同類項は引き寄せ合う~マーケティングで愛は築けるのか②~
前回までのあらすじ
やぁ、こんにちは!٩( ᐛ )و 三原さんだよ。リアルのび太くんみたいなスペックの持ち主である、このアタイにクリスマスまでに彼女ができるかを半ば実験的に試している最中だ!イチ円も使わずに彼女が作れるかと思いきや、見事に課金することになってしまった。次のサブスクの更新までには退会したい!
ってなわけで、
そもそもこれってどういう話でしたっけ??
どこからどう見てもガクトなんだけどなぁ。そんな風な色眼鏡で自分を見ていましたが、実在的な自分自身はそこら辺にいる奴らよりも容姿・年収・あらゆる物事において勝ち目が無いという現実を32歳にして、やっと気づき始めたわけです。
いや、まだ何か一握りの可能性があるかもしれないではないか。クリスマスまでに彼女が出来なかったら、もう恋愛は諦めよう。それまでに責めて(攻めて)足掻いてみようと思った10月中旬のアタイ。しかしながら、どう恋愛市場に切り込んでいけば良いのか皆目検討もつかない。「戦略」という概念も、せいぜい大学で学んだマーケティング程度の知識だけ。それならばマーケティング戦略を駆使して、たった1人の顧客を見つけるための船旅に出よう!と、新しく機種変したiPhoneを武器に恋愛市場という大海原へと漕ぎ出した三原さん。これで無味乾燥で孤独な休日を過ごす習慣ともさらばだぜ!へっへっへ。
なんてったって、どう見てもガクトだもんな。もしかしたら3日ぐらいあれば可愛い娘と連絡が取れるようになるんじゃないのか?と、興奮は治まらない。去年のクリスマスはアパートで1人、コンビニのチキンを食べて過ごしていた。そんな奴が「今年は一味違うぜ!٩( ᐛ )و」とイキっていた。
時は10月16日。クリスマスまでまだ2ヶ月はある。今から本気出せば余裕だろ。
三原は「Pairs」というマッチングアプリをインストールしてみた。STP戦略によって導いた航海図を片手に、恋愛市場への出航のファンファーレが心の中で鳴り響く。
進捗はあったのか?
先に要点だけ書いておくと、マッチングは数件成立した。ところが、自分が相手のことを言えたもんではないが、些かそれには「訳あり」な事情があるのだ。過去の過ちを繰り返さないためにも、ここで大胆且つ大幅な価値観のアップデートが要求されているような気がしてならない。
10月31日までの経過報告
冒頭に、今日に至るまでの過程を図で示した。記号とベクトルを用いているが、読み方は前回説明したはずなので、今回からは時系列順に出来事を述べるに留める。
まずアプリをインストールして2日後にいきなりマッチングが成立した。自分には勿体ないくらいに可愛いお相手だったが、メッセージを送っても未だに返事が来ないので脈が無いと判断した。
それから3日後に別の方とマッチングが成立。インドア派で映画鑑賞が趣味の方。アタイは大の動画嫌いなのだが、それでも話を合わせるために無理やりAmazon Primeで映画を視聴し、感想を報告してみたりしていた。11月の下旬ならばデート出来そうです、近くなったら連絡します と告げたきり、連絡は途絶えた。
10月31日に至るまでは、主にアプリの操作に慣れることに重点を置き、暇な時にプロフィールを考えてみたり、改めて自分が本当に好きな物事と、相手に求める条件は何かを具体的に落とし込んで頭の中で列挙していった。
通勤中の車内でプロフィールを練り、たまに1人で出かけては如何に自分をキレイに撮れるか、つまり自撮りの工夫を凝らしてみたり。しかしどう頑張っても笑顔が硬い。
何かの論文で見たが、卒業アルバムの顔写真で笑顔が出来ていない人ほど、将来結婚出来る可能性が下がるという相関性がある というのは、あながち嘘じゃないなと「結婚が出来ない側の人間」として深く理解した。
ちなみに一応の短期目標として、11月上旬には誰かしらとデートをする!という目標を自分の中で掲げていたものの、相変わらず休日は部屋に引きこもっている現状が続いております。
11月13日までの経過報告
