【天体】 恒星の一生
2024/9/30 更新
宇宙で輝いている星々の生涯についてまとめてみた.
なお太陽含め, 自分で光る星のことを恒星という.
※ $${M_\odot}$$ とは, 太陽質量 ($${1.9891×10^{30}}$$ kg) のことである.
1. 前主系列星
分子雲
まず, 宇宙において密度の大小が生まれ, まとまり始める.
原始星
分子ガスがまとまっていって自己重力で収縮. いずれ内部の圧力で安定し, 星が生まれる.
Tタウリ型星
原始星のまわりの分子ガスによる霧が晴れ, 星の光が外に届くようになった状態.
以上の初期段階の3つの星は, 水素核融合反応ではなく, 「重力エネルギーの解放」で輝いている!
2. 主系列星
褐色矮星
質量が $${0.08M_\odot}$$ 以下と非常に軽い場合, 水素核融合反応できないため「恒星になり損ね」た星. エネルギーが作れないため冷めていき, いずれ黒色矮星になると考えられているが, 理論上観測不可能.
主系列星
恒星が「一生のうちのほとんど」を過ごす段階. 水素核融合反応によって輝いている. 太陽もこの段階である.
赤色巨星
主系列星段階の終わり. 核融合によりHeの割合が増え, $${H_2}$$ のときよりも自己重力が大きくなるため収縮し, より高温になる. すると, 水素核融合反応がより活発になり, その大量に生じる熱から全体の温度が上昇.
その温度上昇によって星は自己重力を振り切り「膨張」する. この膨張するときに, 表面温度が低下し, 結局「赤く」見える.
漸近巨星分枝
赤色巨星の末期段階. 中心部の外層でHeの核融合反応が起こる.
惑星状星雲
AGB星の後の姿. 望遠鏡で見たとき, 「緑がかった惑星」のように見えることが由来.
3. 白色矮星
$${0.8M_\odot}$$ から $${8M_\odot}$$ ほどの恒星の赤色巨星の後の姿. 高温 (余熱) で「白色」に輝く.
冷めていきいずれ黒色矮星になると考えられているが, 白色矮星としての質量上限 (Chandrasekhar限界) を超えた場合, 超新星爆発を起こし, 超新星残骸になる.
4. 超新星爆発
大質量恒星や白色矮星が起こす, 「星全体を吹き飛ばす」ほど大規模な爆発.
この爆発によって, Feより重い元素ができると言われている.
5. 中性子星
$${8M_\odot}$$ から $${40M_\odot}$$ の恒星の超新星爆発後の姿. 高密度 ($${5\times 10^{14} }$$ g/cm³) ゆえに, 原子核において陽子と電子が合わさり, 「中性子」で構成される.
なお, 中性子星の質量上限 (Tolman-Oppenheimer-Volkoff限界) を超えるとブラックホールになる.
パルサー
中性子星のうち, 強磁場をもち, 高速で自転するもの.
マグネター
パルサーのうち, 特に磁場が強く, X線やガンマ線を大量に放出するもの.
6. ブラックホール
$${40M_\odot}$$ 以上の恒星の超新星爆発後の姿. 事象の地平面内からは光ですら「脱出不可能」.
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