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外務専門職のメリットとデメリット

私は日本の大学を卒業した後、新卒で外務省専門職として外務省に入省し、2年間の在外研修期間も含めて約14年間勤務しました。その間、外務本省での勤務に加えて、南米とアフリカの大使館で8年以上勤務しました。

現在は、外務省から国際機関に転職し、国際公務員として勤務しています。

外務専門職員とは、国家公務員試験の総合職(いわゆるキャリア)や一般職(いわゆるノンキャリア)とは異なり、外務省が独自に実施する公務員試験です。

外務専門職員として入省すると、特定の語学や地域、分野の専門家として活躍することが期待され、国内勤務と海外勤務を繰り返しながら、将来的には外務省の中堅幹部として活躍することとなります。

一方で、総合職として入省するキャリア外交官とは異なり、課長級以上に昇進することは稀で、G20などの重要な国の大使や事務次官・局長等の幹部に就任することはありません。このため、入省の時点で出世に限界があることに留意が必要です。

こうした事情もあり、自分も含めて転職をする専門職員は後を絶ちませんが、専門職員として勤務したことで得られたスキルや経験もあり、新卒後の有意義なキャリアを築くことができたものと考えています。


今回は、外務省での10年以上のキャリアを振り返り、外務専門職として勤務することのメリットとデメリットについて各々4点、私見を記載したいと思います。

新卒や中途採用として、外務省で勤務、在外公館で外交官として勤務することにご関心のある方々にとって参考となると幸いです。

なお、こちらの記事は約5100字で構成されています。

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