江戸川Qの「独想感想文」#12
本作は著者が妻と娘からのリクエスト、それは「本当の家康とはどうだったのか?」という事に発心して著作を思い立ったと冒頭の「はじめに」が書かれています。
故にかもしれませんが、本作は実に分かり易く、また歴史学者としての自分の見解と資料との整合性や、伝記伝承を押さえながら「徳川家康」の輪郭を描き出し、読者に人物としての実像を与えてくれます。
皆さんは「徳川家康」について、どのような実像を思い浮かべるでしょうか?
ひょっとしたら本作を読むと現代の最新の歴史調査とサイエンスによる結果から導かれる新たな人物像を見るかもしれませんし、そこから多くの事を学ぶかも知れません。
本作の帯にはこう書かれています。
――最強のライバルから何を学んだか?
読了後にこの一文を思うと、戦国に生きた徳川家康も現実に生きる僕達も、生き続ける世界で戦いを避けては通れぬのだという因性と、そこに勝てぬまでも負けぬ戦いをする秘訣があるのだと言う示唆があるように感じます。
もしあなたがこの本を気になったら、
そんなあなたにこの一冊を。
そして
あなたが一冊の本を読み終えたら、あなただけの「独創感想文」を。
文:江戸川Q