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シャニアニ第一幕の正直な感想(面白い、が、もったいない)【ネタバレ有】

(すっかり公開するのを忘れて1年寝かせてしまった記事です)


<結論>

良かった

正直に言うと、TLでかなり賛否両論が上がっていた(ミリアニは賛ばかりだった)のを見かけてから行った(11/16と放映終了間近)ので
「おいおい天下のニチアサ様のミリアニに勝てるんか~~~」と、下世話な好奇心を散りばめて見に行きました。
そんな出歯亀精神で見た1話冒頭。
皆がアイドルをやる"前"のシーンが挿入されていったときの絵でガッと心を掴まれ、気づけば目前には綺麗な空が広がっていました。
シャニアニおもれ~~~~~(ちょろい)
散々聞きこんだSpread the wingが流れたところで感動が押し寄せてたので、好きなコンテンツが映像化することはこれほど嬉しいんだってことを思い出しました。
ただし、OVA(ファン向け)的な良さです。
これが非シャニマスPに受け入れられるかは不安。
この辺の良い点悪い点は後述します。
なによりかにより、

構成がもったいない

アニメは古来よりファンの間で「3話切り」と呼ばれる視聴スタイルが確立しています。

これは1話で描かれた作品の方向性が自分の感性とズレていたとき、せめて3話まで見て評価しようというオタクの善意で公平な批評姿勢に基づいたものです。
個人的には『魔法少女まどかマギカ』の第3話でマミさんがマミられ、明確に「物語の方向性」が提示されたことから強く市民権を得た姿勢と認識しています。
異論は認めます。

みーご所感

その流れを踏まえたうえで、アニメ否定よりのシャニマスPからも評判がかなり高い放クラ回は"4話"。
しかも、手前の3話は明確に脚本がやばい(後述の謎子供)ので、脱落者が出てもおかしくない。
そんな背景を鑑みて、『もったいないや』(♪歪み発見だ~)と思いました。

続きから良かった点、悪い点を書いていきます。


<良い点>

・絵が綺麗

アニメで一番重要と言っても過言ではない。もともと声はついてるわけだしね。
PVの櫻木真乃を見たときはあまりにも線が優しく、ぽやっとした印象でいかにもな3Dモデルだったので大丈夫かな……と少し心配だったんですが、
実際に映画館で見てみると原作のキャラデザに寄せたモデリングをしっかりしているので、とっても絵が綺麗でした。
上述した通り、好きなコンテンツがアニメで動いてるだけで+2833150点スタートなのでちょろいかもしれません。

・4話

「小宮果穂にヒーローショーをあてがった」
という事実に、深く感謝を謹啓謹んで申し上げ奉る。
もちろんジャスティスVだったら激アツも激アツだったけど、流石にご都合主義がすぎるので、地域密着型ヒーローはちょうどよい塩梅だった。


<賛否両論>

・オムニバス展開

いわば超簡易な一行要約だと
1話:真乃が加入してイルミネ誕生の話
2話:アンティーカでMV撮影する話
3話:アルストロメリアがイベントする話
4話:放クラがヒーローショーをする話
ここに"転"が
1話:真乃の拒否
2話:豪雨、停電
3話:反抗的態度の子供
4話:ヒーローが来ない

かたやミリアニを上げると
1話:初めてライブを見に行き、アイドルへの憧れを抱く
2話:オーディションを受ける
3話:仲間との邂逅
4話:仲間との不和、合意形成
で、3,4話からいきなり見るのはもったいなく思える。

比較するとわかりやすいように、シャニアニはオムニバス形式と言って差し支えないくらい各話で独立している。
ストーリーの合間に「一方その頃」と言わんばかりに、他ユニットの活動が挿入される。
なので、2,3話を飛ばして。なんなら1話を飛ばして4話から見ても楽しむことはできる。
もちろん、4話の放クラ回はこれまでに地域との密着活動してきた絆が活きてくるシーンがあるので見てきたほうが良いけれども、話が通じないわけではない。

このオムニバス展開はシャニマスのコミュに由来していると思う。
メインシナリオ(W.I.N.G,G.R.A.Dなど)は言わずもがな、サポカのコミュもユニット内で完結しており他ユニットが顔を覗かせることは少ない。
たまに越境コミュ(ユニットの垣根を超えた絡み)はあるものの供給は著しく少ない。
それこそリアルライブでもアイドルがユニット枠を超えて歌うことがほぼない(オリメン以外が曲を歌うことがない)わけで。
セツナビート、ムゲンビートのシャッフルパートがあまりにも異質だったと言える。
(だから円盤化遅かったんすか? よくわかんないっす!)

この方向が良いかどうかは第二幕、第三幕を見ないとわからないのでまだ判断できない。
ただ、個人的には他ユニットのキャラにも軽くちょっかいをかける摩美々や、千雪に頭を撫でられる果穂や、霧子に甘やかされる甜花を見たかったので、せっかくのアニメなのでこの先はそういう越境を多用いただけると幸いです。


<悪い点>

・キャラの個性紹介がない

4話(第一幕最終話)までを見て。
園田智代子を「チョコアイドル」と認識できる初見の方は何人いるでしょうか。
田中摩美々を「いたずら好きな天邪鬼」と認識できる方は。
大崎甜花を「ゆったり休みがちな"姉妹"の姉」と把握できる方は。
なんなら大崎姉妹について、姉妹という情報が視覚では提示されているもののその紹介はなかった。

そう、登場キャラの"強み"がわかりません。
ユニットの強みは充分に2-4話で描かれていて、とりわけ放クラは分かりやすく描かれていることからも4話の感想は好意的なものが多く散見されます。

それもこれも自己紹介にあまり比重をおこうとしてないからなのかなと思います。
ミリアニでは39人もいることから、正直(このキャラの性格や個性はなんだろう)と分からないキャラもいました。
ただシャニアニは16人とその半分なので、描こうと思えば描ける人数。もう少し、各ユニット回で深く描いても良かったのではないか。

「行間を読みまくれ」と言うのはもちろんごもっともなのですが、シャニアニを初見で見たときに「キャラの個性がわからない」というのは、まだPじゃない人がPになるためのフックが弱いんじゃないかと思います。

・カメラワークが微妙

4話の放クラ回で如実に現れていて、河原で練習しているくだりのとき。
カットすればいいものを、5人の表情をシームレスに映すようにカメラを動かして見せていく手法が、同人制作の映画みたいなカメラワークだと思っちゃいました。
それこそシャニソンで叩かれたOH MY GODの修正前みたいな。
3Dモデルだからこその表現っちゃ表現(中割る必要がないからできる贅沢)なんだけど、あまり効果的でないように感じました。

・結論ありきの構成

3話のクソガキ(直球)展開を擁護、ないしは意図を説明できる人がいたらぜひ助けてくれ頼むっていう、悲痛な叫びなんですが。
アルストロメリアのユニット指針が「会場に笑顔を咲かせます」だから、笑顔浮かべてない子供を笑顔にさせるのはわかる。
ただその手法があまりにも強引すぎてチープだった。


改めて、個人的に評価を述べると
シャニマス好きな人:A
シャニマス知らない人:C

やっぱりOVAに近い作品に仕上がってしまっている気がする。
初代、デレ、ミリとアイマスのこれまでのアニメが新規層開拓に意欲的で、未プレイ向けに丁寧にシナリオを組み上げていたのに比べると。
シャニマスはかなり省略しまくっているので少し勧めづらい作品に仕上がっているのが難点ですね。
まだ4話時点なので、今後どういった風に進んでいくかが楽しみです。


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