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青春のひんやり飯

今から10年ぐらい前、関西に住んでいた。琵琶湖のあるところに住んでいて週末は決まって京都や大阪に出かけていた。ただ行先はもっぱらゲーセンだったというのは若さ故かと思う。


大阪に行ったときはお昼に決まってあるお店に行くことに決めていた。それが自分にとっての思い出グルメである。その思い出グルメは大阪駅のやや南にある大阪駅前ビルというビル群の中の一角にある。外から見るとここは普通の高層ビルが4つ並んでいるだけなのだが本質は地下にある。ここの地下はとにかく異様だ。複数階で地下のビル同士はどこもつながっている。そして良くわからない謎の店が多くある。ゲームセンターはもちろん、金券ショップや本当にこのお店はなんのお店だと思ったものもあった記憶がある。

 そんな異様でどこかディープなダンジョンのような一角にある思い出グルメ。それは「かつ丼」である。どこに冷たい要素があるのかと思われるが、かつ丼はかつ丼でも「ひやおろしかつ丼」というものである。

 ここのお店はご飯とカツを別々に提供しているのが特徴的で頼むとごはんと平たい皿のようなものにのったカツが出てくる。温かいごはんと冷たいだしが入ったカツ、この相性が抜群だ。暑い日でもかつ丼を食べたい、しかし熱いのはなぁという狭い需要を見事についてきたこのかつ丼。流行りになっていたB級グルメの王道を行く感じがしてとても好きだった。

さて関西から関東に移り住み食べる機会はなくなってしまった。一応関西に行く機会はあるのだがタイミングがほとんどない。
ちなみにこのnoteを書くにあたり調べてみると「祭太鼓」というお店だそうだ。阪急三番街にも店はあるそうだがどの店舗も梅田近辺にしかほぼなく、関西限定でかなりローカルな一品に間違いない。



#日記 #エッセイ #ひんやりフード #滑り込み組

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