対戦ゲームにおける「嘆き」のメカニズムについて
Miguruと申します。本記事は、ゆーみんさんという方が企画した Shadowverse Advent Calendar 2023の10日目の記事となります。
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さて突然ですが皆さん、ゲームをプレイする上で1度でもイライラしたことはありませんか?筆者はもちろんありますが、別にこのこと自体が悪だとは全く思いません。むしろ真剣に取り組んでいるからこそ生まれる感情で、これもゲームの楽しみの1つでもあると言えるでしょう(さすがに人や物に当たったりするのは例え冗談でもやめてください)。
しかし、勝つことだけを目的としてゲームに向き合っているプレイヤーがその感情をむき出しにして暴れるとなるとまた話は変わってきます。
ここからが本題なんですが、先程述べた行為こそが主に「嘆き」と呼ばれているものでSNSではこれが飛び交っている風景をよく目にします。さらには他人との通話の最中や、果てはオフ大会の試合間の時間にまでその嘆きが耳に響いてきます。しかし、対戦相手に強く当たってもSNSで不幸自慢をしても自分の勝率の上昇に繋がることはないため、筆者的にはこういった行為を”勝つために競技に取り組んでいる層”が頻繁に行っている姿を見ると、脳内が大量の疑問符に埋め尽くされてしまいます。暴言吐きまくってても強い人はいるんだから別にいいだろ!みたいな意見はお門違いなので回れ右してfuck off。
とは言ったものの非常に多くの人間が嘆いてる場面を見かけるので否定ばかりもしてられないなと思い、彼らの思考を分析しそれを自分の考えを付け加えながら文字に起こしてみることにしました。私もそこそこX(旧Twitter)歴のある人間の1人であり、様々なツイートを見てきました。そこで、対戦ゲームから生まれる「嘆き」は大きく2つに区分されると考えることができたので、それらを中心に説明させていただきます。
1.自分の実力不足に対する嘆き
まずは「自分の実力不足に対する嘆き」についてから解剖していきましょう。 わかりやすく例を挙げておきますが、定期的にTwitterに触れていれば一度はこれらのような文章を見たことがあると思います。
まぁ大体こんな感じです。なんかちょっと鼻につくような香ばしさがありますが、彼らは恐らく真面目にこのようなツイートをしているのだと思われます。その理由は非常にシンプルで、自らが競技的に真剣に取り組んでいる所を他者にアピールしたいからだと考えられます(どういうところが良くなかったかを付け加えない人ほどこの傾向が強い気がします)。
本音を言えば運のせいにしたいけど、周りからストイックな人だと思われてちやほやされたいから下手負けってことにしないと……という思考に支配されているのでしょう。また、そこへ「お疲れ様でした!○○さんいつも自分に厳しくてかっこいいです!」みたいなリプが加わると、劇薬の如く大量の脳汁が吹き出すこと間違いなしでしょう。昨今のeスポーツ文化(ゲーム=競技至上主義みたいな考え方)の発展がプレイヤーをそうさせている節もあるのかもしれませんね。
そんなに下手だのセンスないだの嘆いてても次に活かせる反省ができていなければ、嘆く時間だけでなくその試合まで無駄になってしまうのはわざわざ言わなくてもまぁ分かりますよね。そんなにゲームセンスないなら競技なんてとっととやめちまえとは思います。
2.自分の実力以外の要素に対する嘆き
もう1つは「自分の実力以外の要素に対する嘆き」です。なんかもう大方予想できるとは思いますが、先程のように例をいくつか挙げておきます。
こういった発言の意図は非常にわかりやすく、ただ自分の力のみではどうしようもない(と思われる)事象に対しての憤りを示したもので、自分のプレイが完璧(と思われる)だったのにそれ以外の要因で敗北を喫したために”運”で負けた(と思われる)ことを主張しているのだと考えられます。FPSとかだと味方ガチャといった言葉もよく耳にしますね。
さらにこの思考にはまだ続きがあり、自分以外の要素で敗北を喫したことを過度にアピールすることで、「○○さんは上手いのに〜」みたいな言葉を受け取りオ○ニーをキメるという黄金ムーブまで存在します。行き過ぎた自己承認欲求と自己肯定感のコンビネーションがなせる技ですね。
自分の力ではどうしようもないことについて後からあれこれ言っても何一つ変わりませんが、一応ちゃんとした理由はあったみたいです。しかしそういった発言をしてる人ほど凄くわかりやすいミスをしている時がしばしばあり、そういう所に対して盲目になってしまう辺りやっぱり勝率を上げるためには必要のない感情じゃないのかなとは思います。所謂「ティルト」という言葉に近いものですね。
3.最後に
いかがでしたでしょうか。上述した内容から、嘆きのメカニズムについてはなんとなくでも理解出来たと思います。言葉を選ばずに要約すると、「構ってちゃん」か「自分の実力不足を認められないバカ」が好む行動であるということです。後は信仰対象の有名人がそのような行動をしているため、同調するかのように嬉々として嘆いている変わった人間も一定数存在しているように見受けられます。やっぱ信者って気持ち悪いですね。
私は元々嘆いてる人を見るとゲラゲラ笑える側の人間だったのですが、こうして解剖してみるとより一層面白く思えるようになったのでかなり有意義な時間を過ごせた気がします。実際問題、嘆くメリットは微塵もないのですが客観的に見る分にはエンターテインメントの1つとして楽しめました。
読了お疲れさまでした。次回(12/11)の記事は、ガ崎さんの【相手が「3枚目」を引く確率 〜割り切るべきか?ケアするべきか?〜】となっております。この手の嘆きもよく耳にするので非常に興味深いですね。
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