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【天体】 恒星の一生まとめ

2024/12/8 更新

宇宙で輝いている星々の生涯についてまとめてみた. 
なお太陽含め, 自分で光る星のことを恒星という. 

※ 以下で登場する$${M_\odot}$$ とは, 太陽質量 ($${1.9891×10^{30}}$$ kg) のことである. 


1. 前主系列星


§1. 分子雲

まず, 宇宙において密度の大小ムラが生まれ, まとまり始める. 

分子雲 (黒い部分)
(credit: 2001 European Southem Observatory)


§2. 原始星

分子ガスがまとまっていって自己重力で収縮. いずれ内部の圧力で安定し, 星が生まれる. 

原始星 (青色に光っている点々)
(credit: 2004 NASA/ESA and the Hubble Heritage Team)


§3. Tタウリ型星

原始星のまわりの分子ガスによる霧が晴れ, 星の光が外に届くようになった状態. 

Tタウリ型星 (credit: ウィキペディア)

以上の初期段階の3つの星は, 水素核融合反応ではなく, 「重力エネルギーの解放」で輝いている!



2. 主系列星


§1. 褐色矮星

質量が $${0.08M_\odot}$$ 以下と非常に軽い場合, 水素核融合反応できないため「恒星主系列になり損ね」た星. エネルギーが作れないため冷めていき, いずれ黒色矮星になると考えられているが, 理論上観測不可能. 

褐色矮星 (credit : NASA/JPL-Caltech)


§2. 主系列星

恒星が一生のうちのほとんどを過ごす段階. 水素核融合反応によって輝いている. 太陽もこの段階である. 

Hertzsprung-Russell図 (credit; 天文学辞典. “HR図”)


§3. 赤色巨星

主系列星段階の終わり. 核融合によりHeヘリウムの割合が増え, $${H_2}$$ のときよりも自己重力が大きくなるため収縮し, より高温になる. すると, 水素核融合反応がより活発になり, その大量に生じる熱から全体の温度が上昇. 

その温度上昇によって星は自己重力を振り切り膨張する. この膨張するときに, 表面温度が低下し, 結局赤く見える

赤色巨星
(credit : 星座宇宙博物館. “星の一生”.)


§4. 漸近巨星分枝 (Asymptotic Giant Branch, AGB星) 

赤色巨星の末期段階. 中心部の外層でHeヘリウムの核融合反応が起こる. 

AGB星
(credit : ALMA (ESO/NAOJ/NRAO))


§5. 惑星状星雲

AGB星の後の姿. 望遠鏡で見たとき, 「緑がかった惑星」のように見えることが由来. 

惑星状星雲
(credit : The Hubble Heritage Team (AURA/STScl/NASA))



3. 白色矮星


$${0.8M_\odot}$$ から $${8M_\odot}$$ ほどの恒星の赤色巨星の後の姿. 高温 (余熱) で白色に輝く. 

冷めていきいずれ黒色矮星になると考えられているが, 白色矮星としての質量上限 (Chandrasekharチャンドラセカール限界) を超えた場合, 超新星爆発を起こし, 超新星残骸になる. 

白色矮星 (左下の点.)
(credit : NASA, ESA, H. Bond (STScl), and M. Barstow (University of Leicester))



4. 超新星爆発


大質量恒星や白色矮星が起こす, 星全体を吹き飛ばすほど大規模な爆発
この爆発によって, Feより重い元素ができると言われている. 

超新星爆発
(credit : NASA, ESA, J. Hester and A. Loll (Arizona State University))



5. 中性子星


$${8M_\odot}$$ から $${40M_\odot}$$ の恒星の超新星爆発後の姿. 高密度 ($${5\times 10^{14} }$$ g/cm³) ゆえに, 原子核において陽子と電子が合わさり, 中性子で構成される. 

なお, 中性子星の質量上限 (Tolmanトルマン-Oppenheimerオッペンハイマー-Volkoffヴォルコフ限界) を超えるとブラックホールになる. 

中性子星 (中心部分)
(credit : NASA/CXC/PSU/G.Parvlov et al.)


パルサー

中性子星のうち, 強磁場をもち, 高速で自転するもの. 

パルサー
(credit : NASA/CXC/PSU/G.Pavlov et al.)


マグネター

パルサーのうち, 特に磁場が強く, X線やガンマ線を大量に放出するもの. 

マグネター (credit: NASA)



6. ブラックホール


$${40M_\odot}$$ 以上の恒星の超新星爆発後の姿. 事象の地平面内からは光ですら脱出不可能

ブラックホール (credit : 2022 Event Horizon Telescope)



7. まとめ


恒星の一生

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