何人かとマッチングをしてきた事実はあれど、残念ながらまともにメッセージのやりとりが出来ない日々が続いていた。連絡する気が無いなら「いいね!」を押すなよ。なんだよ、少し期待しちゃったじゃないか。
今日に至るまでの目標は3つ掲げていた
・連絡がマメな相手を見つける
・ビデオ通話をしてみる
・一度お会いしてみる
しかしながら、実現したのは連絡がマメな相手と1人繋がっただけに過ぎない。詳細は後述するが、それでもここまで来れた努力というか戦略としては
・対象を絞る
・総当り戦略
・お姫様戦略
・ブルーオーシャン戦略
の4つを意識してきたことが大きいかもしれない。
そして具体的に心がけていたことは、毎日90分はアプリにログインをするのと、お相手からのメッセージには必ず5分以内に返信をする、この2つを特に重視した。
実行した戦略の数々
こんな用語、マーケティングにあったか?!とツッコみたくなるのも分かる。何も既存の戦略だけを駆使して物事を展開することだけがマーケティングじゃない。新たな戦略策定も重要なポイントなのだ。そして勝手に名称を付けるのは、戦略立案者の特権だ。
以下の戦略には、前もって「如何に相手を絞るか」を踏まえての実行となる。まず自分の年収が200万以下という現実と、相手の年齢層の絞り込み、予定さえ合えばすぐに会いに行ける距離かどうか、その辺りを考慮してフィルターにかけた。残念なのは、このアプリには「コミュニティ」という共通の趣味などの話で盛り上がる場が多数設けられているのに対して、例えば自分が「コーヒー好きのコミュニティと、本屋が好きな人のコミュニティを掛け持ちしている人・・・」と、コミュニティだけでの絞り込みが出来ない、つまり趣味だけの相性で絞り込めない点にある。これに関してはどうやら、毎朝AIか何かが「相性の良さそうな人を選んできました!」みたいな項目でお相手の写真を左右に振り分けるしか無さそうだ。
総当り戦略
たった1人のかけがえのないお相手を探し出して、全愛情を注ぎ込むのが個人的には理想のやり方だったが、どうもマッチングアプリはそうじゃなさそうだと分かった。投資と同じ様な考えで、「卵は一つのかごに盛ってはいけない」のだ。手広く、色んな相手に「いいね!」を送る。それで運良くマッチングが出来れば上等。大抵は何も進捗が無い。
気付いたのは、男に関して言えば「いいね!」出来る数(弾数)が限られている点だ。ある程度は相手を見極めた上で、いいね!砲を打ち込まなければならないのである。まぁ一点に「いいね!」を集中砲火する機能もなさそうだが、相手側からすればウザいだろう。
お姫様戦略
これはマッチングが成立した後に取る、男側の姿勢の問題だ。まだ明確に「彼女」に昇華したわけではないが、少なくとも「相手」から「お相手様」へと、ポケモンで言えば一段階進化したような状態となる。
片思いの相手から、連絡の取れる(返事の保証はない)お相手様へと進化するのである。タップ一つで。
ここまで来れば、後はひたすら「お姫様」のように丁重に応じるだけである。相手の話に徹底的に同調し、趣味も合わせ、向こうが好きそうな話を提案する。なんでこんな馬鹿馬鹿しいことをやっているのか情けなくなってくるが、恋愛とは恐らくそういうものなのだ。
要するに嫌われるくらいならば、少しでも相手に優しく接してあげる方が紳士っぽいでしょ、っていうそれだけの話だ。というかプロフィールを見て気が合いそうだと思っていいね!をしたのに、前提と話がちげーじゃねぇか!みたいなことはよくある。
ブルーオーシャン戦略(自分なりの解釈)
本来の意味は、マーケティングの類の書籍でも読んで勉強するか、ググるなりしてください。
有り難いのかどうか判断に困るところだが、気になる女子のアイコンをタップするとトップ部分に「いいね!された数」が表示される。ちゃんと統計をとったわけではないが、100件を超えていれば可愛い、60件以下は残念な存在か、或いはまだ始めたばかり と大まかに見定めることが出来る。
偉そうに書いたが、逆も同じく、女子達もアタイのプロフィールを見ては「この程度の評価かw」と鼻で笑って去っていくのが鮮やかにイメージ出来る。
