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【S22ダブル最終10位、25位】カイリューサーフゴー+ゴリラガエン

はじめに

お久しぶりです、渚沙です。今回はS22で使った構築の紹介になります。細部を詰め切れていないのは否めないですが何かの参考になれば嬉しいです。

戦績

S22ダブル
TN:JUMPIN'OVER! 最終10位(2081)
TN:ParasolCider 最終25位(2050)

構築コンセプト

  • 対面+クッション
    →カイリューサーフゴーガチグマで対面的に戦うことを軸にしつつ、ガオガエンゴリランダーのクッションを用意することで噛み合いを減らす(それぞれの有利な相手に適切に攻め駒を合わせる)

  • 対面駒には行動保障と切り返し要素を取り入れる
    →交代できない選出で出し負けても最低限の仕事ができるように、そして残数不利から場に出しても状況をひっくり返せるように
     カイリュー:[マルチスケイル]、「しんそく」、「スケイルショット」
     サーフゴー:『こだわりスカーフ』
     ガチグマ:「あくび」、耐久振り+耐性テラス.

  • 一方的に撃ち負けるS操作にはゴリランダー、ガオガエンで対応
    →イエッサン入や原種ガチグマ、イダイトウに強い炎テラス『とつげきチョッキ』ゴリランダー
     S操作+特殊(ヒスイバクフーン、サーフゴー、グレンアルマ…)に強いHD『オボンのみ』ガオガエン

  • 最低限のタイプ受けサイクル
    →勝率を安定させるために個人的になるべく欠きたくない要素. カイリューサーフゴーやゴリランダーガオガエンの並びを形成.

前提:レギュレーションHについて

 レギュレーションHの特徴としてまず受け身のサイクルが弱いことが挙げられます。

・デバフが追い付かない雨下「エレクトロビーム」ブリジュラス、「メテオビーム」キラフロル
・デバフが効かない[まけんき]コノヨザル、ドドゲザン、 [クリアボディ]ドラパルト
・搦め手が効かないサーフゴー
・被弾が負けに直結する「フェイタルクロ―」オオニューラ

などの存在によりデバフや交代を繰り返すサイクルには裏目が多く構築が成立しにくいです。

 また、レギュレーションDのウーラオスやGの禁止伝説のような、群を抜いて強いポケモンがいないことも重要だと感じました。

 無論600族ドラゴンなど数値が高かったり強力な技、特性があったりなどで比較的性能が高いポケモン(強ポケ)はいるものの、1体でほぼ毎試合相手を崩壊させられるような圧倒的なポケモンは現状いないと考えます。

 ドラゴンにはドラゴン、サーフゴーにはドドゲザン、ガチグマにはサーフゴー、ドドゲザンにはガチグマ…のように単純に性能が高い強ポケにも同等の性能を持つ強ポケを当ててまともな対策ができ、従来のレギュレーションと比較すると強ポケたちのバランスが取れているレギュレーションだと感じます。さらにこのことから、強ポケは型を工夫することでパワーを落とさずに相性関係を覆しうると言えそうです。

 上記2点から、今回は強ポケを複数体採用して対面的な戦い方をする構築を組むことにしました。

構築経緯 

1.ガオガエンはそれでも強力
 受け身のサイクルを否定しましたが、本構築ではガオガエンを軸として採用しました。というのも、サイクル軸の構築は厳しいものの、全体の火力ラインが下がったためガオガエン自体のクッション性能は向上しており、鋼(テラスタル)が強い環境のため「フレアドライブ」、「はたきおとす」による攻撃が優秀なことからガオガエンはレギュレーションHにおいても非常に強力だと感じたためです。
 また、幅広く後投げできるガオガエンは一方通行の対面構築でありがちな、出し負けるとその時点で各ポケモンが役割を遂行できなくなるという課題を克服できる点が対面構築と相性が良く、採用により勝率が安定すると考えました。

2.対面+クッションの軸
 よって、高種族値の強いポケモンを採用して対面的な戦い方を軸としつつも、出し負けた場合は一度ガオガエンをクッションに挟み相手に有利なポケモンで切り返す形を目指します。また、ガオガエンの強みを活かすべくサイクルも最低限回せるようにするとともに、上記のクッションが機能しない組への対策は厚くしたいです。

