日を迎えたわけですが、「最後に今年やってきたことを簡単に振り返っておこう」と午後になって思い立ち、これを書いています。
ざっくりと書ける範囲で、これまでとこれからのことを書き残そうと思います。
(目標は1時間。作業時間を決めてから物事に取り掛かることの大切さを今年学びました。)
教員を辞めて
僕は今年の3月で教員を辞め、4月から株式会社LITALICOに就職しました。
その理由は長くなるので割愛しますが、一言で言うのなら
「多様な人が生きやすい社会を共につくっていきたい」
ここに集約されます。
大事なことなので書き加えておきますが、
「社会をつくる=社会を変える」ではありません。
「社会をつくる=私たち一人一人が変わり続ける」です。
では
「多様な人が生きやすい社会」
それはどんな社会でしょうか。
それは例えば
・病気や医療的ケア、行動障害などを理由に拒まれることなく、誰もが望む地域で当たり前に暮らせる社会
・特別支援学校卒業後も、学びたいことを学ぶ機会を当たり前に保障された社会
・少ない工賃であってもやりがいを感じて働ける就労先、サービスを併用しながら親元を離れた生活を実現できる暮らし方などの選択肢が当たり前にある社会
そんな”当たり前の”社会を実現したいと考えています。
そして、そのために僕は、大好きだった教員を辞めることを決断しました。
これまで
LITALICOに入社後、これまで主にやってきたことを業務内外含めて書ける範囲で書くと
・発達支援(相談支援、訪問支援など含む)
・地域との連携(自立支援協議会やケース会議への参加など)
・研修会の運営
・オンラインでのメンター
・学習支援ボランティア
などです。
そしてその中で、お子さん、親御さん、保育士や教員、教育委員会の方、福祉事業所の職員やサビ児管、相談支援専門員、医師や看護師など、たくさんの方々と関わることができました。
そのような経験を通して、率直に感じてきたことを2つ挙げます。
1.企業に所属して働くことへの葛藤
これは入社する前から覚悟していたことではあるのですが、実際に入社してからも今現在まで、この葛藤は続いています。
詳細を伝えることは当然できませんし、する必要もないのですが、誤解を招きかねないので書いておきます。
これは会社への不満では決してありません。
また、教員を辞めたことへの後悔も全くありません。
実際、この約9か月間で、見識や視野が確実に広まったと実感しています。
ただ、余計なことを何も考えなくていいとしたら、僕は
そう思っています。
将来的には、そのような生き方をしていきたいですね。
2.「対話」の大切さ
上述したように、いろんな方々とお話してきました。
ときには、「未だにこんな考え方の現場があるのか」「この人はなぜこんな考え方をするんだろうか」と思う場面もありました。
ですが、何回も対話を重ねていくと、「当事者の幸せ(ウェルビーイング)」を考えているのはお互い同じであることに気付きます。
意見の相違や誤解の要因の大半は、コミュニケーションの不足です。
昨今、対話を避ける傾向が強まっているように思います。
それは心理的な防衛(批判を恐れる、自身の考えを正当化するなど)であったり、社会の変化(SNSの広がりなど)であったり、国民性と説明されたりするかもしれません。
ですが、対話なき発信(批判)は、分断を生むだけです。
それは障害児者支援の場でも同じです。
基本的なノウハウ(知識やスキル)を備えた人材は確実に増えてきています。
あとは
それが、ソーシャルインクルージョンという道のりにおいて不可欠だと痛感しています。
※ちなみに「対話」は「議論」ではありません。
議論は最終的な結論を出す必要がありますが、「対話」は意味や目的の共有を通して本質を見つけることが目的です。
これから
ということで、気付いたら長々と書いてしまいました。
最後に、これからのこと。
今はまだ具体的には書けませんが、
・上述した今年度の取り組みの継続
・自身の働き方の調整
・対話の場づくり
・NPOとのお仕事
などができたらと思っています。
また、SNSは「対話のツール」として今後使っていこうと考えています。
ちなみに僕の夢は
「集まった人同士、子育てのことを何でも相談し合えるお店をつくること」
なのですが、結局「対話」がしたいんだな、と思ったところで終わります。
それでは、今年最後の1日、健やかにお過ごしください。