しかしこの程度で落ち込むわけにはいかない。なんせ、メンタル的には「どう見てもガクト」なんだから。
そこでアタイは予めフィルターで絞り込んだ相手の中から、敢えて100件以下のいいね!の方に「いいね!」を送ることにした。アイドルみたいな可愛い子じゃなくても、趣味が一致すればそれでいいんだもん。
反省と修正
と、ここまで戦略などまで書いてきた。フィルターによる絞り込み、そして地味な戦略策定。
どうも年収と女子の清廉さは比例しているらしく、アタイに分相応な相手に求める条件として「年収200万以下」という項目を追加すると、他の要素でフィルターをかけていようが、ブルーオーシャンはメンヘラ、腐女子、太ましい方で溢れかえっている。これが貧困層の実態なのかと、まさかマッチングアプリでも社会の縮図(女子バージョン)を見られるとは思ってもみなかった。
書店に行くと『年収200万以下でも豊かに暮らす』みたいな、ミニマリストかぶれや「丁寧な暮らし」を実行している着飾らない女子がそれなりにいると思っていたのに、1%も存在しない。
どういうわけか貧困と太ましい方って共通するらしく、終いには自分の顔を掲載せずに二郎系のラーメンの画像をアイコンに設定している人まで存在する。恋愛する気あるのか?あ?
そうなると(アタイにとっては)趣味もつまらないものになってくるものが多く、休日の大半は寝て過ごしています、とかずっとYou Tubeを見ていますなんてクラスターがゴロゴロ出てくる。
重視する理想には、一緒にカフェに行けるお相手だと何度か書いたが、もっとメタな理想を言わせてもらうと「お互い貧乏だけれど、一緒に頑張ろうな」みたいな関係を望んでいる。
こちらの文句ばかり言わせてもらったが、それでもこの様なブルーオーシャンならぬ、腐海でも大概の女子から受け入れられないアタイがいる。
何故かなぁと何日か考察している内に悟ったのが、「タバコの壁」だった。
ほとんどの女子はタバコが嫌いだとご丁寧にプロフィールに記載している。ニオイが駄目だ、健康に悪い、気分を害する・・・と言った具合に。
そりゃあそうだよな、とは思うが一応こちらとしても実情としては「タバコはあると少し楽しいけれど、別に無くても困らないもの」に過ぎないので、少なくともデート中に「ちょっとタバコ吸わせて」みたいなことは絶対にしない。それでも喫煙者自体がこんなにも嫌厭(嫌煙)されているとは、ちょっと想定外だった。
長々とここまで書いて来たが、結局のところ魅力のある人なのかどうかは、どれだけ自分が語れるかに掛かっているのではないだろうか。
アタイは趣味の欄に「コーヒー・記録・読書」と書いている。好きだからこそ、そう事実を書いているのだが、客観的に見ればずっと1人で楽しんでいそうな(女子的に見れば)つまらねぇ奴にしか見られないだろう。
自分の年収が低いと、結びつく相手のレベルも下がるのである。自分自身が精神障害者であるが故に、マッチングするお相手様もやはりうつ病などを患っているケースが多い。いいね!をくれるのも、やはり何か事情がある方だ。似たもの同士惹かれ合う法則は、マッチングアプリ内でも見られる現象だったのだ。
印象の悪さとしては、卒アルの笑顔の話もそうだが、アタイが掲載している写真も笑顔がぎこちないところが多く、その一方で女子の写真には明らかに誰かに撮ってもらったアングルのものが多い。これだけ見ても自分が孤独な奴だとバレかねない。
もっと自分を開放して垢抜けた方がいいのだろうか。マーケティング戦略以前に、「だってお前つまらなさそうなんだもん」と一言告げられるだけでアタイの価値は一瞬で崩壊する。
これだけ会員数が多いアプリなのだから、1人くらいは本当に価値観も話も合う相手がいると思ったのに、案外いないと「もう恋なんてしないなんて〜」と言いたくなる。
まぁクリスマスまでに彼女が出来なければ、多分今後一生恋愛に真剣になることは無いだろう。さあ、次はどんなアプローチを仕掛けようか。
じゃ、今回はこの辺で!٩( ᐛ )و
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