3.対面軸の選定:カイリューサーフゴーガチグマ
 具体的には、まず格闘の一貫が切れてタイプ受けが可能なカイリューとサーフゴーを採用しました。型は最終的にサイクル下で切り返しができる「スケイルショット」カイリューと『こだわりスカーフ』サーフゴーに決まりました。2匹とも最低限の行動保障があることで、交代できない選出時に出し負けた場合にも何かしらの仕事をして裏に繋ぐことが可能です。
 続いて、[じきゅうりょく]ブリジュラスに打点を持ち、ドドゲザンや「ビルドアップ」コノヨザルを一度は止められるHDに寄せた「あくび」ガチグマを採用しました。

4.補完
 最後に、単純な撃ち合いでは勝てないS操作やサイコフィールド展開に強いゴリランダー、高速襷枠として環境にいるドラパルト以外の殆どのポケモンより速くドドゲザンのストッパーとなれるオオニューラを補完として採用しました。

 雨ブリジュラスや「ビルドアップ」コノヨザルは少し厳しいですが、雨ブリジュラスはそもそも明確な対策が思いつかず、コノヨザルは『とつげきチョッキ』や『きあいのタスキ』など攻撃的な型が殆どでなんとかなりそうだという判断で本構築を最終日に使用しました。サイクルの強みを活かして安定感を持たせつつ、「あくび」、「スケイルショット」、『こだわりスカーフ』サーフゴーの軸でパワーを落とさずにガオガエン対策の対策ができたと感じています。

個別解説


・カイリュー

アプリ「SV バトルメモリーズ」を用いて作成.

調整意図
A:特化
S:最速ペリッパー(128)抜き、+1で準速ドラパルト(194)抜き

解説
 メインアタッカーその1。
 [マルチスケイル]による行動保障、地面格闘耐性、積みながら攻撃できる「スケイルショット」の『きあいのタスキ』すら貫く突破力と切り返し、「しんそく」など命中率以外の全てが強力です。また、ヒスイバクフーン、オオニューラに強くギミックへの耐性も自然と確保できる点も頼もしかったです。

 雑に使っても強いですが、単体技のみで構成されていることもありエースとして運用するのか、または無理やり苦手な相手にぶつけるのかなど構築のコンセプト通り役割対象に適切に合わせる工夫ができるとより輝くと感じました。

 この型には「おいかぜ」が採用されていることも多いですが、基本的にこの技は相手の「おいかぜ」に合わせる余裕はなく、あくまでも素の殴り合いで裏のサーフゴー、暁ガチグマを通し差を付ける技という認識です。よって、サーフゴーが『こだわりスカーフ』を持つ関係で「しんそく」の方がS操作のない構築にも強く戦える上に対S操作でも有効に働く場面が多いと考えました。

 テラスはBが下がった後に厳しいドドゲザンの「ふいうち」を半減しガブカイリューに切れるフェアリーとしました(conaさんが教えてくれました、ありがとう)。

・サーフゴー

調整意図
H:A特化(205)ドドゲザンの「ふいうち」耐え
C:できるだけ高く、気持ち耐久振りたかったため削った
S:準速カイリュー(132)抜き

解説
 メインアタッカーその2。
 『こだわりスカーフ』が環境から減っていたこともあり高速アタッカーとして申し分ない活躍でした。少し足りない火力を攻防一体の鋼テラスで補える点も良かったです。

 途中までは別の型で使っていたのですが、今期はサーフゴーより速いドラパルト、ガブリアス、カラミンゴ、コノヨザル、ブリジュラス辺りが終盤につれて徐々に増加しており窮屈だったこと、構築全体のSラインが低いことが気になったことから変更しました。新たに高速枠を投入せずとも初速の遅さという欠点を自然に解決できたほか、縛り関係の逆転で簡単に勝てる試合も多く最終日は大活躍でした。

・ガチグマ(アカツキ)

調整意図
H:16n+1
C:11n
D:できるだけ高く、余り
S:大体のドドゲザン抜き

解説
 クッション兼アタッカー兼対鋼の崩し枠で過労死気味でしたが強かったです。高い耐久を活かして物理と撃ち合うほか、「ふんどのこぶし」が無効なことを活かしてコノヨザルを一度流すか止めるという重要な役割を担います。

 「あくび」は他にもウルガモス、ブリジュラスを止めたり詰めの盤面で確実に勝てる範囲を広げたりと幅広い使い道がある技です。その誤魔化し性能でガオガエンを挟めない時でも無理やり隙を作るなどで構築の対応範囲を広げてくれました。

 テラスは「おいかぜ」サーフゴーに蹂躙されないように耐性を持たせつつ、ゴリランダーが一貫しない電気です(これもconaさんが教えてくれました)。水との選択ですがこちらは水半減が偉く悩ましいところです。今回は「エレクトロビーム」が抜群にならない点も評価して電気としました。
 配分はドドゲザンだけでなく[じきゅうりょく]ブリジュラスを(無理だけど)誤魔化してもらう必要があるので、最低限のCを確保してHDSに回しています。努力値足りひん。

・ガオガエン

調整意図
H-B:A182ガブリアスの『いのちのたま』「じだんだ」最高乱数以外耐え
H-D:余り
S:ガチグマなどの激戦区だが、抜いていない方が強い場面もあることから諦めて4振り

解説
 サイクルパーツとしていつも以上の活躍でした。雨下ブリジュラス、キラフロル、コノヨザルなど一部の相手を除くと[いかく]と併せてほぼ確実に1度は受け出しができるほか、炎超鋼に耐性があることから一方的にやられがちな「おいかぜ」+特殊アタッカーの並びやウルガモスに後出しから強かったのも良かったです。トリックルームにも誤魔化しができるので構築のギミック耐性も補ってくれました。

 配分持ち物は特殊アタッカーを相手することが多いのでHDベース、「スケイルショット」カイリューへの受け出し回数を考えて『オボンのみ』を持たせました。これによりモロバレルがとても厳しくなりましたが、サーフゴーとゴリランダーで最低限の一貫を切っており、「フレアドライブ」採用型であることから最悪倒し切れるという判断で割り切りました。数も少ないと感じたので。

・ゴリランダー

調整意図
S:準速ペリッパー抜き
残り適当に振り分け

解説
 いつものではありますが、サイクル軸の選出はほぼしないので選出率は大幅に減りました。しかし、両イエッサン入や原種ガチグマの「トリックルーム」軸も数を増やしていたため、これらに強い唯一無二の枠として続投しました。

 カイリューやサーフゴー、ドドゲザンなど何もできない相手が増えたため選出には注意が必要ですが、一応厳しめのイダイトウを縛れる枠でもあります。また、『とつげきチョッキ』枠としてアシレーヌやガチグマと撃ち合ったり[グラスメイカー]で体力管理を行ったりと従来通りの強い動きは健在でした。

 配分はイエッサンに選出するためDが欲しく、軸ではないので出す時は刺さっていると判断した時ということでAも最低限確保したいということで適当に振り分けました。

・オオニューラ 

調整意図
A:できるだけ高く
S:最速
B:A204カイリューの「スケイルショット」乱数意識

解説
 サーフゴーから「きあいのタスキ」を外したことで採用された雰囲気対面枠。

 ドドゲザンにもう一枚有効なポケモンが欲しい、「きあいのタスキ」が余っているということで環境の速いポケモンたちの中でも特に速いオオニューラを採用しました。

 その速さと格闘、毒の範囲は確かに処理が遅れがちなガチグマ、ガオガエン、アローラキュウコンなどに有効でサーフゴーと並べた時の範囲が優秀なこともあり痒いところに手が届くという印象でした。

 しかし、[いかく]が普通に通りモロバレルにも弱いので、雨ブリジュラスやポリゴン2絡みに有効なポケモンが採用できればより良かったのではないかとも感じます。

選出例

・基本選出
先発 カイリュー+サーフゴー 
後発 ガオガエン+ガチグマ

 コンセプト通りの対面+クッションの選出です。[まけんき]なしのスタン構築などガオガエンが問題なく選出できる場合に行います。ガオガエンが刺さっている場合は前投げも検討するなど順番はさまざまです。

・対トリックルーム、サイコフィールド軸
先発 ガオガエン+サーフゴー
後発 ゴリランダー+カイリューorガチグマ

 ポリゴン2やイエッサンブリムオンなど分かりやすいトリックルーム、「ワイドフォース」軸に見える構築にはガオガエン+ゴリランダーのサイクル選出で戦います。サーフゴーは「トリック」が刺さることが多いので選出することが多いですが、残りは地面を透かしたそうならカイリューを出したり、特殊打点が複数必要だと感じたらガチグマを出したりと臨機応変に選出します。

対シャリタツ+ヘイラッシャ
先発 サーフゴー+何か
後発 ガチグマ+カイリュー

 ガチグマにテラスを切って「あくび」を入れて「ブラッドムーン」と「スケイルショット」で押し切ります。合体まではガチグマのためにテラスを残して試合を進める必要がある点に注意です。

おわりに

 最終日まで構築が見つからず色々と迷走していたもののなんとか形にすることができてよかったです。今期はその迷走のお陰か少し型やポケモンを変えるだけで構築の扱いやすさや強さが大きく変わることを実感できました。ポケモンってすごい。

 拙い文章ですが、ここまで読んでくださりありがとうございました!

TN


おわり

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